10月23日(火)いまフジテレビの「とくダネ!」でテレサ・テンを取り上げていた。ノンフィクションの成果が何の断りもなく「事実」として取り上げられる。私が香港を歩き回り、カナダに連絡を取ってはじめて発掘した事実に対して何の配慮もないことに驚いた。中国の学生運動を支援する集会に出る前、テレサはある楽器店で3回だけ小さな声で歌う。この事実経過を発掘して書いたのは『私の家は山の向こう』(文春文庫)だ。この番組を作った担当者には筆者に対する敬意というものはいっさいないのだろう。普通なら小さくとも参照文献として紹介すべきことだ。番組はテレサが北京に招かれたが、台湾の軍隊に協力したから実現しなかったと語っていた。完全な間違いであり、歴史的経過も違う。前田忠明氏が香港のハッピーヴァレーで歌ったテレサの映像が日本に入らないなどと、さも「わけあり」のように語っていたが、そんなことはない。私でも持っているぐらいだ。いい加減なコメントにも驚いてしまった。細かい問題は多々あるが、歴史的事実を歪める報道には怒りを覚える。またフジテレビなのだ!(2004年2月6日に放送された「人に言えない裏人生」はテレサの日記なるものを捏造。文庫263ページ参照)。
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遠い昔、SF作家の作品が放送されてパニックが起こったと聞いたことがありますが、確かめる術も余裕もない者にとって報道される方々の倫理観に頼ることになります。
災害後「避難を決めた時期は?」というアンケートの答えで「テレビに警報が出てから」と答えた方が多いことが問題になっていました。「テレビに出なければ大丈夫」と思う気持ちはよくわかります。
自分の感覚を養うことが急務だと反省しました。