@渋谷シネパレス
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15歳年上の佐野陣治(阿部サダヲ)と
共に生活している北原十和子(蒼井優)は、
下品で地位も金もない佐野をさげすみながらも、
彼の稼ぎに依存し自堕落に過ごしていた。
ある日、彼女は8年前に別れ、
いまだに思いを断ち切れない黒崎に似た
妻子持ちの男と出会い、彼との情事に溺れていく。
そんな折、北原は刑事から黒崎の失踪を知らされ、
佐野がその件に関係しているのではないかと不安を抱き……。
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お姉ちゃんの言葉が刺さる。
「浮気する男は死ねばいいのに」
誰にも共感出来ないけれど、
全員の気持ち、何となく理解できるところもあり。
ストーリー自体は予測していたのだけど、
演出と編集ありき、という前提でも、
阿部サダヲの演技力による陣治の見せ方が見事。
不潔な情けなさでさえ、
愛おしく見えてくる、最後の10分。
180度違った見え方をする物語構成が見事。
原作なのか、演出なのか、編集なのか、
或いは全てか。
いや、お見事。
蒼井優も、勿論素晴らしかったけれど、
この映画での阿部サダヲは、
もっと評価されるべきでしょう。
まあ、すでに高く評価されてる人ですが。
最後のモノローグは不要かなと思ったけど、
あの言葉で、少し救われる気もするから、
あれはあれで、アリなのでしょう。
今年、本作よりも良い邦画は少ないのでは、と
個人的には、思います。
是非はさておき、
まごう事なき“愛”の映画でした。
同じ原作者の作品として
少し前に観た「ユリゴコロ」と比較しても、
優劣はつけ難いですが、
ストーリー的な好みで、分かれそうですね。
あっちは救いがあるけれど、
こちらは、ほとんど無いので。
実は私は、こっちの方が好みだったりします。
歪んでますね、全く。
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