自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

マレー半島/ペナン島/イトヨリ鯛

2012-02-18 | 体験>知識

セイロン島からインド洋を真東に直進するとマレー半島のペナン島に突き当たる。
今では有数の国際リゾート地だが当時は接岸しないで貨物の積み下ろしをして
いただけのように記憶している。
唯一の思い出は釣りで仲間を出し抜いたことである。
なかまは雑魚しか釣れなかったが、わたしは美味で高価なイトヨリばかり釣り上
げた。
餌が違った。
可愛がられていたコックさんに貰った餌がイセエビだった。
みなで分かち合って楽しめばいいのに独りよがった。
市場で赤い体側に数条の金糸が走る糸撚鯛を見るたびに心が疼くほどではない
が後ろめたさを感じる。
いつになっても育ちが顔を出す。

日本商船と出遇ったのも確かではないがここだったと推測される。
サンフランシスコ講和条約で独立したとはいえまだ日ノ丸は掲げていなかった。
オランダ船長にたいする表敬訪問だったと思うが、大広間で日本人「引揚者]との
懇談会があった。
日本の現状について報告があったと思うが、時と所を替えた「勝ち組」と「負け組」
の顔合わせみたいでまったく盛り上がらなかった。
沈黙する乗客の暗い表情と若い幹部船員のパリッとした真白い制服を着こなして
希望に燃えた表情の対照が印象的だった。



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