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アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ベルリオーズ幻想すごすぎ

2019年03月07日 | ピアノ
というわけで日フィルコンサートの話の続きなんですが、ベルリオーズの幻想交響曲が始まる前、まず「おぉ」と思ったのは舞台上の「みちみち」感ですね。

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とにかく大編成なんです。弦も管も打もこれでもかというくらい盛り盛りなので、舞台から溢れそうです。

ベルリオーズといえば幻想交響曲、そしてその幻想交響曲が相当変な曲ですから、わりと新しい作曲家のイメージなんですけど、たいして新しくないんです。ブラームスの交響曲第一番がこの40年後ですからね。幻想交響曲が作曲されたのは1830年、天保の大飢饉が1833年です(だから何)

もちろんですが私がそんな年号を覚えていてソラで書けるわけはなく、今はコンサートでもらったパンフレットを見て書いています。ベルリオーズ誕生の1803年から、吉松隆誕生(笑)の1953年まで、音楽史上のイベントと日本の出来事を要領よくまとめた年表がついている、親切設計のパンフレットなんですよ。

ベートーベンの交響曲でも、ブラームスの交響曲でも、およそ交響曲というものは、具体的な情景とかストーリーとかを描写するものではないことがほとんどだと思いますが(「田園」は情景描写かな?)、幻想交響曲はバリバリに具体的な描写が入ってますね。

そして描かれている内容はめっちゃ暗いわけですが…なにしろ恋人を愛しすぎて疑心暗鬼になってついには殺してしまい死刑になって(ギロチン)悪魔たちが踊りまくって終わり。曲はなんというか楽しいといったら語弊があるかもしれませんが、少なくとも演奏している人たちはノリノリ楽しそうです。

ふつう、演奏中、舞台脇の出入り口ドアは閉められていることが多いと思います。裏から余計な音が聞こえてきてはいけないですからね。ところがこの曲の中では、舞台裏から(遠くから)音を聞かせる設計が頻繁に出てくるので、けっこう開けてあります。そして舞台裏から演奏する担当の人がしょっちゅうぐるぐる歩き回っています。

舞台裏から聞こえるオーボエは、遠くから聞こえる羊飼いの笛の音を表していたりして、なかなか面白いんです。具体的な描写ですよね。終わりの楽章の魑魅魍魎が踊り狂ってるところなんか、映像がなくても「見える」くらいの出来です。

そしてこの曲の大きな特徴のひとつが、恋人を表す決まったメロディーがあることで、これが各楽章にいろいろ形を変えて出てくるんです。どのくらい変わるかといえば、なにしろ最初は可憐な女性だったのに死後の醜く変わり果てた姿で出てくるんですからね。

こうやって「1つの観念に基づいて曲の中に循環的に表れる楽想は『イデー・フィクス(固定楽想)』と呼ばれ、後の作曲家たちに大きな影響を与えた」(パンフレットより)とのことです。ベルリオーズ発のアイディア。すごいね。

このように、いろんな意味で実験的で、大規模な曲だけど作曲したときはまだ26歳(しかも20歳から正規の音楽教育を受けたという晩学の人)ということでほんとすごいんだけど、こんな頭おかしい(←ほめてる)曲を書けちゃったのはやっぱりかなり本人が頭おかしかったからという面もあるんでしょうね…曲の設定とご本人がかぶるようですし。

現実のベルリオーズさんは、すったもんだの末、周囲の猛反対を押し切って結婚にこぎつけたのですけど「その結婚生活は幸福ではなかったといわれている」。まぁそりゃそうでしょうね。こんな曲を書く人と幸せな結婚ができるイメージって浮かばないですわ。

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