本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

麒麟の翼【映画】

2012年01月31日 | 【映画】
「新参者」の最新作を観ました。

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腹部を刺された状態で8分間も歩き続け、
東京・日本橋の麒麟(きりん)の像の下で息絶えた男性。
一方 、容疑者の男は逃亡中に事故に遭い、意識不明の重体となる。
日本橋署の加賀恭一郎(阿部寛)は事件を 捜査するにつれ、
関係者の知られざる一面に近づいていく。
被害者はなぜ必死で歩いたのか、
はたまた加害者の恋人が彼の無罪を主張する理由とは……。
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連続ドラマ「新参者」も、スペシャルドラマ「赤い指」も面白かったので、
こちらも期待して観ました。
裏切らない出来で、良かったと思います。
スペシャルドラマでもいいとは思うけど、まぁその辺は宣伝ですし。

それにしても東野圭吾はハズさない人だなぁ。
どれを読んでもそこそこ面白いので、すごい才能だなと思います、ほんと。


「麒麟の翼」に関しては、
最初から見えていた筋書きと、
途中から見えてきた筋書きとが重なり、
謎を解いていく、というミステリーとしては王道な展開ですが、
そこにヒューマンドラマの要素が加わることで、
バランスのいい映画になってました。
謎解きだけじゃ、面白くないのがミステリー映画ですよね。

加賀さんは寡黙な刑事で、個性的な熱はないけど
静かな人情が感じられるのがいいですね。
スタイリッシュぶってるどこかのガリレオよりは(言っちゃってるよ)、断然好きですね。
今回も、彼の言葉が重かったです。


向井理はキャストに名前なんかいらないんじゃない??程度の出演でしたが、
それだけ目をつぶれば、キャスト陣はやはり豪華で良かったです。
松坂桃季くんが非常にイケメンで目の保養だったけど、
逆にガッキーの彼氏役の三浦君は、若干物足りなかった。これはあたしの好みね。

こういう映画は役者が一人だけ突出するとまとまりが無くなるし、
犯人が予想出来てしまうんですが、
大御所でも抑えた演技が上手な人が多く、最後まできれいに話を持っていった感じです。

本当に面白かったです。


ガリレオ然り、加賀恭一郎然り、
新作が出れば、そのメディアミックスが必ず見込める東野圭吾は、本当に天晴れですね。
前者なドラマは余り好きなシリーズではないですが、
(ガリレオのキャスティングがちょっとね…。)
阿部ちゃんはハマっているので、今後の新作も楽しみです。

「新参者」ドラマシリーズが好きだった方で、
向井理ファン以外(あんまり出てないから期待するとがっかりすると思うので)の方には、
本作、オススメです。

ロボジー【映画】

2012年01月30日 | 【映画】
矢口史靖監督の最新作を観てきました。

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弱小家電メーカー、木村電器に勤務する小林、太田、長井の3人は
間近に迫るロボット博での企業広告を目的に 、
二足歩行のロボット開発に奔走していた。
しかし、発表直前の1週間前にロボットが大破してしまう。
慌てた3人はとっさの判断で、
一人暮らしの頑固老人・ 鈴木(五十嵐信次郎)を
ロボットの中に入れて出場したところ、
鈴木の奇妙な動きが絶賛され……。
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あたしはキライじゃなかったけど、
過去の矢口監督作品がわりと好きな相方にとっては
ちょっと物足りなかったみたいです。

ロボットの中におじいちゃんが入る、という設定は、
CMですでに分かっているので、
その後の展開をどうするのかなと思ったんですが、
ヒロインの使い方も上手だったし、
笑いあり、涙は…あんまりないけど、全体的にキレイにまとまってたと思います。

ただまぁ、登場人物があまり魅力的じゃないのが
ちょっと残念だったかなー。
主役のおじいちゃんが、どうも好きになれなかった。
なので、典型的なガンコ爺を表現したのであれば、
演技力も演出も大成功だと思います。


「アドレナリンドライブ」は見れてないんですが、
矢口監督の作品は、「ウォーターボーイズ」以降の長編は観ています。
ハートフルなヒューマンコメディ、という安定した作風が
非常に好感が持てて、失敗作が少ない監督だという印象です。

「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」のように、
分かりやすく成長し、最後に見せ場(発表の場)がある映画と違って、
「ハッピーフライト」や「ロボジー」は、
起承転結が平坦な流れになっているので、
2時間が、少し長く感じてしまうのは、仕方ないのかなとは思いました。

あたしは分かりやすくテンションの上がる前者が好きですが、
この辺は好みだと思います。
むしろ、平坦な起承転結の流れでも、そこそこ笑って泣ける、という作風は
非常に難しいと思うし、矢口監督は上手だと思います。


どっかんと沸くことはなかったけれど、
そこそこ楽しめる映画としてはオススメです。


数打つ監督ではないので、次回作は少し先かもしれませんが、
でも、また観たいなー、ウォーターボーイズみたいな映画。

ヒミズ【映画】

2012年01月23日 | 【映画】
年初一発目はド重い映画を見てきました。
「冷たい熱帯魚」「恋の罪」に引き続き、
精力的に新作を撮っている園子温監督作品です。


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どこにでもいる中学3年生の住田祐一(染谷将太)の夢は 、
成長してごく当たり前のまっとうな大人になること。
一方、同い年の茶沢景子(二階堂ふみ)の夢は、
自分が愛する人と支え合いながら人生を歩んでいくこと だった。
しかしある日、2人の人生を狂わせる大事件が起き……。
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青春映画の金字塔、的な宣伝を見ますが、
それはちょっと大袈裟かなと。


あたしは原作未読なので、
まずは映画だけの感想をば。

主演二人は、若いから仕方ないのかもだけど、個性の表現が薄く、
そこを想像で補うしかないとなると、その行動に至る原因とか根拠とか、
不足に感じる部分もありましたが、荒削りながらも良い演技をしていると思います。
脇役については言うことなしです。相変わらず、でんでんが良い味。
窪塚は、せっかく窪塚なんだからもっと観たかったなぁ。

ストーリーの内容としては、前述している通り、
住田の個性の薄さを想像で補った上で、
クズに囲まれている中学生男子が「立派な大人になるんだ!!」と豪語する理由は
何となく理解できました。
茶沢さんも、あの境遇ありきで
住田に何か通じる物を感じてストーカーしていたとすれば納得。
ただし、ちょっと投げっぱなしな設定が多かったのは残念。
ラストは賛否あるでしょうが、この設定であるならば、映画に関してはこれで良かったように思います。

然しながら、東日本大震災を題材として盛り込む必要性が、全く理解出来ず。
これがなければ、あたしの中ではもっと評価が高かったのに。
そこかしこに出てくる震災を思わせる風景や、挟み込まれている設定に
いちいち違和感を感じてしまい、ちょっと商業的な感じがしてイヤでした。

しかも、震災を題材にした上で、
『がんばれ!がんばれ!』って…。
メッセージとしては押し付けがましくないかなぁ。凄くイヤだった。。。



鑑賞後、ネットで原作マンガとの相違点を確認したんですが、
なるほど、だいぶ違っているようで。
(ここから先、ネタバレ含みますので、読みたくない人は飛ばして下さいませ。)




例えば、住田の性格。

原作の住田は、はどこか達観していて、
世間と自分との間に壁をしっかり作っているみたいだったけど
(原作自体は読んでないので、あくまで想像ですが)
映画は世間と自分を常に比べて「普通でいたい」と願っているし、
原作は一匹狼から、様々な大事な人に出会っていく設定のようだけど、
映画は最初から、結構大事な存在の人達に囲まれて、笑顔も見せたりしている。

あと、茶沢さんの家庭環境は、映画オリジナルとのこと。
そして夜野というキャラクターの設定も、震災ありきで変更されているらしい。




(ここ以下、完全ネタバレですよ!!!要注意!!!)


上記のほか、一番大きな相違点はラストシーン。
相方は映画を観終わった後、
「住田が死んで終わると思ってたのに。」と言っていましたが、
原作ではどうやらそうらしいです。死ぬんだって。
映画は違いました。自殺を思いとどまって、自首します。

以下、個人的な解釈ですが、
原作の住田は、いくら茶沢さんの存在があったとしても、いや、あるからこそ、
立派な大人になんて前向きに生きることは出来なかったんじゃないかな。
自分だって、言ってしまえばクズと同類になったことに失望していたのかもしれない。
茶沢さんの家庭環境の話がなければ、やっぱり違う種類の二人でしかなくて、それならば別れも必然かも。

ただ、映画については、
住田を(ちょっと偏っているとは言え)前向きな性格にしてしまったことと、
茶沢さんの家庭環境を最悪にしてしまったことで、
ヒロインの心のよりどころである住田を、殺す訳にはいかなくなったんでしょう。
何と言うか、観客目線で、救われなさすぎるし。ヒロインがね。

あとは無理矢理入れた震災の話もあるし、
メッセージ上、バッドエンドでは終われなかったんじゃないかな。
園子温監督の良心と取るべきかなとは、思います。


どちらかの是非を決める訳ではないですが、
原作の評価が非常に高い作品のようなので、
恐らく、映画には批判もあると思います。


個人的には、映画は映画として及第点かなと思いますが、
題材に震災を取り入れたことで、だいぶマイナス評価です。
原作には興味あるので、近いうちに読んでみたいと思います。


ちなみに。

エロとかグロとかの要素は、前作とは比較にならない位にライトなので、
見やすい映画だとは思います。
(賞レース意識したのかしら…。)
興味がある人は、見ごたえはあると思いますので、よければどうぞ。

今年はまだ一本も見てないのに。【映画】

2012年01月19日 | 【映画】
日本アカデミー賞のノミネート作品が発表になりましたね。

観た映画、観たいけど観れなかった映画、興味なかった映画と
色々とラインナップされていますが、
全体的に、やはり不作の年だったような気がします。
ちなみにキネ旬のランキングも発表されましたが、
良作はあれど、やはり地味な印象。


あくまでも個人的な感想で恐縮ですが、
非常に残念なのは、アニメ作品のラインナップ。
アニメ大国日本が、一体どうしたことか。今年公開作品に期待だなー。

あとは、主演男優・女優も何となく予想はつきますが、
「モテキ」の長澤まさみが入ってるあたり、人材不足感が。。。もっといたのでは…??
同じ若手として、「八日目の蝉」の井上真央と並べるには、若干失礼だと思います。

あと、新人俳優賞はどの基準なんだろう。。。
長谷川博己とか高良健吾とか、新人て感じで映画に出てる印象ないし、
俳優というくくりにしてほしくない人も一人いるし…。
(あ、これはだいぶ個人的な意見。失礼w)

まぁ、色々と言いたいことはありますが、
ラインナップが偏っているなという全体の印象は拭えませんね。
「八日目の蝉」が強いんだろうなと。


先日書いたマンガ然り、今回の映画然りですが、
賞レースというものは、得てして利権が絡むものがほとんどだと思ってます。
(そうであってはいけないんだけどね…。)

それでも、世の中に与える影響は決して小さくはないと思うし、
多かれ少なかれ、元気な話題が、エンタメ業界を盛り上げていくと思うので、
最大限の良心ありきで、長く続いて欲しいなとは思います。

目立たない作品は、それだけ人目に触れる機会も少ない訳で、
良作が埋もれてしまうことがないといいなと思います。

とまぁ、ただの一鑑賞者の独り言ですが。

まぁ、基準も評価も個人の価値観あってのものなので、
あたしは、あたしの感性で選んだランキング作品を大切に。

でも、結果は気になるので、一応授賞式もチェック。
そういうところは、あたしもまだまだミーハーだし、
世論にも左右されるのだ。

YahooやAmazonレビューも参考にしてるあたしが
偉そうに言えないっすね。



そういえば、日本にラズベリー賞はあるのかな。
こっちのノミネートは沢山浮かぶのに(苦笑)。

漫画×マンガ×まんが。【マンガ】

2012年01月18日 | 【マンガ】
慌ただしい年末年始もひと段落つきました。
毎年のことなんだけど、年初から全社イベントとかヤメテクレ。
秘書は、連日の社内パシリで疲労困憊中でございます。


そんな愚痴はともかく、
うかうかしている間に、世の中はマンガ関連の動きがありましたので、
書き溜めた記事もまとめて乗っかって、戯言を書かせて頂きますね。


【このマンガがすごい!】は年末に買って読んだんですが、
どうしても、ランキングの地味感を拭えず、再読もしてません。

そうこうしているうちに愛読書【オトナファミ】にて、
書店員さんの選ぶ漫画ランキングが発表され、
こっちの方が信憑性あるなという印象で熟読。
多少被ってはいるものの、こっちの方が読み物として面白かったです。

そして最近ノミネート作品が発表された【マンガ大賞】。
こちらは制限があるので、数が限られていますが、
一応信用している賞レースなので、発表を楽しみに待ちたいです。
(過去の受賞作は対象外なのかな。「3月のライオン」は去年かなり良かったので。)


ざっと見た限りの、超絶個人的な総評ですが、
HUNTER × HUNTER 」がやはりアツイですねー。

去年、復活で全国のファンが沸いたとのことを聞きますが、
出来の良さも然ることながら、
いつまた休止になるか分からないという綱渡り感(笑)にも翻弄されるんでしょうかね。
(たかが週刊マンガの連載再開が、Yahooニュースのトップというのがスゴイよ。)

「H×H」は、【オトナファミ】では堂々1位だったので、
やはり今年(去年?)最大の注目作だったんだろうなと。
相方が繰り返す『富樫(義博)は天才!!』発言も相まって、
とにかくとにかく読みたい度が高まっているので、近いうちに漫喫に籠ります。

【このマンガ~】に関しては(もしかしたら全部そうなのかもしれないけど)、
今後売りたい漫画をとにかく推している風なランキングでしたが、
何だか、ご飯系の漫画が増えたなぁと思いました。
都条例とかに引っ掛かりにくい、無難な題材だからかな??
もっとチャレンジしていこうぜー。(エログロ大好きなtanako・30歳。)
ちなみに、オンナ編1位は、絵が好みではないので読みません。

今年は、前々から気になっている「となりの怪物くん」だけは読みます。
ちはやふる」「夏目友人帳」も気になるけど、こちらは深夜アニメ録画で観てみよう。
あと、ちょっと気になる「鬼灯の冷徹」。でもなー、文字が読みにくいんだよなー…。
ギャグマンガは失敗すると大変なので、ちょっと様子見かな。

ちなみに、現在あたしが読んでいる作品の中では、
「3月のライオン」「銀の匙」は外さないと思います。
姉の結婚」は好き嫌いがあると思うけど、
個人的には「娚の一生」より、こちらの方が好きです。
進撃の巨人」もナンダカンダ面白い。実写映画化はどうかと思うけども。
アイアムアヒーロー」「君に届け」はちょっと落ち着いてきたかなー。
良作なので、今後の展開に期待。
あと敬愛する谷川史子先生の「清々と」は、ランキング関係なく(笑)オススメです。

実のところ金銭的な問題もあり、
いくつか切り捨てを図っている中で、
それでも、基本的には漫画ばっかりの毎日です。
三十路独女だけどそれが何だ。だってすきなんだもの。Byみつを。


さて。変なテンションの文章になってきたので、そろそろ〆ます。
次はそろそろ、新年一発目の映画記事を書きたい。観たい。


記事本文が長くなったので、
ランキングは別記事にて転載させて頂きますね。

今年も沢山読むぞー。そして本棚を買うぞー!!!