小池一夫「大人の男は握手券付きCDを買ってはいけない。課金ゲームをやってはいけない。コーラで飯を食べてはいけない」(公式ツィッターより)
だいぶ昔ですが、松本人志さんのお笑いライブでこんな実験的な試みが行われていたと記憶してます。
ライブが終わった後に客に自分の思う金額を払ってもらう、というものです。
水準より多く払う人もいれば、少なく払う人もいたようです。
その後続いていないことを考えるとあまりうまく行かなかったのかもしれませんが、面白い試みでした。
また、英ロック・バンドのレディオヘッドもアルバム『イン・レインボウズ』で同じようなことをしてました。
オンライン限定の試みで、販売コストが少なくて済むネットならではでしょう。
こうした試みに共通しているのは「創作物はスーパーで売られてる品物とは違う」という考え方です。
英語で言うなら、workとproductの違いといえるでしょうか。
例えば、美味しいパンやよく落ちる洗剤を見つけたとします。
消費者はまた次も買おうと思うでしょうし、その会社の他の製品にも興味が行きます。
そうやって、消費者の評価が上がった分だけ製造者の利益につながりやすい仕組みになっています。
ところが、創作物の場合はそうはいきません。
同じお金を出して買ったアルバムでも、一生の宝物になる人もいれば、翌日には鳥よけ用にベランダに吊るす人もいます。
何度見たり聞いたりしても消えてなくなったりしませんから、どんな人でも出すお金は同じです。
その作品に価格の何倍もの価値があると思っているファンの想いも、アーティストの元に届かないのです。
そこで、上記事では悪く言われている握手券付きCDや課金ゲームの話ですが。
正直なところ、個人的には小池さんと同意見です。
ですが、熱心なファンやユーザーにはその分たくさんのお金を使ってもらおうという意図は理解できます。
確かに、同じアルバムを何枚も買ってもらたり、ゲームを楽しむのに課金させまくるというと聞こえは悪いです。
ですが、先に述べたような創作物の持つジレンマの解決のための、苦肉の策という面があったと思います。
ある意味で、ユーザーが物の価値を決めるという、これから時代の先駆けとなる可能性を秘めています。
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