美術館にアートを贈る会

アートが大好きな私たちは、
市民と美術館の新しい関係の構築をめざしています。

芦屋市立美術博物館 訪問 (6月10日) のご案内

2023-05-26 14:21:43 | Weblog

芦屋市立美術博物館訪問のご案内

現在開催中「特別展ー芦屋の美術、もうひとつの起点 伊藤継郎」
https://ashiya-museum.jp/exhibition_new
この展覧会の見どころを担当の学芸員・川原百合恵さんに解説いただきます。

芦屋市立美術博物館は、1991年の開館の年に伊藤継郎の回顧展を開催。
リニューアルオープン記念として、32年ぶりに没後としては初の大規模な伊藤継郎展を開催します。
約60点の伊藤作品とともに、伊藤が画家として歩む中で交流した20名の多彩な画家たちの作品を展観し、当時の洋画界の様相をご覧いただきます。
そして、唯一無二な伊藤絵画の内実に「モチーフ」「技法」という観点から迫り、伊藤の画業の再検証を試みます。

じっくり説明を聞きながらの鑑賞をお楽しみください。
ご参加申込みをお待ちしています。


●日時:6月10日(土)14:00 講義室にご集合ください。
●会場:芦屋市立美術博物館
    兵庫県芦屋市伊勢町12-25
    https://ashiya-museum.jp/access
●内容:14:00〜14:30「特別展ー芦屋の美術、もうひとつの起点 伊藤継郎」の概要についてお話@講義室
    14:30〜15:30 ギャラリートーク@展示室
    その後、自由鑑賞。
●参加:チケットは講義室でのお話が終わってから、それぞれでご購入いただきます。
●申込:事務局までメールでお申し込みください。
    info@art-okuru.org


山村幸則さんと体操しよう+写真作品鑑賞(4/8) レポート

2023-05-17 14:28:14 | Weblog

「山村幸則さんと体操しよう+写真作品鑑賞」レポート

日時:2023年4月8日(土)14:00〜15:30
場所:芦屋神社
参加者:14名 

 

■ みんなで体操と写真作品鑑賞

1)作品が生まれた背景について

  

写真作品10点が展示された参集殿において、この体操が生まれた芦屋の魅力について山村幸則さんからお話がありました。


「作品をつくる前に芦屋市内を巡った時が、ちょうど桜が散り始める今の時期でした。
山から芦屋川に沿って桜の花びらを追いかけてゆくと河口まで流れ、潮芦屋浜までたどりつきました。砂浜に打ち上げられた桜の花びらを見つけ、芦屋の山と海が繋がっていることを実感しました。
 芦屋川の河口付近にて、ラジオ体操をしている人を見かけ、長閑な芦屋の時間に触れたことから、この作品は誕生しました。
 黒松の枝ぶりは場所によって様々に異なっているのも面白いです。樹木が根、幹、枝葉を伸ばし成長を続けることは、自分と家族という存在の表現に重なりました。
 芦屋体操第一は息子と、第二は娘と一緒に体操しています。また映像の中に通りがかりの人として、第一には父が、第二には母がフレームインします。

 この作品は、芦屋市の各所を背景に実際に体操するということから、次の世代へと伝え育んでゆけるものなのです。」

 

 

2)ビオトープの庭と境内にて体操

  

 午前中はにわか雨もありましたが、体操をするときには爽やかな青空が広がり、まずは参集殿で軽く練習してから、それぞれ緑のポンポンを手に外へ移動。
 澄んだ空気と春の日差しが降り注ぐ新緑の中で、芦屋神社様の許可をいただき、みんなで体操をして、作品や芦屋をより深く理解し愛するきっかけになりました。

 

■まとめ

この作品を末長く残し伝えていく活動について、微力ながら発信を続けていきます。まだ道半ばですが、芦屋市民のみなさんをはじめ、より多くの方々のご理解とご協力のもと美術館に寄贈されますよう尽力いたします。

 


宝塚市立文化芸術センター訪問(4/29) レポート

2023-05-07 11:06:39 | Weblog

「オマージュTAKARAZUKA - 春 プリマヴェーラ」展 訪問

日時:2023年4月29日(土)14:00〜15:00(15:00〜16:00 自由参加のトークイベント)
会場:宝塚市立文化芸術センター
参加者:11名

 今回の展覧会「オマージュ TAKARAZUKA—春 プリマヴェーラ」(4/7〜5/7)は、宝塚市立文化芸術センター開館3周年記念展。宝塚の文化ブランドを創る上で欠かせないアート、特に現代美術を取りあげ、「宝塚をアートの新たな聖地に」という思いがふんだんに込められた展覧会になっていました。

 この展覧会を企画監修された加藤義夫館長(当会の理事)に展示会場内を余すところなくご案内いただきました。

 展覧会の名前にもなっている「プリマヴェーラ」はイタリア語で春。ルネサンスの巨匠サンドロ・ボッティチェッリの代表作《春 プリマヴェーラ》は別名「美の王国」。その名前のとおり、美の響宴が繰り広げられていました。

 会場は三つのテーマに分かれていて、第1室は「花」、第2室は「生命」、第3室は「春」で構成されています。春が近づくと雪解けとともにつぼみがほころび始め「花」が咲き、冬眠から目覚めた動植物の「生命」が動き出し、百花繚乱の「春」満開になっていく、と資料にあります。

 そのテーマに沿って、宝塚ゆかりのアーティストを含む若手から中堅、ベテランの作家12名の作品が並びます。彼らは加藤館長が過去に企画した展覧会や講演会に招待したアーティストたちです。

 

 

 入り口を入るとすぐに迎えてくれたのは、白いお猿さん、植松琢麿さんの作品です。

 

 

 

 会場内は、マツモトヨーコさんから始まり、川口奈々子さん、中村眞弥子さん、片山みやびさん、小野さおりさん、植松琢麿さん、藤部恭代さん、福田良亮さん、mariane maiko matsuoさん、荒木由香里さん、柴田知佳子さん、青木恵美子さん、と加藤館長が一人ひとり丁寧に作家の略歴や作品について解説して下さいました。

 特別に、出展作家の一人である藤部恭代さん本人から作品についての解説もありました。
作品のサイズは、ボッティチェッリの作品《春 プリマヴェーラ》と同じサイズに仕上げてあります。
タイトルは《GISELLE》。悲恋物語ですが、死から生へ生き返ろうとする瞬間の声にならない声、
ため息のような声がジゼルの口から発せられています。

 

 3時に2階会場内の解説が終わると、引き続き1階のキューブホールで展示中の「藤部恭代—インタタイダルワールド2023」について、作家の藤部恭代さんと、加藤義夫館長、澤昭夫さん(未生空間ism特別顧問)のトークイベントが始まりました。京都の泉湧寺という仏教空間に合わせて作られた作品について、日本文化の精神性もからめたトークが展開されました。

 

<まとめ>

 当会では、宝塚市立文化芸術センター訪問は、開館前の見学(2020年1月)に続いて2回目になります。街のリビングルームにしたいという構想のように、あちこちに椅子が置かれ、ライブラリーやドリンクスタンドも併設され、屋上庭園もあり、アート好きの人だけでなく家族が気楽に集う暖かな空間になっていました。

 今回の展覧会は、「春」のみずみずしさ、芽吹きの力強さにあふれ、コロナ禍を耐え、これからまさに動き始めるパワーを伝わる華やかな展覧会でした。
 加藤義夫館長の解説、藤部恭代さんの作品解説、トークイベントでは藤部さんの作品制作や会場に合わせた想いも知ることができ、充実のツアーになりました。
 ありがとうございました。ヅカセンのこれからが楽しみです。