有田芳生の『酔醒漫録』

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渡辺治教授の最終講義

2010-01-30 09:03:22 | 随感

 1月29日(金)一橋大学で渡辺治教授の最終講義を聞いた。テーマは「民主党政権と日本の行方」。サブタイトルは「利益誘導政治の存続か新自由主義か、新福祉国家か」。政権交代が起きた要因を構造改革反対の運動と世論と分析、この10年間の企業社会の解体、利益誘導政治の縮小、貧弱な社会保障によって、社会統合が破綻したためとする。その結果として総選挙で「反構造改革と平和への期待が民主党のみに流れ込んだ」。興味深かったのは民主党に3つの構成部分があるとの見方。「悩みながらの構造改革派」(指導部)、「民主党による利益誘導型政治」(小沢グループ)、「個々の福祉政治実現型」(長妻、山井など)と腑分けする。渡辺さんの表現では「頭部」「胴体」「手足」である。私がこれまでも主張し、これからも取っていくスタンスは「福祉政治実現型」だ。福祉や介護の「公務労働」をこれからの社会で重視し、産業構造を転換すること。そこでのポイントは「都市の輸出」。その構想は春頃には公刊できるはず。世論と結びつく「手足」部分に「独自の国家構想」がないことが問題なのだ。講義が終わったのは午後6時半前。懇親会に出ずに新宿経由池袋。民主党秘書のSさん2人と選挙準備の打ち合わせ。ときわ台に移動して「大和」で板橋区の民主党支援者の会合に参加。空腹を感じ、深夜に上板橋の「お多幸支店」でおでん。選挙で支援してくれた方々に偶然出会う。


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1 コメント

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大変興味深く読みました。 (大学院生(三鷹市))
2010-01-31 00:22:11
大変興味深く読みました。

>「悩みながらの構造改革派」(指導部)、「民主党による利益誘導型政治」(小沢グループ)、「個々の福祉政治実現型」(長妻、山井など)と腑分けする。渡辺さんの表現では「頭部」「胴体」「手足」である。

なるほど、やはり渡辺治。私は共産党員ではないですが(有田さんと近似の経歴ですが)、この民主党分析は、最近の民党分析の中で最も的確かと思います。そういえば先日鳩山さんが購入した書籍のなかに、『新自由主義か新福祉国家か<民主党政権下の日本の行方>』(渡辺治他)がありましたね。

そして、「私がこれまでも主張し、これからも取っていくスタンスは「福祉政治実現型」だ」という有田さんのスタンスこそ、民主党に求められているものだと思います。できれば、分配の優先順位について、社会民主主義的な原則の理念的な確立を行ってほしいと願っています。
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