有田芳生の『酔醒漫録』

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福田康夫の政治手法

2007-09-16 09:07:11 | 政談

 9月15日(土)茗荷谷クリニックで半年ぶりに行った血液検査の結果を聞く。さしたる問題はなし。池袋「おもろ」で常連と泡盛を飲む。リブロで新刊を見てから人文書のコーナーへ。若い女性店員に神野直彦・宮本太郎編『脱「格差社会」への戦略』(岩波書店)があるかどうかを問うと、迷わずにある棚へ行き、持ってきてくれた。「すごいですね」と伝えると、うれしそうに「ありがとうございます」。プロの仕事とはこういうものだ。自民党の新総裁は福田康夫さんで決まりだという。国会議員の8割が投票するというのだから、まさに派閥連衡内閣が誕生する。この福田さんとは何度も会う機会があった。別に断ることもないが、積極的に会うつもりもなかった。ある人物が間に入り、参議院選挙が終ってからもそんな話があった。官房長官時代のぶっきらぼうな印象とは違い、酒が入ると楽しい人だからと聞かされてきた。しかし政治家の人格が政治の執行と異なることは安倍晋三首相のケースでよくわかった。人柄が良いからといって国民のための政治をするわけではない。当たり前のことだ。福田さんの政策が少しづつ明らかとなってきた。小泉ー安倍路線を基本的に踏襲するという。拉致問題でも強行路線から対話路線へ修正される。拉致被害者を取り戻すことが目的だから、安倍政権のようなスローガンを繰り返すしかなかったよりも、新しい方向で成果を得ればいい。「対話と圧力」と二項対立の形で語られることが多いが、「対話」を重ねることで相手側に亀裂を入れることもできるのが外交だからだ。会見では基礎年金の国庫負担分の増加を行財政費削減でまかなえなければ消費税増税もあると語った。内閣の顔ぶれはどうなるのか。安倍政権の閣僚が半分は残ると永田町情報。所詮は古い自民党政権が誕生する。福田さんは来年度予算が国会を通過したところで「話し合い解散」を行いたい。福田自民党が民主党寄りの政策を打ち出すならば、政権交代は難しくなると見る者もいる。政治は本来地味なもの。そろそろテレビも「タレント政治家」出演番組をやめたほうがいい。


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5 コメント

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>>「福田自民党が民主党寄りの政策を打ち出... (田中憲二郎)
2007-09-16 12:23:53
>>「福田自民党が民主党寄りの政策を打ち出すならば、政権交代は難しくなる」

今回は国民がそのような選択をしないことを期待します。もし国民がかかる選択をするなら,日本はゆでがえる現象(※)に陥ると思います。その時はまさしく危機だとおもいます。

(※): カエルを熱いお湯に入れると、ビックリして飛び跳ねて命が救われる。しかし、水の状態から入れてその水がだんだん熱くなっていくと、カエルはその変化に気付けず、やがて命を落としてしまう。
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カエル現象は何も自民党だけにおきてるとはいえま... (福田 博治)
2007-09-16 19:11:48
カエル現象は何も自民党だけにおきてるとはいえません、民主党においても数々の不祥事の続発に対する無反応はまさにカエル現象そのものでしょう。
福田氏で自民党の路線が変わって国民がそれを選択するならそれはそれでよしとすべきでしょうね。
>政治は本来地味なもの。そろそろテレビも「タレント政治家」出演番組をやめたほうがいい
国民のための政治をという有田さんの仰るとおり、あまりにもタレント化したさほどためになるとも思えない向こう受けを狙った発言をするばかりの各党入り乱れてのマスコミ提灯議員はいりませんね。
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ここは有田さんのブログのコメント欄であり,論争の... (田中憲二郎)
2007-09-17 06:06:11
ここは有田さんのブログのコメント欄であり,論争の場ではありません。
が・・重要なことなので,一回だけ抗弁しておきます(抗弁とは相手方の主張と両立する自己に有利な主張をいう。この点否認は相手方が証明責任を負う主要事実を否定することです。民主党に問題があるという主張を否定はしないので,抗弁ということになります)。

民主党が①官僚丸投げ政治へのアンチテーゼとして,具体的な改革案を掲げ,それに従った政権運営をするケースをAとする。これに対して自民党政権がこれらの改革具体案を取入み,一見似たような折衷的な政治運営をするケースをBとする。
この両ケースのようなものを称して「似て非なるもの」という。
「似て非なるもの」というアフォリズムの本質は「非なるもの」という点にある。, 「似て」の部分はフリルに過ぎない。フリルに惑わされてはいけない。「数十年来,霞ヶ関以下の統治機構と自民党は渾然一体と化してきた。この癒着を引っ剥がし,まがりなりも一応の政権運営の出来る他の政党に政権が移ること。このこと自体に意義がある」ここが本質である。こびりついた垢をおとすには,総換えしか無い。これは実効ある組織改革を断行しようと実務家にとっては,証明の要らないくらい明らかな真理です。

私は,TVでのコメンテーターの意見など有田さん初め数人の例外を除いては見ない。(コメント本来の目的としては見ないーーつまりこんな○○が公共の電波を独占できることの正当性はなんなのだろう。というように皮肉な意味では参考にすることもある。脱線するが私自身のこの問いに対する回答は「資本論の中にある」です。近頃の左翼は資本論等見たことが無いのでしょうね。左翼も鈍っている。因みに私はマルキストでは無い。ーー)。一瞬たりとも見るのは時間の無駄と思っています。そんな私ですが,DVD録画の早回しで見るいくつかの番組がある。そこでは政権交代論が大勢を占めていると見ています。そして重要な判断材料は,かかる番組が視聴率を上げて伸びているという事実です。おそらく国民の太綜は同意見なのだろうと直覚しております。

確かに民主党にも問題が多々ある。
岩見さんが挙げた民主党賭博疑惑議員も切ってほしいが,これは既に知れ渡ってしまった事実。彼のCM等の契約上の問題があり(つまり切ろうにも相手方がいるということ),今は眺めているのだといわれている。早晩切って欲しいと思います。しかし,民主党に根本的な欠陥があるがあるとすれば,経世会から来た議員の中に大変な疑惑をもった議員がいることだと思います。いつぞや, その人物の国会の委員会かどこかでの質問に対して,野中務氏が,ケツをまくっていい放ったことがあった。「あんたには様々な疑惑がある(ので有名だ)。なんならここで暴露してやってもよいが・・・」。と野中氏の反論に彼は黙って引き下がってしまった。その後質問に登場してこない。内実は永田町のある程度のキャリアーのある政治家にとっては周知の事実だ。拉致家族の方々はさぞかし,心中怒り心頭に発しておられることと思う。庶民が内容を知れば,余りのひどさに騒然となるのではないだろうか。自民党議員が何故これをやらないのか不思議である。惻隠の情なのか、返り血を恐れてのことかは不明だ。おそらく民主党が政権をとった後には,自民党が影から週刊誌等にスキャンダルを流すのではなかろうか。それにもまして,根本的には民主党が労組に基盤を求めている点が長期的には最大のネックです。これがまともな2大政党政治を機能させる上で,阻害要因になるだろうと思っています(もっとも,現在の連合のトップは「敵失を政局にするな」とまともなアドヴァイスをしてくれています。しかし,連合自体がレーゾンデートレを模索してもがいている状態は長期にわたってかわることはなかろう)。ことほどさように民主党にも諸課題が山積していることは確かです。

このような埃を(本能的にしろ)充分推知した上で,尚国民の大綜は、「自民党と官僚機構との癒着を引っ剥がすべき」と判断している。ここが,この問題の肝です。
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>福田自民党が民主党寄りの政策を打ち出すならば... (tora)
2007-09-17 18:11:46
>福田自民党が民主党寄りの政策を打ち出すならば、政権交代は難しくなる

僕もこれは無いと思います。小泉内閣のもたらした結果と、安倍内閣の体たらく。
この盛り下がりを止めるのは福田さんが総理になったことくらいじゃ無理でしょう。
自民党は勢力を挽回できません。時流は政権交代へ向いていると思います。

福田さんは「請われたから総裁選に出た」と繰り返し言っているけど、
別に僕は福田さんになってもらいたいとも思わないんですよね。
そこら辺を歩いている人も同じじゃないでしょうか。
福田さんの印象は、質問をのらりくらりとかわすのが上手い人という印象。
どういう政治を行ってくれるのか全然わからないし。
小泉・安倍内閣を踏襲するんじゃ、変わる意味が無いんじゃないかと。

国民の大半の気持ちは「自民党はもういいや」って感じじゃないですかね。
解散して選挙になれば、結果はたぶん参院選とあまり変わらないかと。
じゃあ民主党が政権をとれば何か変わるのかと考えると、それもわからないですけど^^;
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衆参の政治勢力のアンバランスは必然的な変化を予... (榎本康夫)
2007-09-17 20:35:35
衆参の政治勢力のアンバランスは必然的な変化を予想させますが変化とはナチュラルなものでもない、そこには既に仕掛け人の影があるものと思っています。
それは産業界なのか官僚関係なのか何処なのか黒い影なのか知る由もありませんが素人でも無いか有るかの想像はできます。

いずれにしても私が第四権力といっている官僚の特権が公務員法の本来の改正が無くとも大きな影響の下に政策能力の低下と行政能力の低下をもたらしているのが政治的混乱とマスコミは間違え且つ日本の進むべきベクトルさえ見えなくさせているのかもしれないと思えます。

自民党の出す政策は 国内政策には組織化された大衆民主主義の残渣が予算お分捕り合戦を繰り返すようにみえるだけです。外交では 対米追従、他国には土下座外交にしか見えません。
全てが官僚主体の立案政治に起因しているからに他なりません。この証明は全て既存の批判等々で容易に説明はできるのです。

批判ばかりでは脳がありません。残渣の脱却こそひつようなのですが、政治家にも能力はなく 勿論官僚にも能力はありません。

官僚が政策立案するから米国追従政策・他国政府追従の道にしか 国民には見えないのです。不合理な税金の無駄使いが行われてへいきでいる様にしか見えないのです。

日本政府のだす政策を考えるならば、
民間企業が企業競争を念頭に政策を作り 人と金を集中したその良いところを 社会的な創造システムに作りかえることです。

今までと同様に官僚の作る政策に乗る事は 対米追従にみえるしもしくは他の外国政府追従政策に見えるのです。土下座外交に見えてしまいます。全てが踏襲する凡夫の歩む道に過ぎない。

米国が嫌い 中国が嫌い 北朝鮮が嫌いでもない 国益に沿った政策とは 開かれた状態で広く民間シンクタンクから金を出して買う政策にあるのです。

現状では官僚にも政治家にも政策能力が無い事は解かりきっております。腐敗しきっているからです。 国民の批判の前ではニヒルに笑う姿しか見せられません。

真の改革の一つの考え方 これも一つです。
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