おくのほそ道

漫画「ジパング」にハマったが故に興味は海上自衛隊へ!護衛艦を見るための旅行、漫画やサッカーなど、趣味をメインに語ります

ジパング 最終話(その1)

2009-11-07 | ジパング
航跡422…ではなく、今回は“最終話”です。

最後のページまで読んで…
また「え~っ!?(これで終わり??)」と、無意識に声を出してしまった。

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200×年、国防海軍の最新鋭イージス艦「みらい」は、ゆきなみ型3番艦として長崎・佐世保造船所にて進水した。
そして同時期に、角松が部下に調査させていた、自分の知る“みらい乗員240名”の出生と現状も全て終了したとの報告を受ける。
この件を、5年前に前任者から引き継いだというその部下は、角松に対し、生まれも育ちも違い、共通点のない240名が全て国防軍の軍人になり、しかも「みらい」の初代乗組員に選出された偶然を問うが、角松はただ、
「長い間…自分だけがなぜ生き残ったのか考えていた。その答えを今日、手にしたということだ」
と答えるだけだった。
それから数年後の国防軍横須賀基地では、ハワイ沖で実施される環太平洋条約機構軍の合同演習へ参加する艦艇の出港式が行なわれていた。
見送りの人々に紛れ佇む角松の前を通り過ぎる、梅津艦長、菊池、尾栗ら、みらい乗員240名…。
その日出港した艦艇は、一隻の脱落もなく、定刻にハワイ真珠湾へ入港した。

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カラーページが、いきなり「みらい」の進水式だったのは驚きでした。
“うわ…また年月が飛んでる”と。

読み始める前、なぜか自分の中で、大和が沈没する際に語られた草加の言葉と、彼が欲した戦後世界とが、角松の口から最後必ず語られるだろう、と思い込んでいました。
戦後から現在までの、世の中の大きな流れに関しては、過去3回で語られてはいるけれど、角松が草加について触れない限りは「ジパング」という物語に決着が付けられないような気がしていたのです。

今回描かれた内容、
“みらい進水から始まって、角松を除く乗員240名全てがみらい初代乗組員に選ばれ、角松にとって60数年前のあの日のようにハワイへ出港していく様子を、今度は見送る立場で迎えられたこと、そして悲劇(タイムスリップ)は繰り返されなかったこと”
…に関しては、物語のテーマのひとつ「タイムスリップによって引き起こされた矛盾点の解決」を明確に読者に示した、という点で最終回にふさわしい内容だったのは確か。

でも!!
最後まで謎として残されていた肝心な部分がグレー(いや、ブラックか)のまま物語が終了したことに関しては、正直言って驚いたというよりも、拍子抜けしちゃったという感じなんですよ。
だから、最初に今号を読み進めて、最終ページまで来た時に
「えっ!…終わっちゃったよ…」と、一瞬呆然としてしまったのです。

角松にとっての戦後が、米国の、日本を始めとする諸外国への方向性構築に奔走することで精一杯だったのはわかる。
だけど、戦後編に入ってからの数話の中でも、草加に一切触れることがなかったのは、事の原因(草加)よりも、それによってもたらされた結果(みらい乗員の運命)に、角松が罪の意識(自分だけが生き残ったこと)を強く抱きながら生きてきたからなのかもしれない。
…そうでも考えないと、自分の中の疑問に終止符が打てない!(^^;)

正直コミックスに収容するにあたり、収容話数にもう少し余裕があれば、戦後編が数話長くなる可能性もあったと思うわけです。
こればかりは残念としか言いようがない。
私的には、一部分でもいいからもう少し戦後を詳細に描いて、最終回後に外伝を前後編で描いていただいたりなんかして、それを+1巻として出して欲しかったなぁ。
外伝…なんとかならないだろうか?マジで。


引き続き、「みらい」進水&出港までに関する感想と考察を次回にて。

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