#21GK諏訪江利乃選手と#1GK大友麻衣子選手
#8FW大石沙弥香選手と#9FW菅澤優衣香選手
チェンジ! #9FW菅澤優衣香選手と#8FW大石沙弥香選手
#25MF小原由梨愛選手と#16MF斎藤友里選手
プレナスなでしこリーグ 第5節 2010年04月29日 12:00K.O
三重県・上野運動公園競技場(480人)晴 芝良 風強し 主審 深野悦子
アルビレックス新潟レディース 2-1(1-1、1-0) 伊賀FCくノ一
35分 上尾野辺めぐみ、43分 失点、69分 笠井香織
[伊賀FCくノ一]
-------小林舞------
-山口--道倉--佐藤--関根-
-------清原-------
-小林真-堤---松長--藤本-
-------大歯-------
SUB:GK大野、DF池内、DF後藤、FW籾井、FW中出
監督:大嶽直人
68分 山口→後藤
74分 藤本→中出
[アルビレックス新潟レディース]
-----大石--菅澤-----
-小原---上尾野辺---斎藤-
-------川村-------
-山本--笠井--東山-中村楓-
-------大友-------
SUB:GK諏訪、MF法師人、MF中村早、FW小山、FW口木
監督:奥山達之
57分 斎藤→中村早
70分 大石→小山
85分 菅澤→口木
両チーム選手・審判団入場。
伊賀チアと記念撮影。
アルビの大黒柱にして現場実習指導者、#4DF東山真依子選手。
主戦場は左。#2DF山本亜里奈選手と#25MF小原由梨愛選手。色白です。
今年新加入の大型CB、#3DF笠井香織選手。
実は足技がとても得意なアルビの守護神、#1GK大友麻衣子選手。
国内での女子相手の試合では少しパワーを抑制気味のボランチ#5MF川村優理選手。
男子相手でも通用するフィジカルを発揮したいところだが。
伊賀・上野公園競技場と言うと体感温度0℃に近いくらいの極寒の試合や40℃近くあるのではないかと思うくらいの灼熱の試合など気象条件が過酷な記憶しかない。
が、今回は朝まで降っていた雨も止み、良い天気ではあるが良い感じの涼しげな風がビューンビューン吹くようなサッカー日寄り。
前座の試合で駐車場が満員になるほどいた観客のざわめきも試合が始まる頃には落ち着いてきた。
非常に手入れの行き届いた天然芝の緑が美しい上野公園競技場。定刻、深野悦子主審の笛が吹かれK.O。
この試合は前後半通じてアルビのハーフコートゲーム。
攻めるアルビに対して引いて決して無理な攻撃を仕掛けない伊賀の構図。
このパターンは前節の浦和戦で研究されたのであろうか。
基本的な体力と体格に差がある両チームなので、1対1になるとアルビの選手はボール奪取が容易にできる。
が、アルビの選手がボールを持っていても伊賀の選手は決してプレスを掛けようとはしない。
ラインは高めなので、攻めてきたところをどっかで引っ掛けてのカウンター狙いは明確。
なかなか攻め込んでもゴールが割れないアルビであった。
もうちょっとガツガツいくと思っていたが、意外とスマートに攻める。
30分過ぎに右サイドを突破した菅澤選手がゴール前へクロスを上げ、大石選手が詰めてる。
伊賀のDF陣は大石選手に寄って行ったところを頭ですらしてGKの前に詰めていた上尾野辺選手が押し込んで先制ゴール。
教科書通りの綺麗な攻めで試合の流れを呼び込む。
その後も攻め続けるものの、伊賀は無理をしてまでプレスを掛けてはこない。じっとカウンターの時を待つ。
スローイングのボールの奪い合いで、相手選手を思わず強く倒してしまい自陣左でFK。
下位と対戦する時は、上位と違ってフィジカル面では相当な違いがあるので、気をつけないと倒れられてしまってFKを与えてしまう。
結局、ゴール前に放り込まれて混戦の中、今回もまた大歯(松窪)裕子に決められて前半終了間際に同点にされてしまう。
大歯は福岡J・アンクラス時代からアルビの天敵のような選手だったが、今回も決められてしまう。
あの位置であの時間帯にFKを取られたことがゲームコントロール的にはまずいのではあるが、ゴール前の混戦でDF笠井香織選手の寄せが一瞬遅れてしまい、川村選手が3~4人を一度に相手にしなければならなかったのが失点の原因ではなかろうか。
毎回毎回同じような時間帯に失点していることが非常に残念だ。
攻め込みながら得点できなかったアルビに対して、ホームの伊賀が息を吹き返した状態で前半を終える。
手動の得点板。裏で人が板を入れ替える。
こういうのをスワンフィールドとかアルビレッジに欲しいね。
チームNo.1の俊足にして美白な#15MF中村早樹選手。
色白の選手揃いのアルビと化粧品屋さんがタイアップできると良いかも。
実は正確なクロスが売りの#22FW小山真央選手。
残念ながらポジション的な関係でそういうシーンにはお目にかかれないが。
実はすばしっこい(誰でも知っているか)#11FW口木未来選手。
女子サッカー界の王道を歩んできたチーム最年長のベテラン#7MF法師人美佳選手。
ハーフタイム終了時点での交代は両チーム共に無し。
前半を同点で折り返した伊賀は後半になっても足が止まらない。
トラップやボール奪取技術は格段にアルビの方が上なのだが、ゴール前で相手の足に当たったりしてなかなかチャンスにならない。
この日、今季初スタメンの大石沙弥香選手だが、1点目のアシストの動きは非常に良かったが、全体的には今一つ。
スペースには入り込めているのだが、ボールの収め方が昨年までの巧みな大石選手ではない。
菅澤選手が完璧にポストをこなしているだけにその差が目立つ。
試合勘が戻れば何とかなる部分なんだろうが、求められることが高いだけにこの状態は何とかせめばならないだろう。頑張って!!
絶対に勝たなくてはならないアルビは数え切れないくらいのCKで相手を攻め立てるもゴールを割ることができない。
ようやく上尾野辺選手が右サイドから蹴りこんだFKを笠井選手が膝で押し込んで決勝ゴール。
流れであれだけ攻め込んでおいて、結局は上尾野辺選手の正確なFKからのセットプレーでの得点で試合を決めた格好だ。
笠井選手はミスを帳消しにする当たり千金のゴールだった。
まあ、綺麗な形ではないが、こういう泥臭い形で決めることができたのは、勝ちたいという気持ちが高まっていたからではないだろうか。
伊賀は1点ビハインドになってもプレスを掛けてこない。徹底したカウンター狙い。
たぶん、アルビは自陣でボールを回したり、相手陣内でボールをキープすればもっと楽に勝てる試合ではあったに違いない。
が、アルビは笠井選手のゴールでリードした後も果敢に相手陣内へ攻め込んでいく。
サッカーはこうでなくっちゃ。大人のサッカーではないと言われればそこまでだが、自分達の目指すサッカーをしてくれたのは良かったと思う。
まあ、結果的に同点や逆転されるリスクは負うのだけど。
この試合、メインスタンド側の副審のジャッチが深野主審とずれることが多く、さらにボールタッチの判断がやっている選手らとも違うことも多くて、攻めと守りが急に逆になりお互いにやりにくそうだった。
さすがに自陣ベンチ前のジャッチに対しては文句も言いたいところだろうが、そこはじっと堪えてベンチも小声で抗議を示していた。大人だ。
たぶんこの副審、選手の陰に入ってしまうからなのだろうが、女子サッカーのためにはレフリングの向上は不可欠なので頑張ってもらいたいな。
(この会場にいた元Jリーガー2人はどう感じただろう?)
斎藤選手に代わって中村早樹選手が入ると、右サイドのW中村による右サイド狙いの攻撃が始まった。
パサーとして高い能力を持つ中村楓選手から放たれる狙いすまされたスルーパスは、伊賀の裏のスペースへ。
そこへリーグでも屈指の走力を持つ中村早樹選手が相手選手を追い越して走り抜けていく。
対人の強さのある斎藤選手とは違う、この2人の組合せによる攻めは今までにないアルビの形として面白かった。
小山選手が大石選手に代わって投入されたが、ボールキープやスペースの使い方は大石選手よりも良かった。
この辺、次の試合でどう使っていくのか、奥山監督も悩みどころである。
口木選手も好調で、時間こそ少ないものの攻撃の推進力を上げていた。
大石選手が復調したことで一気に後半のリザーブカードが豊富になった。
後半終了間際に代わって入っていた特別指定選手の中出ひかりのシュートもGK大友選手が落ち着いて処理して難を逃れる。
結局、最後は攻めつ攻められつつ。アディショナルタイム2分を経過したところで試合終了。
もっと上手に綺麗にゲームをすればできたかもしれないが、でも、気持ちを前面に出した泥臭い試合運びで勝ち点3をゲッド。
これはこれでらしくて良いんじゃないかな。
失点もし、最小得点差という最低限の結果なんだけど、結果を着実に得ることができるようになったのは成長の証。
去年までだったら引き分けで終っていたところを勝ち点3を落とさないようになったのだから。
修正箇所はその場で直す。
轟奈都子GKコーチと#1GK大友麻衣子選手。
攻守の柱。この2人に負うところは大きい。
#8FW大石沙弥香選手と#4DF東山真依子選手。
今年のチームは入江徹コーチの成長にかかっている部分も大きい。
#3DF笠井香織選手をはじめDF陣の能力がアップできるかで順位が大きく変わる。
個人個人の動きは非常に良いので、ぜひ、次の東北電力スワンフィールドでは久々のホームゲームの勝ち試合を多くのサポーターの人に見せてあげてもらいたい。
W杯予選の為の中断期間前の試合で是非勝ち点3を上澄みして、6月の福岡で一気に上位に食い込みたいところ。
連戦で調整期間は少ないけれど、勿体無い失点を無くす打合せを是非してもらって、もっとレベルの高い試合を展開できるようにしてほしいな。
まだまだ質を上げられると思う。