宇宙の彼方から

自然の不可思議な森羅万象に揉まれる自分や他人の有り様を見つめる。

見極められない罪

2006-08-16 09:21:26 | 政治
当時の世界情勢を考えるに、日本だけをいつも責めるわけにもいくまい。
世界が(と言うより主に欧州と欧米の先進の国々)軍艦や強大な軍事力を持つようになって、産業技術も思想も遅れていたアフリカ、アジアなどの国々に目をつけ、植民地、領土の拡大を競うようになった事実も考えねばならないだろう。
これは、それぞれが強盗、脅迫、恐喝、威嚇等によって手に入れたものなのだ。
まあ中には、率先して協力した例もあったであろう?
そしてその思想、考えが、当たり前のように世界を席捲していく。
アジア、アフリカの地図を仏、蘭、米、英、とかで塗り替える時代だ。
いわゆる植民地政策も、強盗には違いない。
そしてほとんどが確定していった頃、遅ればせながら日本やドイツが名乗りを上げてくるのだ。日本もドイツも他の国と違って、周囲の国々の分捕りで始まるから当然に衝突はすさまじいものにならざるを得ない。
ドイツはフランスを占領すれば、自動的にフランス領土も手に入れることになる。
日本は日本で、ヨーロッパ戦線がそう言う状態に入っていくので、各地(特に東南アジア諸国)の領土が、さしたる抵抗もなしに手に入れられる。
そう言う事態を勘案しての侵攻作戦であったには違いないのだ。
だから先進の欧州、欧米の各国も独、日の侵攻に対して、自分たちのやってきたことでもあり、同じ先進国としても、最初は多少肝要でもあったのだが・・・
戦闘と領土の拡大が進むにつれ、その強引性、残虐性が明らかになるにもつれ、それぞれが危うさを感じ始めて、世界大戦へ転がり落ちていくことになる。
先進の国々は、未開の地、後進の地、弱小の地へ、その勢力を拡大していったのであるが、独はその足元の国々を併合していく道を選んだ。
進んだ兵器を擁する国々の戦いであるだけに凄惨を極める。
日本が取った行動は、産業技術力が弱いが故に植民地として甘んじてしまうアジアの国々を相手にしたからこそ、力強く進軍できたのであるが、アメリカの産業技術力の前には、なすすべもなかった。偉そうにしても、独も日も結局は先進の国々の真似から入っていたのだ。
独も日も為政者が右翼タカ派であったが故に、侵攻し続ける方法をとるしかなかったのであろう?弱気、停滞、譲歩、受身は、絶対あってはならないタカ派の宿命なのだ。
だから程ほどのところで止めることができなかったのである。タカ派国粋思想は結局「ええーい!後は野となれ山となれ!天命を待つ」なのだ。犯罪する攻撃性のアドレナリン放出によるエンドルフィンの悦楽癖や、スリルと緊張の、えもいわれぬ高揚感は、体感してみなければ分からぬものであろう?自分へのトガである捕まる結果まで、或いは恥を知るまで、力の無さを悟るまで、戦争をし続ける道しかないのである。そして「何とかは死ななきゃ直らない」と、来たもんだ。
自らの性質が招いたこととは言え、軍隊の本質、右翼的考え方や見方の歪みの本質、全てにおいての偏ることの歪み、バランスを見極めることのできなかった罪はかなり重い。
そのように愛国や、鬼畜米英を唱えさせなければならないようになったのは、欧米、欧州からの力の攻撃に対しての強い心、怯まない心が、その時点では必要だったともいえる。それが、疑問も考えることもさせずただロボットのように教育勅語を暗記暗唱させ、愛国、鬼畜米英を合唱させる。疑問を呈することを忌み嫌う(見ざる聞かざる言わざる)国民性を作り上げてしまうから、その元凶たる右翼化、右傾化の攻撃性、自己のみの保身性が必要以上にいつまでも滞ることになってしまう。先進の国々が力の行使を止めた段階で、柔軟性を失ってしまっていたブレーキの効かぬ日本に、いつのまにか気づかずに四面楚歌が訪れる。

台湾、韓国、北朝鮮、中国、ロシアの五大隣組と領土問題で喧嘩するようになってしまった三面楚歌の加工貿易立国の日本、これは靖国問題だけでは解決できぬ、右傾化によりて、反省心(謙虚さ)の無い、被害者を思いやる心(慮る心)の欠落した、欠片も感じない、謀略強盗戦争を起こした当時の悪質極まりない性質を小泉さんだけではなく、それを糾弾するでなし、却って支持する国民からも現在でさえ認められる日本人の持つ本質。
喧嘩殺法の安倍イズムに合致した右寄り挑戦的、攻撃的国民がのしてくれば、やがては、近隣と仲良くできぬ日本を見放す、傲慢親分米国とのイザコザに発展するのは十分考えられる。
その時は見事に四面楚歌が成立する。
そしてその時は、情無用の徹底的な日本叩きが始まるであろう。いや、もうすでに始まっている筈だ。
今までのお隣さんへの攻撃的振る舞いが、そのまま未来には、お隣さんからの攻撃的扱いとなってわが国へ戻ってくるのだ。
各国が、領土問題に固辞するようになってきた背景には、それなりの理由が存在するのである。
日本がそうならないようにするには・・・・・・