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五輪誘致に待った!

2008-09-20 18:29:25 | Weblog
 先日、ロンドン大学の学生と昼食を摂っていた時、オリンピックの話になった。

 彼は弁護士を目指すだけあって物事を冷静に、時には英国人インテリ特有の斜に構えて見る目を見せるが、オリンピックのようなものになると、フツーの19歳の若者の顔になる。年端の行かない彼のような若者が様々なお国事情や国際関係が複雑に交錯するオリンピックの舞台裏よりも華やかな所に目を奪われるのは仕方がないところだ。

 そこで、幾つか私なりの“仕掛け”をしてみた。

 まずは、「ロンドンでオリンピックが開かれるのは何回目?」と聞いてみた。そう。ロンドンではこれまで遠い昔のこととはいえ祭典は2回開かれている。2012年のオリンピックで3回目となる。近代夏期オリンピックが次回で30回目を迎えることになるが、そうなると10回に1回、ロンドンで開かれていることになる。このように3度もオリンピックを開催しているのは、世界広しといえどもロンドンだけだ。

 ロンドンがこれほど何度も開催しているのは、他の都市がそれを望まないからではない。ご存知のように毎回、多くの都市が手を挙げるのだが、国際競争(影響)力や経済力において大きく劣る新興国では先進国の大都市には歯が立たないのだ。

 そんな話をして「どう思う?」と言うと、「経済力のない国が主催できないのは仕方がないことだ」と通り一遍の答えが返ってきた。

 そこで、「そうだろうか。五輪のマークが五大陸(地域)を象徴しているよね?なのに、アフリカや南アメリカで一度も開催されていないのはどうなのかな?アフリカや南アメリカの国は資金面で問題があると言うのなら解決策を考えればいいのではないの?」

 私はそこで、まずはここまで肥大化したオリンピックの規模の縮小なり、全世界挙げて開催国を支援する基金制度の導入を提案した。アマチュアリズムはどこへやら、今では平気でプロの選手が参加するオリンピックだが、それはクーベルタン伯爵が提唱した「オリンピック精神」に反することであったはず。

 だから新興国に開催の機会を与えることで、ここまで肥大化した五輪を見直すことにもつながる。

 それにはかなり納得の表情を見せたその若者だが、最後には本音だろう。ロンドン五輪をやってからの話しにしたいようであった。それはそうだ。もう既に準備態勢に入っているロンドン五輪を中止させるにはあまりに犠牲は大きい。

 そうなると、標的は2016年の五輪だ。そこからそういう見直しをすれば良い。

 東京都は石原知事が遮二無二なって2016年のオリンピックを誘致したいようだが、ここはいったん冷静になってその辺りを考え、新興国にその機会を譲ったらどうだろうか。そうすれば、新興国からは相当高い評価を得られるような気がするのだが、石原さん、どうですかね?

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