生まれてこれなかった赤ちゃんのリーディングを依頼された。
もう30年以上前の出来事だという。 30数年ではまだ転生はしていないだろうけど、どうなんだろうな、などと心内で思いながら、依頼に応じる。
赤ちゃんの存在に焦点を集める。 するとピンクのフンワリと柔らかな色が視えてくる。キラキラもしている。
「僕はね、生まれていくタイミングじゃなかったんだって。 だから大きくならなかったんだって」
屈託なく可愛らしい答え方。 生まれたかった、という執着も、何故生まれて来る事が許されなかったのか、という恨みの念も無い。
不妊治療していた時、授かったという。 人口的にコントロールしていたから、だから゛タイミングじやなかった ゛と言うのかな?
だんだん数個のピンクの玉が視えて来た。 丸い。丸いピンクの玉。
あっ そうか。 ローズクォーツだ。 この子の魂の色や形はローズクォーツみたいなんだ。
この石の意味は愛と許し。 悲しい事も愛で包んで愛で許す。
その子の魂はピンクのハートの形になって天使の羽もついているのが視えてきた。
赤ちゃんは天使だって云うものなあ。
そんな感動をしているうちに赤ちゃんは スゥッと消えた。 消えたあとも、やはり執着も恨みもなかった。