本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

母に欲す【舞台】

2014年10月18日 | 【舞台】


@渋谷パルコ劇場

こちらは「たりふた」よりも前に観ました。
単純に書くのを忘れていた・・・。


三浦大輔氏のお名前は「ポツドール」という劇団名とともに知っていましたが、
作品を観たのは、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」が初めてでした。
演劇界でも過激な作風、という評価に惹かれ、
一度舞台を観たいなと思っていたところ、最近の注目株・池松君主演だと。
しかも、これで一旦、演劇に区切りをつける、とか言ってるじゃないですか。
それは観ないといけないね!と、結構早めにチケットを取りました。

それはそれは身構えで行きましたが、
パルコ劇場ですからね、そこそこ抑え目にしていたのだと思います。
とはいえ、冒頭から半ケツでしたが。


注目度的に、それほど高くなかったのが幸か不幸か、
パルコ劇場では、非常に良い席で見れました。

休憩挟んで、3時間超。
長かったですが、舞台見たーーーーという満足感。
苦痛な長さでは無かったです。

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東京でひとり暮らしの裕一(峯田和伸)は
家賃を滞納したアパートの部屋で怠惰に生活していた。
携帯電話の電源を久々に入れると多くの着信メッセージが。
実家で暮らす弟・隆司(池松壮亮)からがほとんどで、
疎ましく思い最後まで聞こうとしない。
その中で旧友・亮太(米村亮太朗)からのメッセージを聞き
電話を折り返した裕一は、母親が病死したことを知る。
隆司からのメッセージはその件についてのものだったのだ。
ぼうぜんとしつつ帰省。
隆司から葬儀に参列しなかったことのみならず、
母親に金をせびっていたことまでののしられる。
その口調に立腹し口論になったが、
裕一は遺影を前に母親の死を実感して後悔の念が込み上げてくる。
そして四十九日が過ぎ、
ひとりの女性・智子(片岡礼子)が台所で夕食の支度をしていた。
父・浩二(田口トモロヲ)が後妻に招いたのだ。
実母の記憶が鮮明に残る時期での義母の登場に裕一は困惑し隆司は猛反発する。
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息子にとっての母親、がテーマだそうなので、
そこに私が共感できないのは当然のこととして、
思ったままを書きますが、
男は元来マザコンの気質を持ち合わせているんだなと。
もちろん、そのカタチとか度合いは、十人十色ではありますが。


本作は、母を失った哀しみと向き合う家族の話です。

母を亡くした男3人。父親、長男、次男。
それぞれがそれぞれの立ち位置で
長い間接してきた"母親"という存在の喪失から引き起こされる混乱。
そして1人の女性をきっかけとして、
(恐らく)再生に向かっていく、お話です。

母の愛は無償、とはよく言われますが、
夫として、息子として、その無償に依存する気持ちも
また、それぞれ違うのだと。

各々の行動や考え方、全部に共感は出来ないのだけれど、
ああ、何となく分かるなあ、という気持ちにはなりました。


「奥さんを亡くした旦那さんは早死にするけど、
旦那さんを亡くした奥さんは長生きする」なんてよく言われますが、
それほどまでに、男性にとって女性の存在は大きなものなんでしょうね。

男性の、所謂"隠しておきたい"気持ちを曝け出した描写が
かっこ悪くて、でもリアルで、非常に心に響く作品だと思います。




あ、忘れてたーーー、と思い出しながら書きましたが、
これにより欲が出て、
三浦監督・池松くん主演の「愛の渦」を観ました。
感想はこっちに書きます。


せっかくだから、過激な三浦氏の舞台作品を観たくなったなあ。
TV放送を期待しながら、舞台復帰も待ちたいと思います。

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