黄紙に注意! 鳶ブログ

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新設『全日本女子ユース選手権大会』

2012-03-27 06:39:17 | 女子サッカー
2012年度女子:国内競技会の改編(JFA理事会資料)

2008年に全国高等学校体育連盟サッカー専門部に「女子部」を設置、2012年から全国高等学校総合体育大会のサッカー競技に「女子」が加わる。
それを契機として、女子チーム・女子選手の活動の実態に即したゲーム環境を整備することを目的に、女子全体の国内競技会の在り方を再考し、改編を行う。

女子サッカー界にとって今年一番のイベントはロンドン五輪だが(これでこけたらまた暗黒時代へ逆戻り)、それに並ぶくらいの出来事は悲願の高体連への加盟だ。
女子がサッカーをすることは学習指導要領には掲載されていない。なので今までは、全国大会へ出場したとしても一般的には欠席扱いになることが多かった。だが、今年からは公休が取れる。言い換えれば「女子サッカー」が日本国内で公にスポーツとして認められたことに等しい。
いわゆるレクリエーションスポーツから競技スポーツへ変わったのである。

が、それはそれでめでたいのだが、高校生の女子フットボーラーについては高体連所属の高校が一人勝ちの様相を呈している。

そこで、この理事会資料では「共存」という言葉を用いてJFAが考える高体連・学連・クラブのあるべき方向性を示している。


【「学校」「クラブ」の共存】

高校生以上の年代で「高校」「大学」「クラブ」と大会が分かれるが、現時点では各カテゴリーの認知・普及、組織の充実を重視するためであり、将来的にはそれらを統合する大会・リーグの設立を目指す。

【高校生以上】
サッカー選手として「成人」の年代。女子としての「第1種」。=18歳で区切ることの意味がない。

【女子のリーグ】
大学・高校を含めたリーグのピラミッドを構築。
なでしこリーグ⇔チャレンジリーグ⇔地域リーグ⇔都道府県リーグの整備・充実を図る。



JFAが考える女子サッカーモデルは、

『小学生(男女混合も含む)』『中学生(男女混合も含む)』『15歳以上22歳まで(ユース)高校生・大学生年代』『社会人』『O-30以上の年代』

ということになろうか。

男子を念頭に置くとユースの年齢幅がちょっと広過ぎて捉えにくい。

まあ、誰が音頭を取っているかはわからないが、高校生年代(15~18歳)だけの年齢を区切ったチャンピオンなんて設定したって意味が無いじゃん、とまあ、ある意味、高体連を全否定している考え方でこの論議をリードしている。
(さらに大学生年代(18歳~22歳)の年齢で区切ったチャンピオンなんかも意味ないじゃんって述べている。)

昨年まで存在した全日本女子ユース(U-18)選手権大会を廃止した根拠はここにある。

FIFAやAFCの論議の中にも同様な考え方があって、男子の「AFC U-22アジアカップ」創設といい、20~22歳代の選手層に対する需要の喚起という考え方がFIFAやAFCの中で高まっているのかなと思う。
今回の女子ユース選手権創設の一端はこの流れを汲んだものとも捉えることができる。
まあ、男子の「AFC U-22アジアカップ」についてはとりあえずやってみよう感が有り有りではあるが。

対競技の年齢区分を見ると満15歳以降は成人の大会に出場可能になるっていうのもあるので、そういう意味では高校生以上なら高体連所属の「高校」だろうが学連所属の「大学」だろうがなでしこリーグの「クラブ」だろうが、一列に扱っても構わないじゃないかという考え方もわからないわけではない。
女性の成長を基準に考えれば、科学的に正しいのかもしれない。
が、急に考え方を変えろと言われても、まだ、ちょっと違和感を感じてしてまう。

新しい大会なので、目的等が書かれているので、メモっておこうと思う。


『全日本女子ユース選手権大会』

【目的】 クラブチームのさらなる増加・活動の活性化
・チーム・選手のレベルアップ
・15歳以下のチームから16歳以上のチームへの発展
・19歳以上の選手たちの試合出場機会の増加(18歳から19歳で登録人口は3分の1に)
・生涯サッカーを続けていける土壌に
【留意点】
①中学生以下の選手だけの出場は不可
・育成年代として適切な大会の選択
・大会日程の過密
・低年齢の選手が参加することによる試合負荷の懸念
→選手の成長・成熟を考慮して大会参加を検討する。
②「高校」「大学」「クラブ」の交流、切磋琢磨の機会を「リーグ」で整備していく。
【将来的展望】
・「高校」「大学」「クラブ」によるチャンピオンシップの創設
・全日本女子選手権の拡大



全日本女子ユース選手権大会 参加資格 補足説明

1.参加できるチーム
以下の①~④に該当しないチームは参加することができる。
① なでしこリーグ出場チーム(チャレンジリーグは含みません)
② 女子学連に加盟している「単一大学」のチーム(選手全員が単一大学の学生・大学院生のみ)
③ 高体連に加盟している「単一高校」のチーム(選手全員が単一高校の生徒のみ)
④ U-15のチーム

[補足]
登録チーム内の一部が、単一大学として学連に加盟、もしくは単一高校として高体連に加盟していても、その登録チーム自体は大会に参加することができる。
例えば、右図の登録チーム「○○レディース」(単独チーム)は学連に加盟している「△△大学」を除いて、大会に参加することができる。




さて、どういうチームが出場するかという、高校生数名を加えた中学生主体のチームが大半で、あとは学連の登録をこの1年間はしない補欠とOGの混成チーム(主に部員数が50人以上もいるような大きな大学)、高体連の試合に出場できないような補欠を多く抱えている高校、社会人チームなどなど、たぶん菅平で行なっているメグミルクの大会みたいなフレンドリーな感じの普及目的の大会になるのではないだろうか。あるいはO-30のレディース選手権みたいな感じ。
ただ、おそらく19歳以上の人はなでしこリーグや学連あるいは専門学校に入って専門にやる人が大半で、FC PAFみたいないくつになっても真剣勝負みたいな人の生き方としては羨ましい集団は稀だと思う。たぶん、フットサルに抜けていくんじゃないかな?大半の経験者は。
クラブチームの高校生の価値を全く失わせてしまったことで、おそらくクラブチームに高校生は残りづらくなるだろう。(なでしこリーグやチャレンジリーグ、あるいは関東女子サッカーリーグに所属するトップチームがあるようなところは別として)

移行期の1~2年を経て、大会というより、今まで全日本女子ユース(U-18)サッカー選手権に参加していたチームがどう変わってしまうのかが気になる。

まあ、競技力については高体連の方(インターハイ&全国高校女子サッカー選手権)で鍛えられる形になるので、JFAもそう心配はしていないのだろう。国体も中高生のレベルアップの場にしていこうという流れになっているし。
まあ、育成に関しては高校やクラブがたとえこけたとしても、JFAは「JFAアカデミー」という保険を掛けているから強気ではあるよね。


2012年度 女子国内競技会 開催概要

競技主体の大会と普及主体の大会に2分しようとしているのかもしれない。


女子の高校生が所属するユースチームを持っているJリーグ傘下のクラブは、JFAの思惑とは別に中学生・高校生(13~18歳)だけの大会を開催したらどうだろう。『女子Jユースカップ』みたいな名称で。
インターハイ開催時期の裏で、北海道とか菅平みたいな涼しい場所でセントラル開催したら盛り上がると思うけど。
金はどこから出るんだって怒鳴られそうな企画だけ、何か手を打っていかないと、クラブがジリ貧になることは目に見えている。

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