自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

鵬翔高校サッカー場落雷事故で回想

2024-04-04 | 体験>知識

4月3日午後2時半過ぎ、宮崎市にある鵬翔高校サッカー場でピッチサイドに落雷があり、熊本から試合に来てウオームアップ中の鹿本高校の選手18名が負傷して救急搬送され、9人が入院、このうち、1人が意識不明の重体となっている。「その場の天候は、雨がぱらついてきたというくらいの状況だった。落雷音が全くしなかった。いきなりドンと(雷が落ちた)」 2日午後4時ごろから県内全域に雷注意報が出ていた。鵬翔高校教頭先生のインタヴィユー記事 mrt宮崎放送 配信 

鵬翔高校サッカー部といえば、わたしが高槻フットボールクラブの監督をしていたころ、ウチの卒業生が毎年入部していた。2013年には全国高校選手権で優勝実績がある強豪校である。

これも因縁か、わたしは2013年の8月18日に、その17年前の1996年に高槻市営グラウンドで起きた同様の重大事故を扱った記事をブログに投稿している。以下に再投稿する。参考にしてほしい。

なお、高槻市での事故を受けて、日本サッカー協会は、落雷事故防止対策の指針を定めてルールブックに掲載している。
「活動中に落雷の予兆があった場合は、速やかに活動を中止し、危険性がなくなると判断されるまで安全な場所に避難するなど、選手の安全確保を最優先事項として常に留意する」

「落雷事故と裁判 長居競技場落雷死/高槻市落雷失明」
2012年8月18日午後2時15分ごろ、去年の今日、長居公園南西入り口付近で樹木に落雷があり福岡県の20代の女性2人が病院に搬送されたが死亡した。
二人はEXILEなど人気アーティストの野外ライヴの入場を待っていて難に遭った。
さらに3時過ぎ会場前の同イヴェント・グッズ売り場の幟に落雷があり6人が軽傷を負った。
その後ライヴは1時間遅れで挙行された。
今年7月30日遺族は主催者に対して損害賠償訴訟を起こした。
[結果は上告審で棄却、遺族敗訴]

1996年8月13日、全国的に落雷対策を促す結果を招く重大事故が身近な高槻市で起きた。
市体育協会主催のユースサッカーフェスタで試合中の土佐高校の生徒が直撃を受け重篤な不治の障害を両眼と四肢に負った。
(財)市体育協会と土佐高校は保護者と損害賠償裁判で最高裁まで争って敗訴した。[保護者勝訴]
財団法人は銀行口座を差し押さえられ解散した。
延滞金を含めると5億円に近い賠償金のほぼ80%を土佐高校が負担した。

わがクラブは最初の稲妻、雷鳴で競技を中断、放棄することを心掛けている。
さらに中断、離脱の決定権を指導者だけでなく選手個人、その保護者にも与えている。
団体競技であるにもかかわらず個人の意思が優先される。

それでも危険回避が難しいと感じることがある。
逃げる間がなく逃げ場がないとき、たとえば上記長居事故のような場合、個人あるいは小集団の自助、共助だけではどうにもならない。
主催者の対応不足は論外だが、施設管理者[この件では大阪市]の無策を問わなくてもよいのか?
屋根のある全施設の門を開放して避難させる人道的責任を負わなくてよいのか。[この件では長居スタジアムは対応しなかった]
この件では施設を貸す側にもできることがあった、と確信している。
ちなみに避難小屋を兼ねる山小屋は緊急の場合定員に関係なく避難者を収容する。
逃げ場がないとき公共施設を開放する・・・これが常識になっていない。

マニュアル命のお役人と頭でっかちの裁判官たちはどう思う?



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