9/24に完成披露試写会があったようで、2日遅れの一般試写会で鑑賞しました。
公開は、10/5(土)になります。日数あんまりないから書いちゃいますね。
Yahoo映画では、すでに2.5点という酷評ですが、
良く悪くも注目度が高く、アンチに攻撃を受けやすい監督ですから、その辺は仕方なし。
正直、公開日もスルーしていたくらいで、私の中のハードルは5センチくらいでしたから、
考えようによっては、相当甘い評価かもしれません。
ちなみに相方は、私よりも期待していたようで、激怒しながら帰りました(笑)。
私はまあ、面白くはなかったのだけど、色々と理由はあって、以下後述。
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片山(大森南朋)は誘惑に負け、
1年という期限付きでミステリアスなクラブへの入会を決意する。
入会の際の条件は、たとえ何があろうとも途中で退会することはできないという内容だったが、
当初彼はそのことをまったく気にも留めていなかった。
その後、彼の人生には次々と型破りで魅力的なキャラクターの女性たちが出現するようになり……。
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SMクラブにハマったものの、徐々にエスカレートしていく所業に
どんどん振り回されていく男の不条理劇、みたいな感じです。
現段階での個人的評価としては、
「しんぼる」>「R100」>「大日本人」>「さや侍」って感じかなあ・・・。
この辺は好みの問題もあるとは思うけど。
つっこみどころは細かく挙げればキリがないのだけど、
全体的には、"どこかで観た"感が満載の映画でした。
別にそれ自体は悪い訳じゃないんだけど、結構あからさまに憧れてる感じが滲み出ていて、ちょっと残念だったかな。
裏を返せば、オリジナリティで勝負してほしかったねと。求められている人は大変だけどね、こういうハードル。
ちなみに私は、音の使い方にギャスパー・ノエ、タイトルとか映像描写に園子温、の要素を感じ取り、
相方は、節々に北野武に憧れてる感がすげえ、と言ってました。気づく人はもっと気づくかも。
物語はSMを題材にし、且つ先が見えない展開を狙っているとは思うんですが、
ちょっと足りないなと思ったのが、主軸要素となるSM描写の甘さと順番。
相方は『冨永愛のシーンで、これはちょっと面白くなるかも、と期待した』らしいのですが、
私はお寿司屋さんシーンで、あれ?これは良いんじゃない?と思いました。
正直、電話ボックスの周りを走る、とか発想も映像も面白いし、これも良かった。
なのに。
ここまでやっておきながら、後半のSM描写は暴力、しかも王道なムチに蝋燭に・・・って。。。
勿体無いよ、すごく。ネタ切れかな?とさえ思ってしまう。それなら、最初にムチにしておけばよかったのに。
しかも、後半に出てくる女王様が、大地真央と片桐はいりと渡辺直美。
あれあれ?「笑ってはいけないシリーズ」ですか?と。
しかも、はいりちゃんの技って、もうあれ、反則ですよね。
それと、これは笑いどころのネタなので多くは書かないけど、
このSMクラブ「ボンテージ」の女王様にはそれぞれ個性(使う技??)があるんですが、
実際にその技をやるより前に、説明テロップ見せたらダメでしょう。具体的には渡辺直美ね。
やること分かってて、さあ笑え!て、ダチョウ倶楽部くらいでしょう、出来るの。
(あと、個人的にこの下りは、生理的に受け付けず、音楽と映像に凝ってるのは分かったけど、如何せん超不快でした。)
キャスト関連で言うと、前述の大地真央・片桐はいりの件はさておき、
逆に、寺島しのぶの起用は良かったと思います。
今までに無い印象の人を当てるのは、この映画においては意外性要素として正解かなと。
逆に渡辺直美は失敗ね。正直、いつ椿鬼奴とか友近が出てくるか、ていう空気がしちゃうので・・・。
(断っておくと、渡辺直美のせいでは決してないです。彼女は与えられた役割を100%こなしていたので。)
それと、渡部篤郎のキャラクター。せっかく面白いのに、最後完全に投げっぱなしで、非常に残念。
エンディング後の風景に、一瞬映るだけでも面白かったと思うんだよなあ。ダメかなあ。
松尾スズキも適材適所でしっかり仕事してました。似合うよね、ああいう役。
あとCEO(何のこと?という感じかもしれませんが本編で観て下さい。)のキャストは、
もっとエレガントで揺るぎない感じの人が良かったです。万人から納得されるくらいの絶世の美女クラス。
個人的には、キャサリン・ゼタ・ジョーンズとか、モニカ・ベルッチとか。
(相方は『あそこは浜ちゃんが良かった』と言ってましたが(笑)。)
1人1人書いてたらそれこそ延々と記事が長くなってしまうので、ここらへんでやめときますか。
あ、もうひとつだけいいすか。
松ちゃん本人も出演しているのですが、この役はわりと面白かったです。
でも私は、こっちが浜ちゃんだったら面白かったのに、と思いました。
M・ナイト・シャマランよろしく(これは相方が言ってた。)、自分で真意を喋っちゃうあたり、
あーあー、とは思いましたが。
ちなみに、褒めるところもあるんですよ。最後の木小屋のシーンとか。
「笑ってはいけない」みたいに爆発でもすんのか、と思ったら、
五線譜からの『歓喜のうた』、という流れは良かったです。最初の冨永愛との会話とも繋がるし。
"繋がる"という点で言うと、奥さんとの会話の中で、
息子が欲しいと言ったものを口走るんですが、これも一応繋がる展開はあります。
伏線、というには分かりやすいですが、
多少無理はあっても、映画として作品をまとめようとした姿勢は評価できます。
そして再びツッコミ再開。
物語の展開について、2つ。
まず1つ目は『Mは突き詰めるとSになる。Sは更に強大なSに出会うとひれ伏し、新たな扉が開く』的なことを
松尾スズキが言うんですよ。
『新たな扉』までなら良かったのに、ここからの展開が、もう…ね。(ネタバレなので控えます。)
無いなー…、と思いました。
常識を超えるのもフィクションならばあり、てこと?にしても無いよ。
2つ目は、途中に何回か挟む、喫煙所のシーン。
これは、ネタバレに当たるかもしれないので微妙にオブラートに包みます。
この場面では、この作品(と推察される)に対して観客が抱くであろうツッコミどころを、
敢えて言葉に出して指摘しています。
前述した、はいりちゃんの"反則"技の件とかも含めね。
(まあ、そのツッコミ自体もそこじゃねえだろ的な感じなんですが。)
覚書として書いておくと、あのシーンは監督のメッセージですよね。
監督の顔の波紋で気づく方も多いと思いますが、
「批評家や観客からの批判でさえも、"M"な監督(=俺)には喜びとなるんだぜ。」という。違うかな。
メッセージ自体は、この映画の中に込めるものとしてはアリなんですが、
残念ながら、あの場面の数自体は多過ぎてしつこいです。
この映画の上映時間は100分、という狙ったような数字なわけで、
ぶっちゃけ時間合わせに付け足したのかなとも思うんですよ。
実際エンドロールの後なんかは絶対、数秒間の時間稼ぎだと思うし。
ちなみにこの場面については、相方は別視点から激怒していて、
『"この映画にはこういうツッコミどころがありますが許してね"的な言い訳に聞こえる。
なら最初からやるんじゃねえ!!!』と。
なるほどそういう見方も出来るな、と思ったら、
自分で自分を笑い者にして保険をかけている感じが、ちょっと上から目線にさえ感じられてしまうよね。
真意の程は分からないけど、
いずれにしても、良い演出として受け取りにくかったのは確か。
(読み返して思ったけど、全然オブラートに包めてないですね。笑)
とまあ、公開前だというのに書き過ぎましたが、
よくある著名人の感想・推薦コメントを見る限り、
『見たことない』『新しい』『斬新』『センスありき』みたいな言葉が並んでいるので、
そういうことか、という気もします。
でも、フォローするわけじゃないけど、
今までの松本人志監督作品の中では、一番"映画らしい"映画だったように思うので、
見ない方がいい、とは思わないです。
但し、ハードルはくれぐれも下げて、どうぞ。
公開は、10/5(土)になります。日数あんまりないから書いちゃいますね。
Yahoo映画では、すでに2.5点という酷評ですが、
良く悪くも注目度が高く、アンチに攻撃を受けやすい監督ですから、その辺は仕方なし。
正直、公開日もスルーしていたくらいで、私の中のハードルは5センチくらいでしたから、
考えようによっては、相当甘い評価かもしれません。
ちなみに相方は、私よりも期待していたようで、激怒しながら帰りました(笑)。
私はまあ、面白くはなかったのだけど、色々と理由はあって、以下後述。
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片山(大森南朋)は誘惑に負け、
1年という期限付きでミステリアスなクラブへの入会を決意する。
入会の際の条件は、たとえ何があろうとも途中で退会することはできないという内容だったが、
当初彼はそのことをまったく気にも留めていなかった。
その後、彼の人生には次々と型破りで魅力的なキャラクターの女性たちが出現するようになり……。
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SMクラブにハマったものの、徐々にエスカレートしていく所業に
どんどん振り回されていく男の不条理劇、みたいな感じです。
現段階での個人的評価としては、
「しんぼる」>「R100」>「大日本人」>「さや侍」って感じかなあ・・・。
この辺は好みの問題もあるとは思うけど。
つっこみどころは細かく挙げればキリがないのだけど、
全体的には、"どこかで観た"感が満載の映画でした。
別にそれ自体は悪い訳じゃないんだけど、結構あからさまに憧れてる感じが滲み出ていて、ちょっと残念だったかな。
裏を返せば、オリジナリティで勝負してほしかったねと。求められている人は大変だけどね、こういうハードル。
ちなみに私は、音の使い方にギャスパー・ノエ、タイトルとか映像描写に園子温、の要素を感じ取り、
相方は、節々に北野武に憧れてる感がすげえ、と言ってました。気づく人はもっと気づくかも。
物語はSMを題材にし、且つ先が見えない展開を狙っているとは思うんですが、
ちょっと足りないなと思ったのが、主軸要素となるSM描写の甘さと順番。
相方は『冨永愛のシーンで、これはちょっと面白くなるかも、と期待した』らしいのですが、
私はお寿司屋さんシーンで、あれ?これは良いんじゃない?と思いました。
正直、電話ボックスの周りを走る、とか発想も映像も面白いし、これも良かった。
なのに。
ここまでやっておきながら、後半のSM描写は暴力、しかも王道なムチに蝋燭に・・・って。。。
勿体無いよ、すごく。ネタ切れかな?とさえ思ってしまう。それなら、最初にムチにしておけばよかったのに。
しかも、後半に出てくる女王様が、大地真央と片桐はいりと渡辺直美。
あれあれ?「笑ってはいけないシリーズ」ですか?と。
しかも、はいりちゃんの技って、もうあれ、反則ですよね。
それと、これは笑いどころのネタなので多くは書かないけど、
このSMクラブ「ボンテージ」の女王様にはそれぞれ個性(使う技??)があるんですが、
実際にその技をやるより前に、説明テロップ見せたらダメでしょう。具体的には渡辺直美ね。
やること分かってて、さあ笑え!て、ダチョウ倶楽部くらいでしょう、出来るの。
(あと、個人的にこの下りは、生理的に受け付けず、音楽と映像に凝ってるのは分かったけど、如何せん超不快でした。)
キャスト関連で言うと、前述の大地真央・片桐はいりの件はさておき、
逆に、寺島しのぶの起用は良かったと思います。
今までに無い印象の人を当てるのは、この映画においては意外性要素として正解かなと。
逆に渡辺直美は失敗ね。正直、いつ椿鬼奴とか友近が出てくるか、ていう空気がしちゃうので・・・。
(断っておくと、渡辺直美のせいでは決してないです。彼女は与えられた役割を100%こなしていたので。)
それと、渡部篤郎のキャラクター。せっかく面白いのに、最後完全に投げっぱなしで、非常に残念。
エンディング後の風景に、一瞬映るだけでも面白かったと思うんだよなあ。ダメかなあ。
松尾スズキも適材適所でしっかり仕事してました。似合うよね、ああいう役。
あとCEO(何のこと?という感じかもしれませんが本編で観て下さい。)のキャストは、
もっとエレガントで揺るぎない感じの人が良かったです。万人から納得されるくらいの絶世の美女クラス。
個人的には、キャサリン・ゼタ・ジョーンズとか、モニカ・ベルッチとか。
(相方は『あそこは浜ちゃんが良かった』と言ってましたが(笑)。)
1人1人書いてたらそれこそ延々と記事が長くなってしまうので、ここらへんでやめときますか。
あ、もうひとつだけいいすか。
松ちゃん本人も出演しているのですが、この役はわりと面白かったです。
でも私は、こっちが浜ちゃんだったら面白かったのに、と思いました。
M・ナイト・シャマランよろしく(これは相方が言ってた。)、自分で真意を喋っちゃうあたり、
あーあー、とは思いましたが。
ちなみに、褒めるところもあるんですよ。最後の木小屋のシーンとか。
「笑ってはいけない」みたいに爆発でもすんのか、と思ったら、
五線譜からの『歓喜のうた』、という流れは良かったです。最初の冨永愛との会話とも繋がるし。
"繋がる"という点で言うと、奥さんとの会話の中で、
息子が欲しいと言ったものを口走るんですが、これも一応繋がる展開はあります。
伏線、というには分かりやすいですが、
多少無理はあっても、映画として作品をまとめようとした姿勢は評価できます。
そして再びツッコミ再開。
物語の展開について、2つ。
まず1つ目は『Mは突き詰めるとSになる。Sは更に強大なSに出会うとひれ伏し、新たな扉が開く』的なことを
松尾スズキが言うんですよ。
『新たな扉』までなら良かったのに、ここからの展開が、もう…ね。(ネタバレなので控えます。)
無いなー…、と思いました。
常識を超えるのもフィクションならばあり、てこと?にしても無いよ。
2つ目は、途中に何回か挟む、喫煙所のシーン。
これは、ネタバレに当たるかもしれないので微妙にオブラートに包みます。
この場面では、この作品(と推察される)に対して観客が抱くであろうツッコミどころを、
敢えて言葉に出して指摘しています。
前述した、はいりちゃんの"反則"技の件とかも含めね。
(まあ、そのツッコミ自体もそこじゃねえだろ的な感じなんですが。)
覚書として書いておくと、あのシーンは監督のメッセージですよね。
監督の顔の波紋で気づく方も多いと思いますが、
「批評家や観客からの批判でさえも、"M"な監督(=俺)には喜びとなるんだぜ。」という。違うかな。
メッセージ自体は、この映画の中に込めるものとしてはアリなんですが、
残念ながら、あの場面の数自体は多過ぎてしつこいです。
この映画の上映時間は100分、という狙ったような数字なわけで、
ぶっちゃけ時間合わせに付け足したのかなとも思うんですよ。
実際エンドロールの後なんかは絶対、数秒間の時間稼ぎだと思うし。
ちなみにこの場面については、相方は別視点から激怒していて、
『"この映画にはこういうツッコミどころがありますが許してね"的な言い訳に聞こえる。
なら最初からやるんじゃねえ!!!』と。
なるほどそういう見方も出来るな、と思ったら、
自分で自分を笑い者にして保険をかけている感じが、ちょっと上から目線にさえ感じられてしまうよね。
真意の程は分からないけど、
いずれにしても、良い演出として受け取りにくかったのは確か。
(読み返して思ったけど、全然オブラートに包めてないですね。笑)
とまあ、公開前だというのに書き過ぎましたが、
よくある著名人の感想・推薦コメントを見る限り、
『見たことない』『新しい』『斬新』『センスありき』みたいな言葉が並んでいるので、
そういうことか、という気もします。
でも、フォローするわけじゃないけど、
今までの松本人志監督作品の中では、一番"映画らしい"映画だったように思うので、
見ない方がいい、とは思わないです。
但し、ハードルはくれぐれも下げて、どうぞ。