一時期「アイルランド音楽」がブームになったが
ハードロックにアイルランド音楽を取り入れた最高の成功例は
『ワイルドフロンティーア』の1曲目だろう。
『オーヴァー・ザ・ヒルズ・アンド・ファーラウェイ』
民族音楽を取り入れた成功例では、バグパイプの旋律を見事に
ロックギターで再現し、印象深いリフを聴かせてくれたビッグ・
カントリーが居たが
ゲイリーのリフも、それに匹敵する冴えがありましたよ
同郷の盟友フィル・ライノットもシン・リジイで試行していた『自らのルーツ導入』を
より分かりやすく深化させた・・・といえば良いのか
荒涼とした平原と海を見つめる『ワイルドフロンティーア』のインナースリーブ
内戦状態だった祖国を知っているゲイリーは、曲に政治的な歌詞を盛り込む事も多く
大韓航空機撃墜事件の時には「マーダー・イン・ザ・スカイ」というモロなタイトルの曲も発表している
ミュージシャンとしては『分裂型』に当たると思う
同郷の先輩ロリー・ギャラガーがブルースロック一筋だったのに対し
ゲイリーはギターシンセ握ったり、打ち込みに傾倒したり、ハードフュージョンに走ったり・・・と
色々手を出した
もちろんゲイリーらしく、その度に我々を楽しませてくれたのだが
なんか、もう少し「続けるところは続けて」欲しかったなぁ・・・
※ちなみにロリー・ギャラガーさんも若くして亡くなってしまってるが、 あちらは肝臓
ゲイリーは心臓発作だったらしいが・・・
弾きまくって歌えるギタリストという共通項もある両者、
早死にまで真似しなくて良かったのに・・・
「同じ体制で長続きしない」って意味じゃコージー・パウエルさんとも通じるモノがあったな
そのコージーともプロジェクトが計画されたようだが頓挫したとか
コージーのソロアルバムでは見事なコンビネーションを効かせてただけに実に残念
※『ザ・ブリスター』での速弾きは
ハードロックギタリスト=ゲイリーの面目躍如な凄まじさ!
大物との共演という意味では
ジンジャー・ベイカー&ジャック・ブルースとのプロジェクトもあったし
グレッグ・レイクと組んだ事もあった
ELP解散のあと、レディング・フェスティバルの出演したグレグが
ゲイリー・ムーアとステージに上がって
『21世紀の精神異常者』を演奏した・・・なんて記事を読んだ日にゃ
メチャメチャ興奮したモンです
そのステージは、なかなか公式盤が出なくて、
同ツアーが後年『キングビスケット』として発売された時は
喜んで購入したものの、なぜかグレグの単品扱い
ゲイリーは大御所先輩に気を使ってか、歌もバックコーラス止まり
※まぁ、ELPは米国チャート上位での常連でスタジアムツアーも
回れるビッグネームだったもんねぇ・・・
それでもゲイリーが弾いてグレグが歌う『21世紀の精神異常者』に感動・・・
90年代以降はブルース期に入ったが
2011年はハードロック回帰ツアーも噂されてたのに・・・
「それで来日あったら行こう」と思っていたのに・・・
最近の写真見たら相当に恰幅よくなられていたしな
大酒飲みはアイリッシュの伝統だもんな
※これも先輩のロリー・ギャラガーと同じ・・・・か
若すぎるゲイリーの逝去、まことに残念!無念!
さらば、ゲイリー・ムーア!
あの世でも好き勝手に弾いてくれ!