有田芳生の『酔醒漫録』

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新・路上の光景(6)

2008-10-12 09:45:59 | 新党日本

 10月11日(土)高島平団地でのこと。中央商店街の魚屋さんに「もう覚えてしまいましたよ」と言われる。何度もここで訴えているので、話す内容を記憶してしまったというのだ。いつも新しい時論を加えているのだが、もっと工夫をする必要を感じた。アメリカを起点とした金融危機。世界が波乱しつつ、日本でも実体経済に影響が出てくるなら大変なことになる。とはいえ1995年以降の「景気回復下での賃金下落」という新しい資本主義ニッポンにあっては、中小企業・製造業で1人当りの賃金は13・2パーセント下落している。このままの趨勢では40年後には半分になるほどの事態が進行しているのだ。魚屋さん曰く「どの商品もたいてい50円ほど値上げしているから、お年寄りは買い控えしています」。高島平団地ができたのは1972年。もう36年も前のこと。そのとき30歳だった人たちは、66歳。魚屋さんが「かわいそうですよ」という表現をしていたのは、年金が上がらないどころか、下がっているのに、物価が上がるばかりだからだ。社会的公正がない市場任せの政治ではこの困難は打開できない。北朝鮮をテロ支援国家から解除したアメリカ。ここでも拉致問題を独自に解決する方策なき日本政治の貧困がある。「対話」か「圧力」かの二項対立ではない。久々の「おもろ」。演劇評論家で子供のとき映画「蟹工船」にも出演した江森盛夫さんが言った。「この金融状況は、昔だったら革命前夜だよね」。