本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

ウォールフラワー【映画】

2013年11月26日 | 【映画】
@ヒューマントラストシネマ渋谷

10年以上前。
ハタチの私は、或る本を読んで、号泣していました。

大学2年時、1人で取ってた一般教養の授業中のこと。
(良い子のみんなはマネしないでね!)

・・・そんなこと、すっかり忘れてた。

この映画のチラシをテアトル新宿で見つけたとき、
相方が『コレお前が読んでた本。オレに読めと、くれた本。』と教えてくれました。

何で忘れてたんだろう。。。
あんなに心揺さぶられたのに。あんなに泣いたのに。
自分の薄情さと記憶力の無さを呪いました。

それが、スティーブン・チョボスキー作「ウォールフラワー」です。
(今は文庫版も出てます。)

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1991年、シャイで物静かな高校生チャーリー(ローガン・ラーマン)は、
クラスメートたちに“壁の花”とあだ名を付けられ甘く見られていた。
だが、彼の平凡な日常は、パトリック(エズラ・ミラー)と
サム(エマ・ワトソン)兄妹との出会いによってすっかり様変わりする。
チャーリーは初めて知る友情の素晴らしさや、
初恋の胸のときめきに有頂天になっていたが……。
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原作についての思い出はさておき、
(忘れてたくせに)今年一番の期待作だった、この映画。

原作者が、映像化のオファーを断り続けて、
経験を積んだ自分自身の手によって、ようやくカタチになった本作は、
派手さはないけれど、とても温かい、良い映画でした。


思春期に誰もが探す、自分の居場所の問題。
「桐島、部活やめるってよ」で描かれたスクールカーストとはまた少し違った、
壁際で過ごす、一人の高校生の物語です。


主人公のチャーリーは、壁の花。
この例えが、個人的には気に入ってます。
そもそも、原作もこのタイトルに惹かれて読んだので。


ずっと壁の中にいて、同級生達の様子を遠くから見ている高校生活。
でも本当は、過去の傷も手伝って、
自らが、彼らとの間に壁を作り、
なるべく傷つかないように、自分を守っている。

そういうの、すごく分かる。


でもある日、少しだけ出した勇気がきっかけで、
自分に気づき、壁の外に引っ張りだしてくれた人たちがいて。
「気づいてくれて、ありがとう。」というセリフは、胸を打ちました。
壁の中に居た頃よりも、どんどん表情が豊かになっていく彼に、
観客の私も、笑顔にならずには居られなかった。

しかしながら、傍観者から当事者になったことで、
他人との関係に傷ついたり、苦しんだりすることもあるわけで。
仲間と一緒の楽しい高校生活の終わりと、過去の大きな“傷”。
二重の苦しみを経て、一度は元に戻ってしまったチャーリー。

でも彼は昔とは違う。
自殺を選んだ親友とも、本当はしたくて、でも出来なかったけれど。
新しい仲間と一緒に、前を見て、歩いていくことが、
今の彼には出来るだろう、という希望を持って、
物語は幕を閉じます。

多分もう、壁の中には戻らない彼が、
決別の意を込めたトモダチへの手紙に、
原作読んだ時の気持ちを思い出して、やっぱり泣きました。



多分、それほど珍しい題材ではないだろうし、
目新しい演出もないのだけれど、
人物描写が丁寧で、感情の動きがとても繊細に描かれていると思います。


そういう意味で特筆すべきは俳優陣。
特に主役3人の繊細な演技が光っています。

チャーリーは難しい役だと思うのだけれど、ローガン・ラーマンはスゴイ。
演技が上手いというよりも、思い描いたチャーリーそのものでした。
小さな葛藤とか、気分の上下とか、そういうのが、
その場面の状況設定やチャーリー自身の気持ちと、1ミリもズレていない。
若いのに素晴らしい俳優だなと思いました。
加えて、パトリック役のエズラ・ミラー。彼は本当に魅力的です。
美少年だなあ、という最初の印象よりも、
中身の方が遥かに魅力的なゲイ役がとてもハマっていました。
エマ・ワトソンの役・サムは、相方は鼻持ちならないと言っていたのだけど、
背伸びしたい世代の不器用な女の子を上手く演じていたと思います。

キャラクターは、上記3人を含め全員とても魅力的です。
チャーリーの父・母・兄・姉、国語の先生、あたりは、本当に良い人過ぎる。
原作では、チャーリーの一人称で話が進むので、あまり気づかなかったんだけど、
キャスティング・演出・脚本の全てがピタっとはまった結果、
キャラクター描写については、映画が原作を超えていたと思います。

ストーリーは、思春期のシンプルな成長物語ですが、
前述したキャラクターの魅力によって鮮やかに色が付けられた映画作品になっています。


ただ、私には音楽があまりハマらなかったのだけが残念。
好きな人は好きだと思います。
私には少し物足りなかったのは、よく聴いてるジャンルの影響だろうか。。。

あとは、欲を言えば、
最後、チャーリーが前を向いていくところは、
もう少しじっくり描いて欲しかった気もします。
ちょっとだけテンポが早い気がして、非常に惜しい。


とはいえ。

突出した作品としては記憶に残りにくいかもしれませんが、
丁寧な演出が光る良作です。

余裕があればもう一回観たいですが、
まずは、古本で新たに購入した、10年前の原作本を読み直そうと思います。

わたしはロランス【映画】

2013年11月25日 | 【映画】
@渋谷アップリンク

上映劇場数は決して多くないのですが、
どこで見ても、レビュー数は多くないのに、絶賛の嵐。
そこまで言われたら気になるじゃないか!と観に行きました。

渋谷のアップリンク、遠いです。その上、20時過ぎのレイトショー。
いい歳こいてビビリながら帰りました…。

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カナダのモントリオールで国語の教師をしているロランス(メルヴィル・プポー)は、
ある日、恋人のフレッド(スザンヌ・クレマン)に対して
女性になりたいと打ち明ける。
ロランスの告白にフレッドは激高するも、一番の理解者になることを決める。
迷いや戸惑い、周囲の反対を乗り越えて、
社会の偏見に遭いながらも二人の人生を歩もうとする。
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カナダ人のグザヴィエ・ドラン監督は、
弱冠23歳で本作を撮ったそうです。
すげえ才能。。。


始まった瞬間、「あ、これ、フランス映画だ・・・。」と少し不安になった私。
(そもそも調べて行かなかったんかい!!!というのはさておき。)
…ニガテなんです、フランス映画。
そもそも、ゴダールとか、何ソレ美味しいの?的に理解力が乏しいし、
静かさと単調さと雰囲気が、全然合わないのです。
過去、ゴダール作品の予告で睡魔に襲われ、本編最後まで起きなかった、という逸話を持つくらいですよ。

・・・話が逸れましたが、
この映画、私が今までに観たどのフランス映画よりも面白かったです。
寝なかったから、という理由ではないよ。
168分の長時間上映の中、一度も目が離せなかったです。
鑑賞後の余韻もすごくて、なかなか感情が上手くコントロールできません。

傑作、と賞賛されるに値する映画だと思います。
劇場で、大画面スクリーンで、観ておいてよかった。

監督のデビュー作『マイ・マザー』も観に行くことに決めました。

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原題は『Laurence Anyways』。
「anyway」は"とにかく"というような意味ですよね。

これは最後のシーンの、ロランスのセリフです。
私は原題ままの方が良かったなあ。こっちの方がしっくり来る内容です。

男だろうが、女だろうが、
私はとにかくロランスだ、と。
まあ、日本語にするには、仕方ないかなと思いますが。


性同一性障害を告白した男性(ロランス)と、
彼と一緒にいることを選択した女性(フレッド)の、10年に渡るラブストーリー。
この映画のスゴイところは、主役の2人が最初の時点で既に良い大人だということ。
(告白時点でのロランスは35歳かな。)
一般的には、付き合ったら結婚して子どもが生まれて、という流れで、
人生を過ごしていくはずなのだけれど、
ウソをつきながら生きていくことが出来なくなったロランスが、覚悟を決めてフレッドに打ち明けた。
そこからの2人の人生を描いています。


私は、前半はフレッドに感情移入しながら観ていました。
性同一性障害の恋人と一緒にいることを決意した彼女は
何て強い女性だろうと思っていました。
でも後半は、ちょっとだけロランスに感情移入。
皆が皆、強いわけでも、正しいわけでもないんだよね。
登場人物の、人間としての弱さを、隠すことなく描いているので、
グサグサ胸に響きます。が故に、観ててしんどかった。


ネタバレを恐れずに言いますが、
この映画で描かれるのは、1つの恋愛の始まりと終わりの姿です。
フレッドのことを、"AZ"と称し、人生における唯一の女性としたロランスの葛藤や覚悟は、
綺麗事ではないからこそ全身全霊であり、観客の胸を打つのだと思います。

ちなみに、
性同一性障害についての云々、という是非についてはここでは触れませんが、
まだまだ、"自由"とは言えない状況は、どの国も一緒なんですね。
土曜のカフェでのウェイトレスの暴言シーンは、
爽快ながらも、かなり感情的で、しんどいシーンのひとつでした。

主役2人だけじゃなく、登場人物1人1人の感情描写が、
痛々しいほどに鮮やかで、
全力で迷いながらも相手に対してはストレートで、
だからこそ、ロランスとフレッドの恋物語が、観客である私達自身の物語でであるかのように
錯覚してしまいそうになるのかなと思いました。


加えて。

感情描写やセリフとともに、この監督の評価されている要因の1つとして、
独自の映像センスかなと思います。
メタファーとか暗喩とか、そういう回りくどいものではなく、
かといって、分かりやすいわけでもなく、
色鮮やかなシーンの1つ1つが、この映画の中で、
なくてはならないシーンとして、輝いているように感じます。

印象的だったのは、
突き抜ける青空にカラフルな洋服が降ってくるシーンや、
枯葉が画面いっぱいに激しく舞い散るシーン、
感情の渦に飲み込まれたフレッドに、滝の如く水が降ってくるシーン、ですよね。

個人的には、ロランスの口から飛び立った黒い蝶々の伏線を、
ラストの蝶々型クリップで回収された(と思うんだけど違うかな。)時に、
あー、切ないなー・・・と思いました。



感想もツラツラと書いたものの、何だか未だにまとまりません。
色んな記事とか情報とか読んで、もう少し冷静に分析してみたいような、
でも、今観た後の感情の勢いを保っておきたいような、
不思議な映画でした。

誰に薦めたらいいか分からないので、是非、とは言えないけど、
やっぱり、恐らく傑作だとは、思います。

グランド・イリュージョン【映画】

2013年11月21日 | 【映画】
@新宿ピカデリー

相方が見つけてくれた、高評価の本作。
全然スルーしていたのですが、確かにどこ見ても評価が高いので、
気になって観て来ました。そして混んでました。
混むような印象の映画ではないのになー。

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マジシャンとして一流の腕を持つアトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)は、
フォー・ホースメンというスーパーイリュージョニストグループを束ねていた。
彼らはマジックショーの中で、ラスベガスから一歩も動くことなく、
パリにある銀行から金を奪ってみせた。
この件を受けて、次の計画を彼らが実行する前に食い止めようと
FBI特別捜査官のディラン(マーク・ラファロ)が捜査を始めるものの……。
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鑑賞後、納得いかない表情の相方が気になり、
聞いたところ、決定的にダメな点があると。

「イリュージョン」「マジック」を題材にしているサスペンスなのに、
その根幹となるマジック部分をCG映像にしてしまうのはいかがなものか、と。
そもそも、実際に出来ない仕掛けをやるなと。
一理あるなと思いました。これが実際に行われたらという想像を掻き立てるのが面白いんだものね。
私は、何か端々にCG使ってるな、くらいにしか思ってなかったです。浅かった。

実のところ私は別の点が気になって、ムムムという感想だったので、
評価は2人してそれほど高くなりませんでした。
Yahooでは結構高いんだよなあ。だから期待してたのに。残念。



私自身が気になったことを言えば、まず動機。
正直、マジックで犯罪を犯す、なんて、
エンターテイナーの極みか、腕試し・挑戦あたりだと思っていたのですが、
ちょっと理由が違っていまして。
しかしながら、が故に、所謂オチ部分が弱いと感じてしまいました。

黒幕ありきの犯罪だったから、
その正体というミステリー要素に焦点を当てた結果でしょうね。
仕方ないですが、その黒幕も、結構分かりやすい人で、
やっぱり感がぬぐえなかったんですよね。。。
それもあっての、物足りなさかなと思います。


(あとちょっとネタバレだけど、個人的に胡散臭い団体的な要素がニガテで。)


2つ目は、キャラクターの無個性さと人間関係の希薄さ。

これは相方もほぼ同意見だったのですが、
登場人物の個性がないとは言わないけど、人間関係の描写が浅い・薄い。
主要メンツ『フォー・ホースメン』の4名の関係性が主にですが、
ちょっと恋愛要素絡めたのに放置したり、
付き合い浅いのに、最後のイリュージョン前にちょっとしんみりしたりとか、
(ここのやり取りは、翻訳のしかたにも問題あるかもしれないけど、本当に無意味。)
全体通して、非常に雑です。無いなら無し、あるならちゃんと描こうよ、と。

登場人物が多い作品て、人間関係が物語の展開とともに動いていくのも見所かなと思っているので、
そこが全く動かないなら、相関図は完成させた状態で物語を展開させないと
観客も、イマイチ映画に入り込めないと思うんですよ。
正直こんなに浅いなら、1人2人に絞ってもっと関係性に深みを出した方が面白くなる気がします。
トリックに協力体制が必要なのは分かるけど、
最初から最後までビジネスライクで、何だかなあ、という感じでした。
(ビジネスライク前提ならば、それなりの描き方もあるからね。
最初から相関図を描くことを放棄したようにしか見えないんですよね。)


総じて、映画というよりは、マジックショー。
ならば質の高いイリュージョンやマジックショーを撮影して、
ドキュメンタリー風に、2時間上映した方が、観客としては満足度が高い気がしました。
(ちょっと前にシルク・ド・ソレイユがやったみたいなね。)

まあ、あくまでも、私個人の感想です。あしからず。


書いているうちに批判が長くなってしまいましたが、
マジックとか、アクションとか、豪華だしお金かかっている感はあり、
その辺は見所として楽しめるし、映像的にも面白いです。
何よりも発想が新しいし、そういう意味での、ドキドキワクワク感はあると思うので、
友達同士とか、カップルでデートで観るには適した映画かなと。
(私達の前に座ってたカップル?夫婦?は、『面白かったねー。』と言ってたので。)


あと、これ余談以外のなにものでもないのですが、
メンタリストのDaiGoさんが、個人的に胡散臭くて好きじゃないんです。
なので、冒頭に出た「監修:DaiGo」という記載が、
私がこの映画に敵意を持たせた要因かなと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

それでも、評価は変わらないけどね。

THE ICEMAN 氷の処刑人【映画】

2013年11月20日 | 【映画】
@新宿武蔵野館。

実録犯罪ものとして前からチェックしており、
相方に付き合って貰い観に行きました。
地味な映画だしどうかなあ、と思ってましたが、混んでました。

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1960年代、アメリカ・ニュージャージー州。
愛する妻と2人の娘に恵まれ、幸せに満ちあふれた日々を過ごしている
リチャード・ククリンスキーには家族も知らない恐ろしい秘密があった。
誰の目から見ても良き家庭人である彼の正体は腕利きの殺し屋で、
捜査のかく乱やアリバイ工作のために命を奪った者を冷凍保存し、
死亡日時をずらした上で遺棄することからアイスマンの異名を持っていた。
約20年間にわたり、100人以上の人間をあやめてきたリチャードだったが、
1986年に逮捕されてしまう。
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少々単調な印象ではありますが、総じて見ると良作だと思います。

この映画で見た印象としては、一般人が殺し屋として雇われ、
冷酷無慈悲な殺人者として、100人以上を殺害し、逮捕された、という感じ。
リチャード・ククリンスキーのキャラクター像がいまいち描かれていないので、
想像でしかないのですが、家族に対する愛情が深い分、その他に対する執着が一切ない人、という印象で、
その要素が、彼の殺し屋としての特性に説得力を持たせているように感じました。

しかしながら、ククリンスキーについての記事を少し読んだところ、
彼の生い立ちや、背景から察するに、なるべくして殺し屋になったサイコパス、という印象に変わりました。
(それこそ『セブン・サイコパス』に出てきたサイコパスなんかよりも、相当イカれてる。)

暴力的な父親、幼児虐待傾向のある母親に育てられ、
幼い頃から厳しい環境で育った彼は、ティーン時代に既に名の通った不良になっていたそうです。
所謂ストリート・ギャング、というヤツですね。
更に、人に対してだけではなく、幼い頃から結構な動物虐待も行っていたとのこと。


ククリンスキーの生い立ちについては、ほとんど映画の中で語られていないので、
(あってもほんの少しの会話や、一瞬の映像のみ。)
個人的には、そこがほんの少しだけ残念でした。

不遇な生い立ちがあるからこそ、彼が何よりも家族を愛し、大切にしたのかが分かるし、
逆にそれがないから、彼がそこまで家族に執着する理由がピンとこない。
不良時代→家族への愛に目覚める→殺し屋としての葛藤→破滅、
という流れで描いたら、もう少しドラマチックに展開する物語になったんじゃないかなと、
そして最後の破滅からの絶望感がもっと表れたんじゃないかなと、個人的には思いました。

とはいえ、ドラマチックさに重きを置くと、俗っぽくなってしまうというマイナス面もあるので、
この映画はこれで良かったのかなとも思いますが。

終身刑になった犯罪者の話なので、
それ自体を美談化してはいけない、という意味もあり、
敢えて淡々と、起伏の少ない映画にしたのであれば、
それはそれで、製作者側の意図でしょうし、それもアリなのかなとは思います。


ククリンスキー役のマイケル・シャノンの演技は素晴らしいです。
彼の演技だけでも見る価値のある映画だと思う。
しかしながら、相方も言ってましたが、
「マン・オブ・スティール」のゾッド将軍役を先に見てしまっているので、
そのイメージになってしまうのが、何とも惜しい。(あの映画のイメージが悪過ぎるんだよなあ。。。)
とはいえ、演技派として、やはり安定感のある俳優さんです。
個人的には、お久しぶりのウィノナ・ライダーが美しかったなあ、というのと、
ジェームズ・フランコ、一瞬じゃねーか!というのと、
フランコ含めスティーヴン・ドーフとか、クリス・エヴァンスとか、
個人的に割とツボな容姿の俳優さんが揃っていたことで満足度は高かったです。


地味な映画ですが、丁寧に作られているので、高い評価も頷けます。
DVDでもいいけど、見て損はない映画だと思うので、興味あれば、是非。

ゴースト・エージェント/R.I.P.D.【映画】

2013年11月07日 | 【映画】
『SPEC』と同日に観賞しました。
前述してますが、『SPEC』があんまりな出来だったので、
この映画に対する見方が優しくなったというのと、
最近の相方と私に訪れた"B級映画ブーム"によって、
非常に楽しく観賞できました。

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潜入捜査中に亡くなった刑事ニック(ライアン・レイノルズ)。
だが、生前の刑事としての活躍や経歴を見込まれて、
成仏できずに現世に紛れ込んでいる悪霊たちを逮捕しては
霊界に送還する組織R.I.P.D.のエージェントにスカウトされる。
1800年代からエージェントを務めている
大ベテランのロイ(ジェフ・ブリッジス)とコンビを組み、次々と悪霊を捕まえていくニック。
その後、二人は霊界へと通じているトンネルから
悪霊たちを現世に逆流させるという陰謀が進められていることを逮捕者から聞き出す。
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あらすじを読んだだけで、多くの人が感じる二番煎じ感。
ご存じ『MIB』と『ゴーストバスターズ』ですね。
私は、後者は見た事がないので比較できないのですが、前者は大好きな映画で。
まあ、予想通り共通点は多く、且つインパクトで負けてます。仕方ないよ、相手が悪い。

とはいえ、成仏できない"悪霊"という目の付け所は、
どちらかと言うと日本的かなと思うし、実際そこそこ面白かったです。

特に悪霊の描写が興味深かったですね。
日本の幽霊は、見た目は人と変わらないけれど、
本作(アメリカ)では人型のモンスター??みたいな感じ。
やたらとデカくなる、という(笑)。分かりやすくていいけどね。
それと日本でよく見る''透ける''''足がない''描写はないです。むしろしっかり踏みしめて(笑)走ってた印象。
あと、日本の霊は普通の人には見えないことがほとんどで、
何かを操ったり、体を乗っ取ったりすることが多いけど、
本作(アメリカ)のは一般人にも見えてるようだし、やってることも暴れたり壊したりと、モンスターそのもの。
(が、故に『MIB 』と被るのだけどね。)

文化の違いって、オモシロイです。

話の展開も、設定も、シンプル且つ王道。
特筆すべき新しいものはないかな、という感じですが、
その辺もB級映画の醍醐味というか、
それが逆に心地良いというか、安心して見れる感じ。
とはいえハリウッドアクションなので、映像に迫力はあり、飽きずに見れます。
あと、コメディ要素も安定しており、適度に笑えます。
1つだけ、最後のシーン。もうちょっとインパクトが欲しかったな、というくらい。
(超個人的な思いつきですが、
蛭子さんとかだったら面白いんじゃなかろうか、と。日本的ウケだけは確実だよ。)

登場人物については、ジェフ・ブリッジスは言わずもがなですが、
主役のライアン・レイノルズが、個性面でちょっと物足りない。
ジェフが強烈な分、普通にしたのかもしれないけれど、
地味になり過ぎてしまっていて、非常に残念です。
特にイケメンなわけでもないから、どうせなら、逆に個性的にしちゃえば良かったのにね。
あとは適役、安心と安定のケヴィン・ベーコン。
この人悪いよねえ、顔が(笑)。ホントいい味出してました。


Yahoo映画レビューを見ると、点数的には『SPEC』と差がないし、
CM見る限り、あまり選んで観るタイプの映画ではないと思います。
DVDでも十分かもしれませんので、すげー面白いから絶対観て!!!とは言いませんが、
期待値以上でも以下でもなく、娯楽映画として楽しめる作品なので、良ければ是非。