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夕方になると、隣のユダヤ人夫婦のもとには親戚一同らしき集団。真っ黒なスーツに
帽子をかぶってヒゲをのばしてる、いかにもユダヤ人なオヤジや、小さな子供たちが
ぞろぞろとやってきた。キャーキャーピーピーと子供は数人いるらしかった。
その中の一人が、まだ小さいのか「ベイビーよ、お人形じゃないの。そーっとさわってね」
と周囲の人たちが教えている声が聞こえた。あげくの果てには
「さぁ~記念撮影するわよーっ、みんな並んでぇ~っ」と撮影会がはじまったのである。
たしか病室への訪問客は、二人までと入り口に書いてあったはずだが・・・。
その間にも、電話がかかってきたり、かけまくったりしている彼女。産後なのに、
彼女は少しも休んでいない。ユダヤ人の女性ってタフだなぁ~。親戚や友達づきあいも
大切だけど、よく体力がもつものだ。私はシャワーを浴びに行ったりしてたけど、
戻ってみると、さらに隣には別の訪問客が来ていた。
そして10時に、ようやく訪問客が去っていった。それからも彼女は11時すぎまで
電話をかけていた。
ホリデーでナーサリールームのスタッフが少ないせいか、なかなか授乳の時間に
になってもベイビーをつれてきてくれないので、私は自分で双子を交互に運んだり
していたのだが、隣ベイビーはナーサリーに預けないで、ずーっと病室に寝かせている。
12時になると、彼女も眠くなったようでナースコールしていた。
ナースがやってくると、「今晩の夜中の授乳は、そちらでミルクをやってください」と
言ってベイビーをあずけている。
むむっ、なんだか慣れてるなぁ~。12時すぎからは、静寂がやってきた。
隣は、私が双子に母乳をあげたりミルクをあげたりしてても、トイレに起きても
物音ひとつたてず、死んだように寝ている。
朝の5時に、ナーサリールームのスタッフがベイビーを再びつれてきた。
と、突然、「は~い!」とカーテン越しに声。こんな朝早くから電話してるのか?
「は~い!私は隣のベッドにいるんだけど」と電話してるにしては妙なあいさつ。
「もしかして私に声をかけてるの?」と、とっさに答える私。
彼女は笑いながら、「そうよ、こんな朝早くに起きてるのは、私たちくらいしか
いないわよ」と言った。
「はじめての出産なの?」と彼女が問う。「二回目なんだけど、今回は双子だったの」
「わぁ~、双子なんだ。男の子女の子?」
「どっちも女の子よ」
「うちは、6人目なの」「えっ?ろっ、六人?」
「そうよ、上の5人は、ぜーんぶ女の子。で、今回とうとう男の子が産まれたの。
みんなには内緒にしてたからサプライズよ」
「あぁ~、だからあんなに子供たちが来てたんだぁ~、てっきり親戚の子供たち
だとばかり思ってたわ」
「ぜんぶ私の子供よ。上は7歳で、一番下の子が2歳なんだけど、まだ下の子は小さい
からベイビーをお人形だと思ったらしくて、持って帰るって言い出して(笑)」
私も笑いながら、「小さい子だと、お人形だと思うわよね。うちの長男もきっと
ぬいぐるみかなんかだと勘違いしそう」
気さくでおしゃべりな彼女の対話に、私たちの会話はしばらく続いた。
どうやら受付で夫に甘えていたユダヤ人女性とは別人らしかった。
そういえば、もう一人フレンドリーなユダヤ人女性が廊下ですれ違いざまに
挨拶したっけ。
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夕方になると、隣のユダヤ人夫婦のもとには親戚一同らしき集団。真っ黒なスーツに
帽子をかぶってヒゲをのばしてる、いかにもユダヤ人なオヤジや、小さな子供たちが
ぞろぞろとやってきた。キャーキャーピーピーと子供は数人いるらしかった。
その中の一人が、まだ小さいのか「ベイビーよ、お人形じゃないの。そーっとさわってね」
と周囲の人たちが教えている声が聞こえた。あげくの果てには
「さぁ~記念撮影するわよーっ、みんな並んでぇ~っ」と撮影会がはじまったのである。
たしか病室への訪問客は、二人までと入り口に書いてあったはずだが・・・。
その間にも、電話がかかってきたり、かけまくったりしている彼女。産後なのに、
彼女は少しも休んでいない。ユダヤ人の女性ってタフだなぁ~。親戚や友達づきあいも
大切だけど、よく体力がもつものだ。私はシャワーを浴びに行ったりしてたけど、
戻ってみると、さらに隣には別の訪問客が来ていた。
そして10時に、ようやく訪問客が去っていった。それからも彼女は11時すぎまで
電話をかけていた。
ホリデーでナーサリールームのスタッフが少ないせいか、なかなか授乳の時間に
になってもベイビーをつれてきてくれないので、私は自分で双子を交互に運んだり
していたのだが、隣ベイビーはナーサリーに預けないで、ずーっと病室に寝かせている。
12時になると、彼女も眠くなったようでナースコールしていた。
ナースがやってくると、「今晩の夜中の授乳は、そちらでミルクをやってください」と
言ってベイビーをあずけている。
むむっ、なんだか慣れてるなぁ~。12時すぎからは、静寂がやってきた。
隣は、私が双子に母乳をあげたりミルクをあげたりしてても、トイレに起きても
物音ひとつたてず、死んだように寝ている。
朝の5時に、ナーサリールームのスタッフがベイビーを再びつれてきた。
と、突然、「は~い!」とカーテン越しに声。こんな朝早くから電話してるのか?
「は~い!私は隣のベッドにいるんだけど」と電話してるにしては妙なあいさつ。
「もしかして私に声をかけてるの?」と、とっさに答える私。
彼女は笑いながら、「そうよ、こんな朝早くに起きてるのは、私たちくらいしか
いないわよ」と言った。
「はじめての出産なの?」と彼女が問う。「二回目なんだけど、今回は双子だったの」
「わぁ~、双子なんだ。男の子女の子?」
「どっちも女の子よ」
「うちは、6人目なの」「えっ?ろっ、六人?」
「そうよ、上の5人は、ぜーんぶ女の子。で、今回とうとう男の子が産まれたの。
みんなには内緒にしてたからサプライズよ」
「あぁ~、だからあんなに子供たちが来てたんだぁ~、てっきり親戚の子供たち
だとばかり思ってたわ」
「ぜんぶ私の子供よ。上は7歳で、一番下の子が2歳なんだけど、まだ下の子は小さい
からベイビーをお人形だと思ったらしくて、持って帰るって言い出して(笑)」
私も笑いながら、「小さい子だと、お人形だと思うわよね。うちの長男もきっと
ぬいぐるみかなんかだと勘違いしそう」
気さくでおしゃべりな彼女の対話に、私たちの会話はしばらく続いた。
どうやら受付で夫に甘えていたユダヤ人女性とは別人らしかった。
そういえば、もう一人フレンドリーなユダヤ人女性が廊下ですれ違いざまに
挨拶したっけ。
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