友人が、書道でなにやら大きな賞を取ったというので、都美術館まで見に行きました。
←今度体験どうですかって誘われたけどそりゃさすがに
本音をいうと、書道に特に興味があったわけではなく、その友人と、一緒にいく人たち何人かで「ランチ」してしゃべるほうが主目的という感じではあったんですけど…
それがね。おもしろかったんです!! 書道。自分でも意外でした。
もし一人で行ったとしたら、やっぱりわけわかんなかったと思うんですけど、見るポイントをいろいろ教わりながら見たら、がぜん広い世界を垣間見ることができました。
書道って、出来上がった作品を「ぱっ」と見たら、全体がいっぺんに目に飛び込んでくるわけで、いわば「空間的芸術」ですね。そういう意味で、音楽ではなくて、絵画に近いものです。紙の上にどのように配置されているか、濃い薄いといった、「模様」としてのバランスに大いに意味があるというところも、まさに「絵」なんです。
でも、書道作品を作る過程においては、絵よりむしろ音楽に近い、時間の流れというのが色濃くあります。字には順番があり、字と字のつながりというのもありますから、書きやすいところから書いていくのではなくて、必ず頭からしっぽまで順番どおり書いていかなくてはいけませんし、途中で「あぁ疲れた、どっこいしょ」と茶~しばきに行くわけにもいきません。一作品、書き終わるまでは集中して一気にいかないとね。
小学校の習字の時間に書くようなちょろっとしたものならあまり時間の流れを意識することもないですが、大きな作品になると、かなりの時間、テンションを保たないといけません。壁いっぱいの大作ともなりますと相当体力勝負なようです。
そしてその流れの中で、どう変化をつけていくのか、たとえば同じ文字が出てきたとき、その表情をどう違うものにするのかはひとつ大きなポイントになります。もちろん、ただ全然違うものにすればいいのではなくて、並べてみたときにバランスが取れていなくてはいけません。バランスといえば、全体の構成、薄さ濃さ、字の黒と余白といったことももちろん大事です。なんか、ピアノで一曲を演奏するのに似ているでしょ。
ところで、書道というと自分の好きな言葉を書くのかなぁと(相田みつをみたいなイメージ)思いますが、そうでないジャンルもあります。友だちが賞を取ったその作品は、古典作品を模倣して書くというタイプのものでした。
古典作品って、要するに昔の中国の書家が書いた作品とかが残っているわけですね。生ではなかなか見られないかもしれませんが、その写真とかがたとえば本に載っています。それを見て真似をするのですが、そのままだと真似しにくいので先生にお手本を書いてもらって、それを見て書きながら何度も練習していきます。それこそ、配置も薄い濃いも大きさも、忠実に真似をしていくのがいいとされているそうです。でも、お手本を見て真似をするのを十分やったあとは、お手本は見ないで、元の作品だけを見て書くようにとも言われるんだって。
その友人が使っていた、元作品のコピーには、意味やら書くときの注意事項やらがあれこれ書き込まれていて、なんだか発表会本番に持って行くコピー譜面のようです(^^;;
結局、最終的に出来上がった作品というものは、元の書家の作品に沿って忠実に書かれていながら、その作品とも、お手本を書いた先生のものとも違う、書いた人の個性が滲み出すものになります。忠実といっても写真じゃないので。
なんかおもしろいでしょ? 原典版、解釈版、そして最終的に演奏者の表現となる演奏。
その友人は、子どものころから書道をやっていますが、いくらやってもまだまだまだまだ先があり、「かな作品も書けるようになりたい」などいろんな目標を持っています。
今回、賞をもらったのは漢字の作品でしたが、「かな」のほうが難しいんですって。確かに、曲線ばっかりだし、定型のない優しい感じがこう、難しいんですかね。見ている分には、かな作品ってとても素敵です。けど、むっちゃ読めません(^^;; 聞いてみると、書道やってる人でもそうは読めないらしいよ(笑) 自在すぎる世界ね。そこまでくるとほんと絵みたいですね。
「漢字」「かな」がベースですけど、自由題材の作品の中にはカタカナが混じったものがあります。古典にはお手本がないフリーダムな世界ですから、書くのはすごく難しいらしいですけど、飾られている作品を見ると、確かにこのカタカナはうまい!! と思うような絶妙な形、バランスがあったりするんです。
しばらく見ていると、うまい下手はともかく(飾られているのはうまいのばっかりなんだから、その中のうまい下手とかまったくわかりません)、自分が好きな作品というのも出てきて、おもしろいです。これまた、ピアノと似てますよね。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社
←またろうがイラストを描いた本(^^)

「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)

本音をいうと、書道に特に興味があったわけではなく、その友人と、一緒にいく人たち何人かで「ランチ」してしゃべるほうが主目的という感じではあったんですけど…
それがね。おもしろかったんです!! 書道。自分でも意外でした。
もし一人で行ったとしたら、やっぱりわけわかんなかったと思うんですけど、見るポイントをいろいろ教わりながら見たら、がぜん広い世界を垣間見ることができました。
書道って、出来上がった作品を「ぱっ」と見たら、全体がいっぺんに目に飛び込んでくるわけで、いわば「空間的芸術」ですね。そういう意味で、音楽ではなくて、絵画に近いものです。紙の上にどのように配置されているか、濃い薄いといった、「模様」としてのバランスに大いに意味があるというところも、まさに「絵」なんです。
でも、書道作品を作る過程においては、絵よりむしろ音楽に近い、時間の流れというのが色濃くあります。字には順番があり、字と字のつながりというのもありますから、書きやすいところから書いていくのではなくて、必ず頭からしっぽまで順番どおり書いていかなくてはいけませんし、途中で「あぁ疲れた、どっこいしょ」と茶~しばきに行くわけにもいきません。一作品、書き終わるまでは集中して一気にいかないとね。
小学校の習字の時間に書くようなちょろっとしたものならあまり時間の流れを意識することもないですが、大きな作品になると、かなりの時間、テンションを保たないといけません。壁いっぱいの大作ともなりますと相当体力勝負なようです。
そしてその流れの中で、どう変化をつけていくのか、たとえば同じ文字が出てきたとき、その表情をどう違うものにするのかはひとつ大きなポイントになります。もちろん、ただ全然違うものにすればいいのではなくて、並べてみたときにバランスが取れていなくてはいけません。バランスといえば、全体の構成、薄さ濃さ、字の黒と余白といったことももちろん大事です。なんか、ピアノで一曲を演奏するのに似ているでしょ。
ところで、書道というと自分の好きな言葉を書くのかなぁと(相田みつをみたいなイメージ)思いますが、そうでないジャンルもあります。友だちが賞を取ったその作品は、古典作品を模倣して書くというタイプのものでした。
古典作品って、要するに昔の中国の書家が書いた作品とかが残っているわけですね。生ではなかなか見られないかもしれませんが、その写真とかがたとえば本に載っています。それを見て真似をするのですが、そのままだと真似しにくいので先生にお手本を書いてもらって、それを見て書きながら何度も練習していきます。それこそ、配置も薄い濃いも大きさも、忠実に真似をしていくのがいいとされているそうです。でも、お手本を見て真似をするのを十分やったあとは、お手本は見ないで、元の作品だけを見て書くようにとも言われるんだって。
その友人が使っていた、元作品のコピーには、意味やら書くときの注意事項やらがあれこれ書き込まれていて、なんだか発表会本番に持って行くコピー譜面のようです(^^;;
結局、最終的に出来上がった作品というものは、元の書家の作品に沿って忠実に書かれていながら、その作品とも、お手本を書いた先生のものとも違う、書いた人の個性が滲み出すものになります。忠実といっても写真じゃないので。
なんかおもしろいでしょ? 原典版、解釈版、そして最終的に演奏者の表現となる演奏。
その友人は、子どものころから書道をやっていますが、いくらやってもまだまだまだまだ先があり、「かな作品も書けるようになりたい」などいろんな目標を持っています。
今回、賞をもらったのは漢字の作品でしたが、「かな」のほうが難しいんですって。確かに、曲線ばっかりだし、定型のない優しい感じがこう、難しいんですかね。見ている分には、かな作品ってとても素敵です。けど、むっちゃ読めません(^^;; 聞いてみると、書道やってる人でもそうは読めないらしいよ(笑) 自在すぎる世界ね。そこまでくるとほんと絵みたいですね。
「漢字」「かな」がベースですけど、自由題材の作品の中にはカタカナが混じったものがあります。古典にはお手本がないフリーダムな世界ですから、書くのはすごく難しいらしいですけど、飾られている作品を見ると、確かにこのカタカナはうまい!! と思うような絶妙な形、バランスがあったりするんです。
しばらく見ていると、うまい下手はともかく(飾られているのはうまいのばっかりなんだから、その中のうまい下手とかまったくわかりません)、自分が好きな作品というのも出てきて、おもしろいです。これまた、ピアノと似てますよね。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社

「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)