アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

歌詞のある曲、詩のある曲

2018年03月22日 | ピアノ
昨日の練習会、一曲目に弾いた「奇跡の海」は歌詞のある曲です。

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元々がカラオケで歌って気に入った曲だものね。構成そのままの編曲なので、一番から三番まで、ピアノ譜にもちゃんと歌詞が書かれています。

弾き語りができるかってーと…(^^;; そもそもそんな器用なことはできないのですが、それと転調されてて音域が合わないのでその面からも無理です。ですが気持ちで「歌う」ことはできますので…

「あーいこそ みつけだしたきせきよー♪」
とか心の中で歌いながら弾くと、なんとなくいい感じで弾けるような気がします。フレーズの形が自然と整うというか。ま、あんまり歌詞に気を取られすぎると事故りますのでほどほどにやってますが。聞いている人は、もちろん具体的な歌詞の内容がわかるわけはないのですが、なんとなく、ピアノ弾いてる人が心の中で歌ってるか歌ってないかくらいの区別はつくんじゃないかな。どうだろ。確認したことないけど。

そして、昨日の練習会、最後に弾いた「15のハンガリー農民歌よりバラード」は詩のある曲です。「バラード」だからね。

バラードといっても、ショパンのバラードの場合は、インスピレーション元となる詩があったとしても、曲の各部分が具体的な情景を描写しているというものではないようですし、歌詞をつけて歌うようなものではありませんね。

でもバルトークのバラードの場合は、民謡を採取してそれを材料に作曲しているので、元々は歌詞のある歌なのです。巻末にまとめて載っていました。日本語でないのでどのみち歌えませんが、日本語訳がついています。

アンゴリ・ボルバーラは
スカートを仕立てさせた
前は短くなり
後ろは長くなっていった

…これで1番。1番からえんえん23番まであります。バルトークのバラードは確かに短い旋律を繰り返す曲ですが、23回まではありません。変形しているところが多いのでわかりにくいけど10回かそこら。やはり逐一対応するようなものではないようです。ただ、全体のストーリーと曲は対応しているように聞こえます。

上の歌詞(1番)はなんのこっちゃという感じですが、要するに未婚の娘のお腹が出てきたっちゅう話です。最初のほうでは「仕立て屋さんが下手に仕立てた 針子が下手に縫った このメイドが下手に着せたのよね」とか下手な言い訳をいくつかしていますが、そのうちごまかしきれなくなって「何を隠しましょう 白状しましょう ジェンジュヴァーリ様のせいでおなかがふくれたのです」ってことになります。

それで娘は牢屋に入れられて、「飲まず、食わず、眠りもせず」、具体的方法は書かれていませんがとにかく自殺する(自殺直前には恋人に手紙を書く)。ジェンジュヴァーリが来たときにはもう娘は死んでいて、彼はナイフで自分の心臓を突いて自殺する。と、なかなか派手に陰惨なストーリーです。

曲は、シンプルにユニゾンの旋律で始まり、だんだん伴奏が膨らんでいき(言い訳が苦しくなっていくあたりか?)白状して牢屋に入る(どんがらがっしゃん)ところまでが前半ですかね。後半の入り口で、澄んだ高音のオクターブが出てくるところは、牢屋の高窓から見えたお月様のたたずまいなのかなと(これは勝手な妄想)、そして悩みのうねりがありつつ娘の自殺、それを受けて今度は男性の嘆きと怒り…怒りがあるのかどうかはどうもよくわからないんですが…ナイフが取り出される引き裂くようなクライマックス、死後の世界で結ばれることを信じる愛の昇華と、結末(心臓ひと突き)。

曲との対応は私の妄想に過ぎず、正解かどうかわからない(というか正解があるかどうかもわからない)のですが、なにかそういう妄想があるとどう弾きたいか、特にどう間を取る(あるいは取らない)ということが考えやすいのでこれはおもしろいなと思いました。

昔は「妄想」苦手でキライだったのよねぇ。どう妄想していいかわからないし、仮に妄想をしても演奏とどう関係があるかわからなかった。今も妄想は下手だけれども、妄想が浮かべば、楽しく演奏できるようになったんだから…人は変われば変わるものです。

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