美術館にアートを贈る会

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和田大象氏 講演 「関西・関東の有名アートコレクターのお話」(要旨)

2021-10-08 17:54:04 | Weblog

オンライントーク プログラム 
「関西・関東の有名アートコレクターのお話」

スピーカー:和田大象氏(世沙弥 亭主)
日時:2021年 9月4日(土) 15:00〜16:30
参加者:39名

 

「世沙弥」は、完全予約制の一日一客レストラン。
大阪のJR塚本駅から徒歩5分ほど歩くと、住宅街の中に突如白い外観の建物が現れる。

 

●コレクターとなるきっかけ

15年ほど前に「世沙弥」を始めたのがきっかけで、本格的なコレクターになった。
それまでも、長谷川利行、中村正義、草間彌生など、写真や現代陶芸に興味があった。

世沙弥では、道ゆく人々にも玄関の作品は見えるようになっていて、「ここは何かな?」とオープンにしている。
立体や、屋外の作品、動くキネティックアートと呼ばれる作品もコレクションしていることが特徴。


●作品を選ぶ基準は?

レストランなので、アートに全く興味のない人、知らない人、誰にでも楽しんでもらいたい。
自身の好みは、エロティックで、ユーモア、笑いのあるもの。
来た人の心がほぐれる、愉快になるもの。


●一期一会のみたて

茶室と一緒で季節やお客様に合わせて、しつらえやテーブルセッテイングを替えている。
ただ、お茶席ほど堅苦しくなるのは嫌で、皆がわからなくても「この作品いいね、面白いね。」と楽しんでほしい。
アイデアや器のセレクトは和田さん、お料理は奥様が担当されている。

 

●建物の設計

奥様同士のご縁で、建築設計は坂本昭さん。
坂本さんはパブリックを数多く手がけられ、個人建築は珍しい。
庭の造園は、豊島の横尾忠則美術館の庭も設計されている、荻野寿也さん。

 

●作品紹介

世沙弥では、外観からエントランス、レストラン、2階ギャラリーへとたくさんの作品に出会える。今回は和田さんの解説付きで1つ1つをご紹介いただいた。以下はほんの一部。

1)冨長敦也さんのLove Stone
UBEビエンナーレでグランプリをとられた彫刻家 冨長敦也さんの作品。
「石を磨きながらコミュニケーションとる」ことが評価され、色々な場所で石を磨くプロジェクトをされている。
それまで1日限りのプロジェクトだったが、世沙弥では、2015年から大きな石を置き、定期的にみんなで磨いている。今までのべ2000人以上が磨き、徐々に丸く滑らかになってきた。


2)加藤泉さんの作品群

・ソフトビニールの初期の作品
当時ソフトビニールはアート界ではおもちゃとして軽く捉えられていたが、加藤さんはこれから作品のメインにしていくと宣言される。
本作品は、本体部分はソフトビニール、足は木でできている。

 ・2012年の六甲ミーツアートのメイン作品
六甲ミーツアート後に、加藤さん自ら世沙弥の中庭に設置していただく。
六甲ミーツアートでは植物園の土の上で、21世紀美術館ではコンクリート上に展示される。
世沙弥では砂利の上で雨ざらしだが、もう10年が経ち、経年変化を楽しんでいる。

 

3)森村泰昌作品になる
和田さん自らがフェルメールのモデルに扮して、森村泰昌の作品となる。
作品ができるまでメイク2時間、撮影も本物の作品と照らし合わせて角度を忠実に再現する。


●定期展示替えは?

3ヶ月に1回、お客様が飽きないように行なっている。
平面やメイン作品を中心に展示替えし、立体は取り替えが難しいので固定が多い。
作品同士の組み合わせでインパクトを狙うのが、コレクターの楽しみとなっている。

 

●自身のコレクションが美術館に展示されるのはどのようなお気持ちか?

普通のコレクターは、人に見ていただく機会がない。
私の場合は独特で、普段からお店で多くの方に見ていただけるので、自分は幸せなコレクターだと思う。
美術館に展示するのは、多くの人に見られることの幸せと、評価されることに意義を感じている。

 

●「世沙弥」が提供する空間

アートの他にも、世沙弥では「俳句の会」「お蕎麦の会」「落語の会」を行っている。
写真を見ながら、アートを見ながら、俳句をつくる。
アートに興味のなかった方が、興味を持ち始めるきっかけになったりする。
世沙弥で色々な会をする時に、アートが目に触れて、知識的に価値のある絵としてではなく、あっ面白いねとアートに触れる形が、本来のアートのあり方としていい形だと思う。

 

 

※世沙弥ホームページ https://taizoo.com/

 

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