米TV界を代表するアンカーマン(ニュースキャスター)である、ピーター・ジェニングズ氏が亡くなった。ジェニングズ氏は、三大ネット(CBS、ABC、NBC)の「ニュース戦争時代」を生き抜いたアンカーマンの1人で、CBSのダン・ラザー氏と並んで米TVニュース界の「顔」と称せられた。
今年4月、病魔に冒されていることを告白し、闘病生活に入ることを宣言したのを最後に(私が画面で見る限りにおいては)彼のアンカーマンとしての姿を見ることはなかった。
ジェニングズ氏はABCに入社して数年後、レバノンに特派員として派遣された。70年代半ばまで7,8年間、ベイルート支局長を務めており、米マスコミ界の数少ない「知アラブ派」ジャーナリストであった。その経験から生まれた姿勢だろうが、彼は常に「コインには2つの面がある」と言い続けた。9.11で全米が「イスラム憎し」で熱くなっている時も、彼は冷静な姿勢を崩さなかったのが印象的だった。
私が彼と最初に会ったのは、ジャーナリストがたむろするベイルートのホテルのバーであった。AP通信特派員の紹介だったように記憶しているが、互いの紹介が終わると、私の取材の内容に興味を持ったようでいろいろたずねてきた。その話の持って行き方に「プロ」を感じたのを今もまだ良く覚えている。
その後も幾度か会うことはあったが挨拶をする程度で話をじっくりする機会には恵まれなかった。
今米マスコミ界は「報道の自由」を巡って大揺れだが、このような時期だけにジェニングズ氏の死が惜しまれてならない。
今年4月、病魔に冒されていることを告白し、闘病生活に入ることを宣言したのを最後に(私が画面で見る限りにおいては)彼のアンカーマンとしての姿を見ることはなかった。
ジェニングズ氏はABCに入社して数年後、レバノンに特派員として派遣された。70年代半ばまで7,8年間、ベイルート支局長を務めており、米マスコミ界の数少ない「知アラブ派」ジャーナリストであった。その経験から生まれた姿勢だろうが、彼は常に「コインには2つの面がある」と言い続けた。9.11で全米が「イスラム憎し」で熱くなっている時も、彼は冷静な姿勢を崩さなかったのが印象的だった。
私が彼と最初に会ったのは、ジャーナリストがたむろするベイルートのホテルのバーであった。AP通信特派員の紹介だったように記憶しているが、互いの紹介が終わると、私の取材の内容に興味を持ったようでいろいろたずねてきた。その話の持って行き方に「プロ」を感じたのを今もまだ良く覚えている。
その後も幾度か会うことはあったが挨拶をする程度で話をじっくりする機会には恵まれなかった。
今米マスコミ界は「報道の自由」を巡って大揺れだが、このような時期だけにジェニングズ氏の死が惜しまれてならない。