黄紙に注意! 鳶ブログ

サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

JFAとしてやることがもっと先にあるんのではないかい?

2008-11-06 22:35:01 | 女子サッカー
ニュージーランドでU-17日本女子代表が世界を震撼させている。

サウジアラビアのU-19日本男子代表も圧倒的な強さを見せているのだが、U-17日本女子代表の戦闘力は半端ではない。

日本サッカー協会(JFA)が行なってきたナショナルトレセン女子U-15などの全国からの人材発掘作業とメニーナ・レッズ・常盤木学園・神村学園と言った特定の養成機関の充実がこのような結果をもたらしているのだろう。

JFAアカデミー福島の成果も見逃せない。

U-20日本女子代表の方も今から楽しみ。

何かと問題も多かった川淵前会長だが、女子サッカー界における彼の残した功績は偉大だ。

今後、ナショナルトレセンの効果はますます出てくるだろうし、各地区の主要なクラブ・学校での養成はますます盛んになっていくことだろう。

この選手達が4年後に国内リーグでプレーできる環境がしっかりと成立していれば、今のレベルとは全く次元の違うリーグになるに違いない。

この世代のゴールに対する考え方が根本的に今の国内リーグでプレーする選手と違うような気がする。

「ゴールすることから逆算された今のプレー。」が「正確に枠に飛ぶシュート」に繋がっているのだと思う。

もちろん皆がみんなではないが。







さて、JFAの犬飼現会長は五輪や昨今の各女子代表の結果を受けて国内の女子サッカーの振興策を色々とマスコミに話している。

大体は川淵前会長時代から言われていることの焼き直しなのだが、この人が言うとあたかも自分で今考えてきたような感じになる。

その中で一番マスコミに取り上げられているのは「Jリーグクラブの女子チーム保持」だろう。

この発言は中学生世代の受け皿を作るということだろうから(なでしこリーグのチームを作れということでは無い。)、あながち日本のサッカー人口増が絶対命題の日本サッカー協会の会長の発言としては妥当だと思うが、この人は前から思うのだが、説明不足というか言葉足らずだ。

では、日本の都道府県別にJリーグのクラブはどのように存在して、女子サッカーとの関わりはどのようなものかと言うと

参考:日本の主なサッカークラブ・都道府県サッカー協会


地区・都道府県   Jリーグ       現状・予定             なでしこリーグ
[北海道]
北海道       コンサドーレ札幌  U-15女子チーム立ち上げ         ×
[東北]
青森        ×                                     ×
岩手        ×                                     ×        
宮城        ベガルタ仙台      ×                       ×    
秋田        ×                                    ×
山形        モンテディオ山形   ×                       ×
福島        ×                                   東京電力
[関東] 
茨城        鹿島アントラーズ   ×                       ×
          水戸ホーリーホック   ×                       ×
栃木        (栃木FCが準加盟)  女子ユースチーム保有          ×
群馬        ザスパ草津      ×                       ×
埼玉        浦和レッズ      女子チーム・女子ユースチーム保有 浦和レッズレディース/ASエルフェン狭山FC 
          大宮アルディージャ  ×(以前大原学園と提携関係)
千葉        ジェフ千葉      社会人・ユース・ママさんチーム保有  ジェフ千葉レディース
           柏レイソル      ×(※GMは元女子サッカー監督)
東京        FC東京 ×
          東京ヴェルディ    女子チーム・女子ユースと協力関係  日テレ・ベレーザ
神奈川      川崎フロンターレ   ×                        × 
          横浜F・マリノス    ×(※日産レディース廃部)
          横浜FC        ×
          湘南ベルマーレ    ×(※フジタマーキュリー廃部)
山梨        ヴァンフォーレ甲府  ×                        ×
[北信越]
長野        ×                                    大原学園
新潟        アルビレックス新潟 女子チーム・女子ユースチーム保有  アルビレックス新潟レディース
富山        (カターレ富山が準加盟) ×                    ×  
石川        ×                                     ×
福井        ×                                     ×
[東海]
静岡        清水エスパルス    ×(※鈴与廃部)              清水第八
           ジュビロ磐田     社会人・ユースチーム保有      
愛知        名古屋グランパス   ×                       ×
三重        ×                                    伊賀FC
岐阜         FC岐阜       ユースチーム保有               ×
[関西]
滋賀        ×                                      ×
京都        京都サンガF.C.   ×                      バニーズ京都
大阪        ガンバ大阪      ×(※パナソニック撤退)      スペランツァ F.C. 高槻
           セレッソ大阪     ×                 
兵庫        ヴィッセル神戸    ×                   INAC/TASAKI(本年度限り)
奈良        ×                                     ×
和歌山       ×                                     ×
[中国]
鳥取        (ガイナーレ鳥取が準加盟) ×                   ×
島根        ×                                     ×
岡山        (ファジアーノ岡山が準加盟)×(岡山湯郷と協力関係)      岡山湯郷
広島        サンフレッチェ広島  ×                        × 
山口        ×                                    ×
[四国]
香川        ×                                    ×
徳島        徳島ヴォルティス   ×                       ×
愛媛        愛媛FC       ×(現在女子チーム準備中)         ×
高知        ×                                    ×
[九州]
福岡        アビスパ福岡     ×                   福岡J・アンクラス
          (ニューウェーブ北九州が準加盟) 女子チーム保有      
佐賀        サガン鳥栖      ×                      ×
長崎        ×                                   ×
熊本        ロアッソ熊本     ×                    ルネサンス熊本
大分        大分トリニータ    ×                      ×
宮崎        ×                                   ×
鹿児島       ×                                鹿児島鴨池FCアサヒナ
沖縄        ×                                   ×



東北と中国(四国もかな)が地域として見るとサッカー過疎だと感じる。
Jリーグとなでしこリーグの相関関係が見られるのだよね。
(別の項での話題とするが、結局Jリーグは関東周辺リーグになっていて、秋春制の最も効果の出る地域には商業サッカーが浸透していない。)

で、女子サッカーの話に戻るが、犬飼会長のJリーグクラブが女子チームを保有するという話について、もう既に保有しているチームにとっては「そうですか。」という感じになる。
意外に感じるかもしてないが、J準加盟だった岐阜とか準加盟の北九州とかは、地域密着の過程で女子サッカーチームを保有している。
また経営的に厳しいとされているヴェルディ・大分・新潟などが女子チームを保有していて、それなりの認知を持って迎えられている。

犬飼プランが実行されると広島などは職員に元女子サッカー選手を採用しているくらいなのできっと効果が出るだろう。
神奈川などは既に女子サッカーが盛んなので、今さら女子ユースが出来たところでという感じもしないでもない。

問題もあって、もしファジアーノ岡山がJリーグに昇格したとすると、この流れだとファジアーノ岡山レディース誕生の運びとなるが、岡山湯郷との関係はどうなるのだろう。


ここで唐突ながら「鳶からの提案」がある。
まだまとまっていないのでたたき台程度なのだが、とりあえず書き留めておきたい。



「JFAへの提案」

1)都道府県サッカー協会への指導
→ 各都道府県サッカー協会の女子サッカーへの取り組み方に違いがありすぎる。
活動が充実しているのは東京都・神奈川県・埼玉県等で、これらの県での女子サッカー人口は他と比べると大幅に多い。

例えば大会情報の予告・結果報告などは盛んな都道府県ではちゃんとリアルタイムで出来ている。
できていないところは、内輪だけの連絡になるので、広がりが無い。
HP等を見ると明らかで、JFAの国内女子サッカー大会で最高の権威のある「全日本女子サッカー選手」ですら、予選の状況を調べるのは至難の業だ。
北信越は富山県が頑張ってくれるので助かるが、九州などは暗黒地帯で、鹿児島や宮崎などは協会の人達も関心が無いように思える。
来年の1月に宮崎で全日本女子ユース(U-18)選手権を行なうが宮崎県サッカー協会発の情報が未だに無い。
JFAはせめて全国大会に繋がる試合はどの都道府県でも地域でもHPなり紙媒体なりを使ってしっかり情報発信すべきだし、結果をちゃんと公表してほしい。
もし出来ないのなら(たぶん多くの都道府県がボランティアで行なわれているので出来ないと思うが)、JFAで一括して情報集約し発表していくべきだ。


2)Jリーグから既存チームへの指導者派遣
→ Jリーグのクラブが女子チームを持つことに反対は無いが、もう既にチームが存在している地域もある。
クラブチームでもユース対象だったり社会人対象だったりするが、やるからには上手くなりたいわけで、そのためには優秀な指導者は不可欠だ。
各都道府県サッカー協会の仲介でそういったチームへJリーグから指導者を派遣する(できたら無償で)ことだできたら、思わぬ原石も発見できるのではないだろうか。
例えば、ルネサンス熊本にロアッソ熊本からコーチを派遣するという形で関係を持てれば、自前で女子チームを持つことと同様の効果が出るのではないだろうか?
清水第八とか名古屋FCなんてJリーグと関係を持ったら、練習内容が充実して強くなると思うけどな。


3)2)と関係することなのだが、中学校・高校への指導者派遣。
常時ということではなく、週に1回とか2回とかでいいから派遣してくれると、教員の負担がかなり軽減されて部活動としても成立するのではないだろうか。
練習場所確保を各都道府県サッカー協会が手配をしてくれるともっと運動部として活動できやすくなる。
公立中学・高校の生徒がサッカーを行なえる環境をどうにか作れないだろうか。
サッカーをやる場所が無ければtotoの収益を使ってサッカー場の整備をしたって罰は当たらないんじゃないかなぁ。


4)生活可能なリーグの仕組みを考える(なでしこリーグのお話)
→ 今のなでしこリーグは多分に国体というパトロンのおかげで成り立っているのだけど、そろそろ雲行きが怪しくなってきている。
10代の選手が20代でプレーを継続しても生活可能な仕組みをそろそろ考えないといけないのではないか。
お手本となるのはドイツ・ノルウェー・スウェーデンの女子リーグだと思う。
もしダメならアメリカのような大学をベースにしていくしかないだろうな。
バレーボールやバスケットボール・ソフトボールみたいな他の競技と同様にサッカーも実業団をベースしていくという手もある。(先が厳しそうだけど)
いずれにせよ協会からある程度の資金を投入してリーグの変革をしていかないと、せっかく良い選手が誕生しても学校を出たら日本では競技を継続できなくなる。

トップリーグの選手についてはアマチュア規制についてもう少し枠を緩くしてあげても良いのではないかと思う。

工夫はいくらでもある。リーグスポンサーをJFA主導で集めてその資金で衛星放送を流すとか、JFLみたいにクラブに強化費として分配するとか、広告代理店つけるとかしないと今のやり方だといずれ無理が出る。


5)四国にJFAアカデミーを
→JFAアカデミーを作って効果が出るのは四国だと思う。
競技力という面もそうだが、四国の競技人口自体を伸ばすきっかけになるのではないだろうか。
温暖な環境なので、中四国の選手・指導者が利用できる清水のトレーニングセンターなどが設置できれば尚の事よし。

これもまたtotoの収益を使って作ったって、誰も文句は言わないんじゃないかなぁ。ラグビーとか他のフィールド競技にも使えるわけだし。


6)国体に女子少年の部を
→全中のような大会が開けるようになれば、一番良いのだけど、まだそんなに中学校の部活動の数は多くない。
でも男子と一緒にやっている選手もいれば、クラブチームに所属している選手もいる。
普及をしたかったら、中学・高校1年生くらいを年齢制限したカテゴリーを作って国体に参加させたら良いと思う。
全日本ユース(U-15)選手権が単独チームになったから、県単位の混成チームの大会を敢えて作ると余り盛んでない県に効果が出ると思う。
もちろんスリムな国体化という流れには反することは承知の上で。


7)高体連・中体連への加盟
→「卵が先か、鶏が先か」という話になってしまうけど、まずはこれでしょう。JFAとして解決しなければならない問題は。
競技人口が少なすぎて、長年に渡って競技として認められないわけだけど、もう結構良い人数になってきたんじゃなかろうか?
JFAのトップがもっと世間にアピールしていかないとこの問題は世間には伝わらないと思う。
中学校・高校の女子の体育の授業にサッカーが加わるかどうかは普及に大きな影響があると思うけどな。


8)皇后陛下に杯を賜る
高度な政治力が必要だけど、女子サッカーをメジャーにするには、皇族の皆様の後ろ盾も必要。
全日本女子サッカー選手権大会の優勝チームに皇后陛下から「皇后杯」を賜れるよう、JFAとして活動してもらえないものだろうか?
できたら全日本ユース(U-15)女子サッカー選手権大会と全日本ユース(U-18)女子サッカー選手権大会についても高円宮妃から杯を賜れないものだろうか?
この努力は先人もした努力だと思うのだよな。



まあ明日からできる1)だけでもやってみれば効果はあると思うよ。きっと。



JFAの会長としてできることをもっと考えたらどうだろうか?
どうもJリーグの会長みたいな発言なんだよな、犬飼会長って。