内藤vs亀田大、試合としてはどうだったか?
第1ラウンド
まず、腕を伸ばして相手を押さえたまま旋回する内藤チャンプに、少し落胆。
これって「強いジャブで相手を突き放す事」を放棄した姿勢だから。
ガード上げたまま前進し、手数の少ない挑戦者は、いつも通り。
内藤は右フックを側頭部に叩きつけ、横へ動く。
そしてボディを叩いてクリンチ。
大事に戦ってるな・・・と。バッティングにも気を付けてるのかな・・・と。
返しの左フックを警戒してるんだろうが、なんか「相手を認めて戦ってる」ようで不満。
内藤が上から後頭部を押さえると、簡単に下を向いて、パンチの打てない姿勢になってしまう大毅。
フィジカル強いんじゃなかったのか?
大毅の右からの左フックが軽く王者を捉える。
一瞬、打撃戦ペースとなり内藤の左フックもヒット。こちらの方が強烈なヒットに見えたが、大毅は平然と反撃パンチを空振り。
やっぱ兄よりは数段タフそう。
CM空けのスロー映像、第1R唯一と言って良い大毅の左フックのヒットが流される。
もう、どっち贔屓か一目瞭然(試合前から分かってますが)。
内藤、幻惑動作からアッパーでガードの真ん中を突き上げる。
しかし、相手の迎え撃ちを警戒してか、本当の強振は出来ず。
ど真ん中を打ち抜く強烈なワンツーも皆無。
・・・これにも落胆。この辺、内藤は退化したのかも。
前フリで見られたポンサクレック第1戦のクイックリーな動きから比較しても、スピードが落ちている。その衰えを持久力と変則の試合運びで補っているのが、今の内藤なのか。
正直、王者も褒められたデキでは無かったと思う。
内藤の「横殴り&クリンチ戦法」に対し、反撃パンチが出せない・当らない大毅が、しきりに首を振る。
予想外なのか?でも、そんなに簡単に打撃戦に付き合ってくれると思っていたのか?
内藤の変則ダックにパンチが空を切る大毅。
この辺、内藤の動きは前戦のポンサクレック挑戦試合と変わりは無いのだが・・・。
亀田陣営、ちゃんと相手を研究したのか?
挑戦者、また首を傾げてるし・・・。
そりゃ、18才にしては前に出る強さはある。内藤は圧力を感じてる風だ。
左フックも速いし、内藤が強く振るフックはカバーしている。
(ボディには食ってたが、顔面には予想以上に被弾が少ない)
一部で揶揄されてた、「8回戦クラス」にしては善戦している印象。
反面、「ファイトマネー1億円」と言われると「この程度でか!?」とムカつくが・・・。
(まぁ、“商品価値が全て”と思ってる方々が決めた値段ですからなぁ)
公式判定が、まず4Rで発表される。
「王者優位」のアナウンスに「ホッ」。盛り上がる会場。どうやら内藤応援の方が多そうだ。
WBCで良かった・・・。
内藤もクリーンヒットが少ないが、挑戦者は手数もクリーンヒットも少ない。
解説の鬼塚氏が“保険かけてた”みたいに、
公式ジャッジがムリヤリ「挑戦者の1発の迫力が上」とかいって逆に点けてたら・・・・と不安だったのよね。
内藤の後頭部押さえで前のめりになる大毅、そのまま内藤にタックル・・・そんな光景が増える。
両者、もつれて倒れ込むシーンも。
なんか、見栄え悪過ぎ・・・。これが「世界タイトル」か?
大毅が頭から入る。ボディーブローが低い。揉み合ってグラブで顔を擦りつける。
一方の内藤が「凄くクリーンに戦ってるか」というと、そうでも無く。
「ボディ&クリンチ」の時は頭が低い。相変わらずグラブで相手を押さえる・・・。
パンチの応酬が少ない。目の醒めるようなクリーンヒットも殆ど無し・・・。
なんか、辛い試合になってきた。
そして、内藤の右眉(古傷)がカット。
レフェリーの判断は「ヒッティング」によるもの(!)。
ああ、まずいよ。
これで以降「バッティングで傷口開いて」も、最後にちょっとグラブが触ったら「ヒッティングで続行不能」・・・とかあるよ。
そしたら「大毅、TKOで新王者」だよ。
亀田陣営や協栄やTBSの目論みは「それ」だろう。
どんなに経緯がブサイクでも「ルールに則って」の勝ちならば、既成事実として押し切れてしまうからな!
・・・しかし。
ファンの心配をよそに、内藤チャンプはセコンドの止血と、以降の試合運びにて、傷の悪化を回避。
最終ラウンドのゴングへ滑り込んだのでした。
言うまでもなく、終盤は挑戦者の見苦しい「悪あがき」があったが。
最終ラウンドには「亀ガード」を崩して打ってきたのだから、内藤にも「1発」を決めて欲しかったが、そこは最後まで大事に戦われたようで・・・。
しかし
終盤、大毅の勝機が無くなった時点で、解説の鬼塚氏が発したコメントは凄かった!
「元はと言えば、無謀な挑戦なんですよ」
「大毅選手、これといって実績も無いし」
「18才でここまでヤってるだけども大したもの」
・・・おいおい!今更さらソレは無いだろう。
まぁ、鬼塚さん自身も「有利」と言われた初世界戦で、予想以上にちゃんとした世界ランカーだったタノムサクの技巧に苦しんでるところを、今は亡き白井義男先生に言われちゃってますからなぁ
「鬼塚も、これまで本当に強いのとはヤってないから」・・・と。
(あの時も、「白井先生、そんなコト試合前に言って下さいよ!」と思ったモノだが・・・)
そんな状況なのに、試合の後半も“CM前に映ってる”のは大毅の表情。
TBSにとって、“どっちが主役か””どっちに勝たせたいか”一目瞭然。
(まぁ、それも以前から分り切ってる事ですが。HDDでCMカット編集された方は、チャプター毎に「大毅の顔」「大毅の顔」「大毅の顔」が映ってて驚いた事でしょう・・・)
そんな事も含め・・・
色んな意味で「呆れた世界戦」でもありました。