本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

ワン、ツー、さん、し。【季節柄】

2015年10月29日 | 【季節柄】
本日、34歳を迎えました。
皆様のおかげで、平穏無事な誕生日です。ありがとうございます。

この記事のタイトルを考えながら、
Googleで「34歳」と検索したら、何故かPCがフリーズしました。
その後Yahooで「34歳」と検索したら、こんな記事が。


女性の人生のピークは25歳、どん底は34歳のときに訪れるとの調査結果


百も承知だわ!!!、て感じの非常に内容の薄い記事でしたが、
ちょっとだけ、見透かされているようでビビりました。


四捨五入ラストイヤー。
来年からは「切捨て」という言葉を多用するであろう私。
・・・すでに逃げ腰です。

十の位の数字を、一の位の数字が超えるなんて、
心底どうでもいいことだけど、
23歳の時に感じた、ちょっとしたハードル。
次は45歳か。耐えられるのかな、私。自信ないな。


年齢を重ねるのがイヤ!というわけでは全くないのですが、
今年に限っては、色々なことが重なり過ぎてナーバスになっていたようで、
精神不安定感がハンパなかったです。
相方に、非常に迷惑をかけました。反省。猛省。猛烈に反省。


・・・実を言うと、
自身のストレス耐性には、結構自信があったので、
これは、少なからずショックでした。


なので今年は、
「決意」ではなく「持ち直し」の年にしようかと。


毎年毎年、課題の多い人生ではありますが、
欠点の無い人間なんていないよね、てことで、
今年は少し、自分に優しくしてみようと思います。

"甘やかし"ではなくね。

今までは、耐えて耐えて耐えて(主に仕事)いることを、
周りの誰かが労わってくれていたから、折れずに済んでいたけれど、、
さすがにこの年になったら、自分の精神状態くらい自分で面倒見ないとね。

周りの優しさに、無自覚に助けられていたなあ、とちょっと反省。
そして、改めて、感謝。

これからは、自分に優しく、周りにも優しく、出来る人間になりたい。
空気を読むのは相変わらず苦手ですが、
人に優しくするのは好きなので、そこをもっと前向きに頑張ろうかなと。


年齢を重ねると、その数字(年齢)で判断される"オトナ"の基準値が自動的に上がっていくけれど、
自分では、大人になった、なんて実感が無いから、
いつまで経っても、不安で仕方ありません。

果たして自分は、世間一般的な"34歳"の基準値に達しているのか・・・?

恐らくは、否。

でもせめて、その基準値に少しでも近くありたいとは思っているので、
ハタチの頃から変わらないなあ、という頭を少し切り替えて、
「持ち直し」て過ごしていければ、と思います。

「甘やかす」のは簡単だけど
「優しくする」のって、結構骨が折れると思うんですよ。
なので私の、『どん底』と称される(笑)34歳は、ある意味試練の1年。


めげずに、折れずに、自分の足で立って、前に進みます。
・・・まあ、強くなり過ぎも、女性としてどうかとは思うのだけれど。


忘れないように毎年書いてますが、
今年も例に漏れず、思い出しています。

・悲観して生きるのを止めてから、人生が楽しくなったこと。
・「人生を楽しんでる感が分かる気持ちのよい人」として見えていること。

今もそう見えるかは分からないけれど。
気持ちは、前向きに。どうせなら、日々楽しく。


皆様、今後ともどうぞ宜しくお願いします。
2015年10月29日 tanako

ロマンス【映画】

2015年10月26日 | 【映画】


@新宿武蔵野館

タナダユキ女史は、
「百万円と苦虫女」が、オールタイムベスト級に大好きな私にとって、
欠かすことの出来ない映画監督の1人です。
(超個人的な思い入れもあり。)
「苦虫女」以来、久々のオリジナル脚本ということで、
本当に本当に、楽しみにしていました。

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鉢子(大島優子)は、特急ロマンスカーで
アテンダントとして車内販売を担当している。
その日も彼女は新宿駅を出発するロマンスカーに乗り込み、
いつも通り真面目に仕事をこなしていた。
するとどこから見ても怪しげな
自称映画プロデューサー(大倉孝二)が乗っており……。
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先に断っておきますと、
私の中で、女優・大島優子の評価は、かなり低いです。
「ウシジマ君」も「SPEC」も印象薄いし、
「紙の月」はあれ程評価されてる理由が分かりません。
(ちなみに、アイドルとして嫌い、というわけでは全くありません。)

インタビューで、"大島優子ありき"で製作されたいう記事を読んだので、
そこは覚悟して観に行きましたが、
用意された舞台に、きちんと乗っかっている、とは思いました。
まあ、俳優陣については後述で。


物語は、ロードムービーとしてはありきたりですが、
2人の登場人物の感情が、旅の中でで少しずつ見え、そして変わっていく過程は、
自然だし、そこそこリアリティがあったように思います。

本作は、箱根の地域プロモーション感満載ではありますが、
その要素を差っ引いても、脚本は丁寧に作られていると思います。
登場人物の会話とか、情景描写の自然さとか、
感情の移り変わり方とか、タナダユキの丁寧な演出が細部に感じられ、
私の好きな映画は、こういうのなのだと改めて実感した次第です。

演出について言うと、
脚本がどういう風に書かれているかは分かりませんが、
会話の流れが、とても自然です。
日常生活描写にわざとらしさが無い、て、意外と表現するのは難しいと思う。
タナダユキ監督は、それが抜群に上手いと思います。

ただまあ、その中でも、気になった点はいくつかあり、
それが、"主演・大島優子"故の要素なんじゃないかと邪推してしまうのが残念。
例えば、別にラブシーンの是非を問うつもりはないけれど、
"ワタシデキマス"アピールだけならば、あのシーンは要らないかなあ。
まあ、勝手な想像ですけどね。


個人的には、母親との確執と、ラストシーンの締め方はすごく好きです。
大荒れもないけど、大団円ともいかず、鑑賞後に少ししこりが残る感じ。
このビターなハッピーエンド感は、「苦虫女」に通じるものがありました。
いや、ハッピーエンドも好きなんだけどね。
タナダユキの作品は、こういうのもアリかな、と思わせてくれる雰囲気があるのです。
それがすき。


さて。

俳優陣についてですが、
何を置いても、本作は大倉孝二なしでは成立し得ない、
ということだけ強く言っておきます。
彼が当て書きかの如く、ハマッています。
実力の程は重々承知ですが、キャラと風貌と雰囲気がマッチしており素晴らしい。
脚本で狙った要素を、100%彼が表現していると思います。

が、故に。
正直、本作での大島優子は、大倉孝二にかなり助けてもらっている印象でした。
2人の空気感作りや、会話の掛け合いも含め。
彼女は当て書きされているから、キャラクターに不自然さは無いです。
ちらほら、つたない部分はあれど、作品を壊すようなこともなかった。
ただ、涙のシーンだけはすごく残念。本当に泣いているにしても小奇麗過ぎというか。
それまでのハチ子のキャラクターがどちらかと言うとガサツだったので、
泣くシーンでの違和感は半端無かったです。残念。
私自身の先入観もありますが、作品に恵まれたなあ、という印象なので、
次回作が、彼女の勝負かなあ、とは思いました。

ちなみに俳優陣について追記。
西牟田恵さんは、舞台中心に活躍しており、私も何度か観ていますが、
作品によって表情を変えるのがとても巧い方です。
美人も出来るし、そうでない役も出来る。
本作では、どちらの要素も兼ね備えながら、
その中にも愛情が垣間見える母親役、本当に素晴らしかったです。
それと、観客みんなが笑っていたシーンで、
良い感じの存在感を放っていた野嵜好美さん。
台詞回しが独特で、非常に面白い。癖のある、良い女優さんだと思います。
今後、邦画の脇役でどんどん見たいですね。活躍を期待。


主演女優に対する先入観マイナスイメージがありながらも、
ここまでの満足度に持ってくるタナダユキは凄い、と、改めて実感。

私のような色眼鏡・偏見ありきの人には、積極的には薦めませんが、
それでも、本作の大倉孝二は一見の価値ありだと思うので、
上映間に合うようであれば、是非多くの人に見てほしい作品です。

オススメです。

心が叫びたがってるんだ。【映画】

2015年10月25日 | 【映画】


@ユナイテッドシネマとしまえん

そこそこ話題になった「あの花」スタッフ製作のアニメですが、
私個人としてはノイタミナ「あの花」は全然響かなかったので、
正直あまり期待はしていませんでした。
が、Yahooレビューはずーっと高いままなので、
そこそこの興味での鑑賞。

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活発な少女だったものの、
ある事を話したことで家族がバラバラになった上に、
玉子の妖精にしゃべることを封印された成瀬順。
そのトラウマが心に突き刺さり、隠れるようにして生きていく。
ある日、通っている高校の地域ふれあい交流会の実行委員会のメンバーになり、
さらにそこで上演されるミュージカルの主役を務めることに。
困惑する順だったが、
メンバーの坂上拓実、田崎大樹、仁藤菜月と行動を共にするうち、
自分の中の変化に気付きだす。
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しゃべりが身を滅ぼす、なんて、
なんつー、"明日は我が身"的なテーマだよ!!と。
劇中お母さんが『貴方は本当に、口から生まれてきたのね~。』と言うんだけど、
完全に、私が人生で一番人から言われる言葉です。いまだにね。

・・・まあ、私は三十路過ぎても、順のようにトラウマ的な反省もできてないんだけどね・・・。

そんな話はさておき。

主人公・順のトラウマとなった出来事には同情しますが、
"口は災いの元"、と身に染みて理解している私にとっても、
あまり共感できる映画ではなかったです。

原因はいくつかあるんだけれど。

高校生が上演するミュージカル、て、そんなに熱くなるもんじゃなくない?という
ものすごいフィクション感により、
リアリティをもって心に訴えかける作品のはずが、
終始、ファンタジーのような、フワフワした雰囲気を払拭することが出来ず。

加えて、人間的な成長を、無理やり恋愛と絡めてしまったことにより、
またその恋愛を必要以上に群像劇化させてしまったことにより、
テーマとなる主軸がぶれてしまった印象。


心情の描き方は悪くないんだけど、
「え?」「は?」みたいに、ちょっと目につく点が多くて、
何だかとても勿体無く感じました。


あと、相方が言っていた点でなるほどと思ったのは、
せっかく歌・音楽を題材にしているのに、
ミュージカルのラストを、2曲重ねてしまうことによって、
どっちの音も聴こえず、何言ってるのか分かんない、と。
私は、何だか盛り上がらないなあ、程度にしか思っていませんでしたが、
確かに、この手法によって、せっかく練り上げた歌詞も聴こえず、
ここもものすごく勿体無い。


あと、人物像。

基本的には、群像劇なので登場人物の誰かしらに感情移入出来ると思うんだけど、
人物の魅力が伝わりにくい。

主役の順については、気持ちは分かるんだけど、後半の行動が伴ってないし、
拓実については、感情が読めないから仕方ないのかもしれないけど、はあああ!?て感じだし、
田崎は、最後の役割的な部分で、便利に使われただけの印象で、
菜月はもう、どうでも良いくらい薄い。
あとひどいのは、順の母。境遇に同情はするけど、大人気なさ過ぎでしょう。

登場人物には、それぞれに役割があり、立ち位置があり、それ自体は理解できるんだけど、
これがとても中途半端で、且つ一貫性を感じないが故に、魅力半減でとても残念。
強いて言うなら、クラスの女子生徒とかの方がよほど魅力的に見えてしまって、
これも何だかなああ・・・と思ってしまいました。


前述していますが、「あの花」(映画未見)が余り響かなかった私には、
まあ、こんなもんか、という程度の感想です。
号泣必至!!!みたいに宣伝されており、
すごく響く人もいるのは何となく理解できますが、個人的には普通かな。

ちなみに、「あの花」の映画を、とても良かったと評価していた相方は、
私以上にダメだったようなので、「あの花」が好きな人に必ず響くというわけでも無さそう。
その上で、興味がある人は、どうぞ。

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド【映画】

2015年10月07日 | 【映画】


@新宿ピカデリー

前編のレビューには『それでも後編でどうまとめるかによる』と書きました。

後編を観ないのも気持ち悪いし、
腰は、後回しにすればするほど重くなるに違いない、と
意を決して、観に行きました。後編。
実際、終わりよければ・・・と思っていたし、
公開初日で、変な先入観もなかったです。

だがしかし。だがしかし。
・・・やっちゃったなー、これ・・・。

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100年以上ぶりに現れた超大型巨人に多くの人間が捕食され、
生き残ったエレン(三浦春馬)は調査兵団の一員として外壁修復作戦を決行。
しかし巨人に襲われてしまい、アルミン(本郷奏多)をかばったエレンは
巨人に飲み込まれてしまう。
その直後、黒髪の巨人が出現し、
ほかの巨人たちを攻撃するという謎の行動を見せる。
人類の存続を懸けて彼らは巨人たちと戦い続けるが……。
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さて。何から書きますかね。悪い点しかありませんが。

第一に、物語の展開についてですが、
まあこうなるよね、という予想の範囲内で、意外性には欠けます。
別にそれ自体はおかしくはないんだけど、
演出が古臭い(これは前編から同じ。)のと、
ディティールの詰めが甘いのが、目に余ります。
端的に言うと、つっこみどころが多いというか。

白い部屋、とか。
巨人化バレバレ、とか。
壁上れば見えるんじゃね、とか。
何ここ、日本なの?とか。
石の塔の脆さ、とか。
人命の軽さ、とか。
ラブシーンの要否、とか。
前から狙われてるのに、みすみす討たれるとか。
爆弾の造りとか。
超大型巨人の背中の温度、とか。

まだまだあるんだけど、思い出せないのでこのくらいで。

最初から、声出してツッコミ入れながら観たり、
それこそ、ニコニコ動画ばりにコメント付きで観たら、
別の楽しみ方が出来るなあ、と本気で思いました。


余談ですが、
イライラが最高潮に達した私は上映中に声が出てしまい、
相方に怒られ、反省しました。
というのは、後述。


第二に、キャストについてですが、
前編ではまだアリかなと思っていた人物も、
登場シーンの少なさ(ミカサ)と、
不要な恋愛設定(アルミン)で、イマイチな印象。

これに加え、
前編でもナシだなと思っていた人物は、輪をかけてナシになっていました。
多分、演出が悪いのが最大の要因ではあるとは思います。思いますがね・・・。

エレンとシキシマは過剰演技がしつこいしずっと同じ調子だし。
サシャは大食いキャラが雑だし、恋愛要素いらないし。
(これについては、ななみちゃんのせいではないかもしれない。)

ハンジは、ネットで評価されてるみたいですが、原作トレースも出来てないと思う。
うるさいだけでは、指揮は取れないですし、
そういう意味では、ポジション的にも、キャラ的にもちょっと違うんじゃないかな。
ただ、本作に関してだけで言えば、
うるさい、という意味で、ハンジがまだマシに見えるくらい、
ジャンが、本当に本当に、酷かった。
工夫なく言うと、終始ウルサイし、邪魔しかしない。

前述した私の無意識のつぶやきは「うるさい・・・。」でした。


更に余談ですが、本作鑑賞後、
相方と私の間では、"ウルサイ"、"ウザイ"ことを、
『ジャン』という単位で表す遊びが流行っています。
相方曰く、本作でのジャンは『10ジャン』だそうです。
(そもそもの基準値がおかしいですがw)


一応役者さんの名誉のために書いておくとすれば、
それでもまだよかったのは、サンナギ(松尾諭)とソウダ(ピエール瀧)くらいですかね。
演技的にも、キャラ的にも、一貫していたし、良かったと思います。



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先日、ライムスター宇多丸氏が、ラジオで裏話としてお話しされていましたが、
本作は元々1本の作品として製作されていたけれど、
予算の都合で2本に分けられた、とのこと。

ただ、観客にとってはそんなこと関係なくて、
多い人だと、前後編観て、3,600円払っているわけです。

こんな映画のために、足を運んでくれている人に3,600円払わせる、
日本映画界の仕組みにも腹は立ちますが、
それでこれかよ!と、いう映画の出来で更に、腹が立ちました。

(ちなみに、同じことを「SPEC」の時にもかなり憂いています。)

それと、腹が立つと同時に、落胆もしました。

前編は、CGではなく特撮を使ったという点で評価に値すると思いましたし、
それでもうまくまとめられたら、原作とは別物として、1本の映画作品として、
観れるものになるんじゃないかと思っていました。

ある意味で、挑戦的な実写化作品だったとは思いますが、
原作に敬意を払っているかも疑わしいのに、
異なるラストにするにも、設定のディティールが甘いとか、
どうしても、話題先行で、ともすれば金儲けのために製作されたとさえ思えてしまうんですよ。

事実はそうじゃないかもしれないけれど、そう見えてしまうことが問題で。

芸術性と利益は、必ずしも相容れるものではないのかもしれないけれど、
それでも、1人の映画ファンとして、
劇場公開される映画作品が、利益重視でのみ製作されて
あまつさえ、原作となっている作品にさえも悪いイメージをつけてしまうとか。

私のような一般人に目に映る問題なんて、氷山の一角かもしれませんが、
今後もこういう風潮が続くとなれば、忌々しき問題であり、
日本映画界が衰退していくのかなと思うと、非常に残念です。


映画のレビューから脱線してしまいましたが、
配給会社・製作会社には、
メディアミックスの問題点を、きっちり洗い出して払拭してから、取り組んで頂きたい。

そして私達観客も、提示された作品群をしっかり見極めて、
"NO"を突きつけていかないといけないですね。

"観ない"という選択肢も含めつつ、今後に活かしていこうと思います。

(でも、観ないと分からないので、
私は"観ない"という選択肢は、極力とりたくないのです。)


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最後。
これから観に行こうかなと思っている人で、
検索したらたまたま私のブログにたどり着いた人。
そして、こんな長い記事を、飽きずに最後まで読んでくれた人へ一言。

Yahoo映画レビュー点数は低いですが、妥当な評価です。

余程、気になることがなければ、
前編観た方も、観なくて良いと思いますよ。
無料招待券とか、ものすごい時間的余裕とかある方は、覚悟してどうぞ。

キングスマン【映画】

2015年10月06日 | 【映画】


@ユナイテッドシネマとしまえん


溜め込んでます、鑑賞記録。
続々更新予定。予定は未定。


本作、公開されてすぐに見ました。
そもそも予告編を劇場で観た時から、
『これは絶対に面白いに違いない!!!』と思い、
公開を心待ちにしていたので、ハードルは俄然上がってました。

でも。

私にとっては結構な満足度だったので、
多分、期待せずに観た人にとっては、相当面白いはず。

しかしながら、恐らく人を選ぶであろう要素もいくつか散見されたので、
その辺は、好み次第というところでしょうか。


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ロンドンにある高級スーツ店「キングスマン」は、
実はいかなる国の干渉も受けない屈指のエリートスパイ集団だった。
ブリティッシュスーツを小粋に着こなす
紳士ハリー(コリン・ファース)もその一人で、
日々極秘任務の遂行に務めていた。
そんなある日、仲間が何者かに暗殺され、
彼は街で不良少年エグジー(タロン・エガートン)をスカウトする。
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そもそも、英国スパイムービーの代名詞といえば「007」ですが、
中でも、ピアーズ・ブロズナンのボンドが超絶好きな私にとって、
"英国紳士"+"スパイ"という題材だけで、
もうご馳走様という感じなのです。

コリン・ファースは、アクション主演は本作が初めてとのことでしたが、
あのスタイルで、動きのキレがハンパなく、
且つ、無表情でサラリとかわすスマートな感じが本当に最高でした。
ちなみに、エグジー役のタロン君もイケメンなので、画面的にも映えますし、
前半と後半もギャップもそこそこにあり、とても素敵でした。


しかしながら。
私が、鑑賞後大満足で帰った一方で、
同じくらい楽しみにしていた相方が、少し満足度が足りなかったようで。

中盤、長回しでのコリン・ファースのアクションシーンがあるんですが、
そのシーンで観客のテンションが上がります。ものすごいアツイんですね。
撮り方も構図もいいし、動きのキレも映像も最高で、
本当に素晴らしいシーンなんです。
「キック・アス」でもそうでしたが、アクション撮らせたら最高だなと、
マシュー・ボーン監督の実力を実感するシーンです。
ちなみに、その後の突然の展開と幕切れについても、個人的には好みでした。
なるほど、そういう風に辻褄を合わせるか、と。

ただ。ただね。
後半以降、これを超えるアクションシーンが無いんです。

エグジー君の見せ場となるアクションはもちろんあるんですが、
やはりコリン・ファースに比べると、劣って見えてしまう、というのが残念で。
順番が違えば、右肩上がりになったんですが、
物語の構成上、そうもいかないわけでして・・・。
相方は、概ね満足ながら、そこが若干消化不良だったようで、とても残念がってました。

仕方ないと言えば、仕方ないんだけどね・・・。

あと、冒頭で書いた"人を選ぶ"要素として、
グロ描写を避けたが故の、おふざけCGですかね。
観た人は分かるでしょうが、「模倣犯」のピースを思わせる演出。
(絶対にパクッてるわけではないだろうし、そもそもパクるような映画ではないが。)

確かに、あれはちょっと悪ふざけが過ぎるかなとは思ったけれど、
コメディ要素として、あれが限界じゃないかなと。
だって、園子温みたいにしたら、それこそジャンル変わっちゃうし、
何よりも、紳士的ではない。
そういう意味では、映画として映像として、より作風に忠実にした結果かなとは思いました。
スパイ・アクション・コメディとして、個人的には許容範囲です。

あとは、ラストのエグジー君の下品さについては、まあ仕方ないでしょう。若いし。
ジェームズ・ボンドのパロディ要素としては、面白かったです。



ちょっと気になる点はあれど、
テンポも良いし、アクションも魅せてくれるし、
総じて、面白い作品でした。大画面でもう1回見ても良いなあ。

続編は、舞台が日本で予定されているそうですが、どうやるんだろうね。
まあ、続編か、あわよくばシリーズ化もできそうなお話ではあるので、
クオリティの維持を期待して、楽しみに待ちたいと思います。


続けて記事更新していく予定ですが、
シネコンで、どれ観ようかなと迷って、
「進撃の巨人」(実写)のチケットを買おうとしている人は、
絶対に「キングスマン」にしといた方が良いですよ!!!