本日、快晴。

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箱入り息子の恋【映画】

2013年06月24日 | 【映画】
最近、星野源の露出が増え、
薄顔好みのあたしのミーハー根性が出てきています。
顔は好きな方ですが、演技はそれ程多く見たことはなくて、
どうなんだろなあ、と思いながら見に行きました。

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市役所に務める35歳の健太郎(星野源)は
これまで女性と付き合った経験もなく、いまだに実家で両親と暮らしている。
父(平泉成)も母(森山良子)も息子を気遣い、
親同士が子どもに代わって相手と対面する「代理見合い」への出席を決める。
そこで今井夫妻(大杉漣、黒木瞳)と知り合った健太郎の両親は、
目が不自由な彼らの娘奈穂子(夏帆)のことを知り……。
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これ、良いです。本当に。相当すきです。


目立つ展開や、奇抜な設定などはなく、
普通の「箱入り息子」が「恋」をする話だと思いますが、
雰囲気とか、セリフとか、
奇をてらわない、スタンダードさが、とても良い。

こういうジャンルの映画をベタ褒めすることは少ない相方が、
「シリアスとコメディのバランスが絶妙。」と大絶賛でした。

お涙頂戴の純愛ものにならず、
茶化したコメディにもならず、
ただただ、2人の恋の始まりを丁寧に描いています。
そのさじ加減がね、本当に絶妙なんですよ。


ヒロインが盲目ということで、
必要以上に道徳的にならないか、ということは不安だったのですが、
それも杞憂に終わりました。
特に印象的だったのは、「人が人を判断するのは、目が見える人だけだ」という
星野源演じる健太郎のセリフかな。
1つ1つ搾り出された言葉に偽善的な要素は1ミリも無くて、
すんなり入って来ました。

また、映画の中で、シーン転換によっては説明不足に見えるところもありましたが、
敢えて説明を加えない感じも個人的には好きでした。
しかもこの映画においては、全てぴたっとはまっています。
観客が、無理なく察することが出来るというか。

一番好きだったのは、写真の吉野家のシーン。
左利きの菜穂子と右利きの健太郎の肘がぶつかってしまうことを気にして、
そっと健太郎が逆隣の席に移動するんです。
その後健太郎が発した声で、菜穂子が「あれ?」と言うんだけど、それ以上の説明はなし。
押し付けがましさとか、不自然な感じはなく、健太郎の人柄が伝わるシーン。
あたしはここで、ああ、この映画は良作だと確信しました。

他にも、ここも!ここもね!!これもなの!!と、
挙げたくなる名シーンが、本当に沢山ありますが、長くなるので自重。
ていうか、見て!!!!


“ここはこういうシーンですよ”という説明のしかたって
色々とあると思うんですが、
説明不足になっても伝わらないし、過剰すぎてもクドくなり白けてしまう、
非常に難しいところだと思うんです。

そこのところ、この映画は凄くバランスが良いんです。
ひとえに、練られた脚本と、丁寧な演出によるものかなと思いました。

唯一、ラブシーンだけはちょっと生々しくて気恥ずかしくなるのけど、
それもコメディに変えてしまう辺り、監督の狙い通りなのか…。
そのバランスも絶妙でした。


キャスティングも良いですね。
星野源、タメなんですが、とても良いです。絶妙にイケてない(笑)。
キレイにしてたら、そこそこサッパリしてるのに、
メガネと仕草だけで、ああもなるものかと。
(相方は、若干上がっていた星野氏の容姿の評価が、また下がったそうです(笑)。ビバ、役作り。)
夏帆は、確かに可愛いです。清純です。
でも、このヒロインは、清純派で可愛いだけでは出来ないと思うし、とても良かったと思います。
W両親はもう言うことなし。
相当、豪華キャストだと思うんですが、
1人1人が自分の立ち位置で、自然に存在していたと思います。
あとは、同僚役の穂のかがとても良かったです。
二世タレントで出てきたようですが、
こういうキャリアの重ね方をして、良い女優さんになってほしいなと思いました。


一見、目立つ映画ではないのですが、
書き始めたら褒め倒してしまうくらい、今年見た中でもかなりの良作です。
自信を持ってお薦めできますので、良ければ是非。

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