6月4日(土)芦屋市立美術博物館にて美術館訪問を開催いたしました。
当コレクション展は、「吉原治良に最初に見せた作品」を中心とした、具体美術協会員の初期作品の展示でした。
参加されたのは、事務局を合わせて12名。松山市からお越しの方やワークショップに以前参加された方などにもご参加いただきました。
当日は、学芸員の國井さんによる展示の解説をいただき、その後、同館の元学芸課長であり、
具体のコレクションに深く携わった河﨑晃一さんを囲んだ交歓会。「具体」にまつわる貴重な裏話や制作秘話などのお話を伺いました。
「河﨑さんの経験と経歴に裏付けされたお話を伺うことができ、より理解を深めることができた」と
参加された方々からお言葉をいただきました。
ここで、四方さんからお寄せいただいた感想をご紹介させていただきます。
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今回の芦屋での展覧会は「具体美術協会 /1950年代」展で
具体美術協会が結成された当時の作品が数多く展示されていて
興味深かったです。
どの作家の作品にも、若い情熱と初々しさが感じられました。
私自身が具体を知るようになったのは、
20年ほど前、兵庫県立近代美術館(当時)のボランティアを始めた時でした。
所蔵品の中に具体の作品がたくさんあり、その自由な表現にびっくりしました。
「人のまねをするな、自分だけの作品をつくれ。
ただし、人畜無害なものを・・・」というのが作品制作のルールだったと聞き
なるほどと思いました。
最近は、具体美術協会の知名度も上がり、作品を目にする機会が増えました。
けれど、これほど若い作品を鑑賞できる機会は、なかなかないと思います。
さすがに、具体の聖地「芦屋市立美術博物館」ですね。
しかも、今回はその立ち上げにご尽力された河﨑晃一さんとの交歓会も
用意してくださったので、その当時のご苦労や裏話がたくさんお聞きできて
ますます、理解が深まりました。
実は、河﨑さんには、国立新美術館での具体展の折には現地で
またグッゲンハイム美術館については、帰国後の報告会でと
その都度、様々なお話を伺ってきました。
でも、いつも新しい発見があって、本当に具体についてお詳しいと思いました。
私は、吉原治良が大好きです。戦前から抽象の道に入り
味わい深い作品を数多く残していると思います。
それだけではなくて、強いカリスマ性がありながら、
実は若い作家たちのように描けない悩みを持ち続けていたという、
人間味あふれる姿に魅力を感じます。
でも、なぜ白髪一雄や田中敦子ほど人気爆発にならないのか・・・( ※ )
も、分かりました。
まだ、たくさんのお話の抽斗をお持ちのようなので
次の機会があったら良いですね。よろしくお願いします。
また、河﨑さんは、展覧会の企画もいくつか進行中とのこと
楽しみにしています。
四方敦子
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今回、美術館訪問にご協力いただいた、國井さんを始めとする芦屋市立美術博物館の皆様、
交歓会にご出席いただきました河﨑さん、また、参加された皆様、ありがとうございました。
※ 吉原の場合、大半の作品を遺族が美術館へ寄贈されているため、アートマーケットへの作品流出が極めて少ない。