美術館にアートを贈る会

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市民と美術館の新しい関係の構築をめざしています。

第4弾寄贈プロジェクト相談会のご報告

2012-06-05 15:05:39 | Weblog
第4弾寄贈プロジェクト相談会のご報告

日時:2012.5.26(土)18:00~19:30
場所:アートコートギャラリー
参加者:15名
ゲスト:作家・今村源さん

■これまでの経緯を事務局寺谷より報告。

2011.11に行われた新規プロジェクトの検討会において、伊丹市立美術館学芸員藤巻さんからプレゼンテーションされた今村さんの2作品(「キセイ・ひと」「カイテン・つくえ」)に加えて、参加者から「泡」の作品への関心が高かった。そこで、贈る会の新たな取り組みとしてコミッションワーク(受注制作)の可能性を探ることになった。また作家・今村さんからも協力的な反応をいただいた。



■ 作家・今村さんより提案と説明

1) 新たな作品提案について
2作品は美術館に寄託しているのですでに手元から離れたような感覚をもっている。検討会で参加者より「泡」の作品への関心が高いことを聞き、何か新しい作品をつくってみたいという欲求に駆られた。実際に昨年末に美術館を歩きながら思いを巡らせてみたら、地下に降りる階段に適切な場所を見つけたのでドローイングをつくってみた。

2) アートコートで開催したMelting Zoneの出展作品について
最近では共生という言葉が一般的だが、共生の中に私のテーマである「寄生」も入っている。どちらも共存しながら生きていくということで、グループ展自体も共生に近い。
「きのこ」を自分と重ね合わせて考えている。きのこにとって地面に出ている部分は花のようなもの。本体は地下にある菌糸である。見えないものが菌糸でつながっている。また自然界には螺旋状のものが多いように、この針金も巻いていくうちにおのずとからんでいく。



■ 意見交換
1)「受け入れる美術館側としてはどうなのか」大変嬉しい。通常は所蔵作品の展示は数年に一回程度だが、できるだけ常設展示ができるようにしたい。(出席された伊丹市立美術館学芸員の藤巻さんより)
2)「分解できるのか」所蔵の方法にもよるが考慮したい。
3) 「外にも広がるのか」メンテナンスを考え屋内に絞る。屋外は見ている人が想像できるのではないか。あるいはワークショップをして、参加者が外につながる作品をつくっても面白いかも。
4) 常設展示室へ降りる階段が楽しくなる。
5) 「この作品はアトリエでつくるのか、現地でつくるのか」恒久性を持たせるため、いつもよりもがっちりとつくるので現地になるかも。
6) 今村さんの大胆な試みに圧倒されている。
7) 「価格は?」目標金額を設定。
8) 「100年後を考えるか」朽ちていくのもいいのではないか。海岸でキラキラしているものを持って帰ってみたら案外そうでもない、そういうことにも引かれる。自分の中にある矛盾を感じる。メンバーより「我々は不動産を買うのではなくその創作行為に募金しているので気にしないでよいのでは」という意見が出た。


■プロジェクトとして採否
第4弾寄贈プロジェクトとしての賛同を求めたところ、拍手でもって同意を得ることができた。市民、作家、美術館、その3者がこれまでとは違った形でのアプローチができるこのプロジェクトへの期待も大きい。

■今後の予定
「第3回までは完成された作品に手を挙げたが、今回は作品がまだないのでどういう形で進めるのか」という問いかけが出ましたので以下のように進めていきます。

まずこのプロジェクトの説明ができるフライヤーをつくって募金活動を開始します。
予定では、2012.8月以降、年内完成に向けて作家は創作活動を開始しますので、ウェブサイトで随時途中経過を公開していきます。
また制作現場である今村さんのアトリエを人数限定で訪問する企画を立てたいと考えています。

最後になりましたが、ご参加いただいた皆様、そしてご声援いただいている皆様、ありがとうございます。これからも熱い思いを共有していきたいと思いますのでよろしくお願いします。