安居楽業

神奈川県小田原市を中心に活動している工務店です。
 建築をはじめ、趣味のものなど紹介していきます。

病巣

2014-09-30 21:35:33 | 
    
 湯河原某所のリフォーム現場。

今回のリフォームを相談されて調査に来た時、一番気になったのが二階のこちらの部屋。

とてもきれいでパッと見、痛みも感じないかと思います。
写真ではわかりにくいですが、ベランダに出るドアのほう側に向かって10%ほど床が傾斜しています。

つまり傾いています

立地としても斜面に建てられた家なので、斜面に合わせて引き寄せられていきます。
40年前の工法では、基礎や擁壁の仕様も今ほど堅牢なものではないので、斜面の引力に対して耐性が低いことが考えられますが、その傾斜の具合が均一でなかったのが気になっていました。






     
直下の部屋の壁を壊すと、案の定柱の腐れが見つかりました。

外見では全くわかりませんが、内部の骨が強度を持っていない状態です。

家の自重に耐えられず柱が少しずつ沈下。
柱が下に下がるのに合わせて、二階の床や天井などが少しずつ下がって徐々に勾配が強くなってくるというわけです。





     
完全に壊すとこれだけ広範囲にわたって損傷していました。
雨漏りが原因だと思われます。

家の耐久性が著しく低下するのも勿論心配なのですが、床の傾斜は住人の方の健康被害も懸念されるところです。

床が傾いていることに気づかず、脳が「平らな場所にいる」と認識して生活していくと、平衡感覚が少しずつ狂っていくはず。
平らなところが平らだと認識されず、傾斜のついた場所を平らであると思い込み、体が順応していきます。

気付かないことから体のバランスが悪くなるというわけですね。

見た目の綺麗さは手をかければ目に見えてよくなりますが、今回の案件で一番治してあげたかったところの一つがここなのです。


下がってしまった柱をジャッキアップして元の位置に補正し、新しい柱を入れて補強していく予定です。







     
こちらは浴室。

年数を考えるときれいな状態です。
この段階でご説明しても、信じていただけない方が多いですがユニットバスではない在来式の浴室では、必ずと言っていいほど傷んでいるであろう部分があります。







         
     
柱や出入り口の真下の土台、窓の下端の部分などです。

タイルは水に強い材質ですが、毎日大量の水が流れるお風呂では、目地やヒビの入った部分から少しずつ湿気が入り込みます。
隙間から入り込んだ水は、外には抜けにくく常に水を含んだ状態になるので、シロアリが好む環境となってしまいます。

今回は浴室を広げる計画をお勧めしていたので、傷んだ柱は無くなりますし土台なども交換することができますので根治できると思います。

「ここは直してあげたいな」という個所は一通り手を入れさせていただけそうなので、安心しました。
御客様に安心して生活していただくには、まず我々の考える不安要素を払拭していく必要がありますよね~

壊しつつ、手を入れる方法を検討していきます




リフォーム・建築 ブログランキングへ

    
   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オラニエンバウム

2014-09-27 21:55:32 | 
        
 箱根板橋の駅前にあります「オラニエンバウム」さん。

こちらは陶器、木工、ガラスなど職人さんの手仕事による作品を展示販売されている雑貨屋さんです。
今日はこちらでワークショップが行われるということで、仕事を早めに切り上げて行ってまいりました。




     



        
今回のワークショップは「陶芸」

こちらに常設されている陶器の作家さんで、普段公私ともお世話になっている「鈴木隆」さんが講師です。
旧友、二人と一緒に4時からのコースに参加です。







        
土練りをしている鈴木さん。

今回は土や道具などの準備は鈴木さんがしてくださって、形作るまでを各々が担当。
その後、作品を鈴木さんに焼いていただくと言うなんともいいところどりの企画なんです(笑)

お店側の趣旨として、自然を暮しに取り込むというコンセプトがあるそうで、道々の名も知れない草花を家に飾ろうという想いから「花器」を製作します。





       
丁寧に指導をしてくださいますが、どんな形もやり方も決して否定しません。

初めて作りましたが、なんとなく花を活けそうな雰囲気は出てるでしょう?
焼きあがればまた違う感じになるはず・・・

友人二人も時間がたつのも忘れて没頭していました。
なんかすごい楽しかったです。




       

       
妻へのお土産にガラスの花器を購入。

商品のセレクトも非常によく、小田原界隈では貴重なお店であるように感じました。
興味ある方は是非足を運んでください。

ワークショップも頻繁に行われているそうですよ。





         
すっかり暗くなるまで、居座ってしまいました。

食べて飲んでの集いばかりでなく、友人とこういう場に出かけるのも新鮮でした。
またやろう♪





               
リフォーム・建築 ブログランキングへ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ライフライン

2014-09-26 18:08:24 | 
  
今日もぼっちらぼっちら解体作業です。

「全部一人で壊すの!?」とみんなに言われちゃいますが・・・

リフォームの内容次第では、みんなで一斉に壊すことが得策ではない場合もあります。

今回は、使いにくい間取りを一部変える為に、柱を抜いて梁の補強をしたりします。
壊してよいところと、残すべきところの選択や工事の展開などを最初に一人で組み立てて、円滑に進む段階で初めて応援を要請します。

もてあます時間も減って効率が良くなりますし、何より汚れ仕事は少ない人数でやればよし♪




    
天井や壁も大半の部分を壊して手を入れます。

40年の間に腐食や損傷も出てきている水道管や電線、ガス管などを殆ど新しくしてしまいます。
目に見えない部分でありながら、生活を支える重要な部分です。

また気づかずに漏電や漏水、ガス漏れなどがあると、思わぬ参事を招きます。
飛躍的に進歩した現在の建材を導入することで、今後のトラブルは激減すると思います。

また耐震補強も容易に行えます♪
そもそも耐震補強工事に費用が掛かってしまうのは「耐震金物を取り付けるために壁や天井、床などを壊す必要がある」為です。

壁や天井を壊す工事のついでであれば、金物自体は安いものです。
是非取り付けましょう。





   
写真は、水道メーターから一番近い水道管の一部です。

地中に埋設されているため、腐食に気づかないですが内部で管が破損すると急に水道料金が嵩んだり、損傷個所が天井裏や床下ですと漏水した水で建物も傷みます。
「使っていない水道だからそのままにしておく」と言う御客様もおられますが、水道管内の水が循環していない場合、錆の進行はより速くなります。

気になる方は業者さんに点検してもらいましょう。

人間でいうところの血管に当たる部分が、リフレッシュされます。
管の状況を見る限り、リフォームする時期としてベストだったのかもしれませんね♪




  
リフォーム・建築 ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

選択

2014-09-25 19:54:14 | 


解体工事が進んでいるリフォーム物件。
その模様をお伝えする前に、今回の患者さん情報。

今回の建物は築40年です。
リフォームに踏み切る前に、マンションの購入や移住など様々な角度から今後の住環境について一緒に考えました。
結果的に、今までの思い出が沢山あるこの家を治して、大事に使っていきたいという結論に達した御客様。

なかなか見通しのつかない世の中ですが、住まいが安定してこそ仕事に精が出せるというものです。
あらゆる問題を考慮しつつ、住まいを大事にしたいという想いでリフォームに踏み切った御客様であれば、我々も一生懸命お手伝いしたいです。

見た目が綺麗になっただけのリフォームではなく、耐震補強や動線の向上など長年そこに住む人方が、ストレスに感じてきたマイナス因子を解消していくリフォームを目指します♪






    
景気よく天井を壊していたら、昔の大工さんが忘れていったであろうバールが落ちてきました

仕事のことで頭がいっぱいになると、こういう忘れ物しちゃうんですよね・・・。
自分も気を付けないと

常に周りを見渡せる余裕、環境美化、スマートな進行を目指して頑張ってまいります




リフォーム・建築 ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

開始!

2014-09-22 20:32:02 | 

 今日からまた一件、リフォーム工事が始まりました。

今回は珍しく御客様にお引越しいただいて改修します。
本日はそのお引越しのお手伝い♪

どんなに小さな工事であっても、日常生活に見ず知らずの職人さんが来るというのは少なからずストレスになります。
御自宅が綺麗になる傍ら、普段の生活サイクルが乱されるので皆さんが予想している以上に疲れるんですよ~

工事の進捗状況はこちらで伝えていくとして・・・
時折見に来ていただいた時の、我が家の変化ぶりに驚いていただこうと思います

また仲間が集結してお仕事できるのが楽しみです。

賃貸物件の捜索で、ご協力いただきました湯河原不動産センター様、有難う御座いました。





リフォーム・建築 ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

青いね

2014-09-20 21:13:24 | 
    
 湯河原での仕事が続いている中、友人も湯河原でリフォームが始まったというので会いに行ってきました。

中学次代ぶりに「城山」という地域に来てみましたが、湯河原にも浅間神社があったとは・・・

石塔の道という字を青く塗っている愚か者がいたようですが、道という字のみを青く塗るあたり「青二才」であるということを理解しているという事でしょうな。




リフォーム・建築 ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポートレート

2014-09-19 21:57:05 | 
     
 先日、大磯で開催された「小澤忠恭」さんの写真展。

購入した作品が手元に届きました。






    
タイトルは「月と西湘バイパス」。

実はほかにも購入したい作品があったのですが、会場で話している方の多くは「自分に所縁のある場所が映っているので・・・」という想いで購入作品を選んでいました。

ふむふむ。自分も今回の作品展ではそういう観点でベスト1を選んでみよう。
ということでこの作品にしたわけです。

大磯に好きな場所は沢山ありますが、所縁があるかと言われるとちょっと弱い・・・。
一番多く使用して、帰宅の時間を考えればこの作品にこそ所縁があるのではないかと感じたのです。

まぁ、後付けですけどね
単にカッコイイと感じたのでというのが一番の理由です。







    
写真にちなんでもう一枚。

1か月ほど前ですが、知人の紹介でとある方の相談を受けました。
本当にちょっとしたことだったので、快諾しました。

その時に「大工さんに貰ってほしいものがある」と手渡されたのがこちらです。
後から聞けば、その方も写真家で(なんか出来過ぎな話ですよね)、昔自分が携わったお仕事の作品だとか。

私でも知っている超有名な建築家の設計した建築作品を写真に収め、個展をされたときのもののひとつだとか


いいんすか・・・ほんとに貰っちゃいますよ。
どうか後で返してくれと言われませんように・・・。






    
せっかくなんで、自宅で写真展開催中です。

お客さまは我が家のおちびさんたちなので、展示は低めに設定しております。

写真に縁のある9月になりそうです。




リフォーム・建築 ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真の財産とは

2014-09-19 21:36:39 | 
 
春頃お引き渡しした、弊社設計、施工の新築物件です。

もう半年近く経ちます
今日は点検を兼ねまして網戸の調整に参りました。

ちょっとしたことだからとなかなか言い出せない御客様がいらっしゃいますが、遠慮なくなんでも相談していただきたい。
私たちは何かしらの口実がないとなかなか、会いには行けませんからね~




     
若い衆が手伝ってくれたんで、調整もスムーズでしたし(笑)

家のメンテナンスをしつつ、おチビさんの成長も見させていただける間柄であるということ。
こういう関係は財産です。

引き渡してからが始まり。
いつでも笑って対応できるように、別れ際も笑って帰ります。
またよろしく~





  
リフォーム・建築 ブログランキングへ








  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

良し悪し

2014-09-18 19:45:22 | 

 今日も湯河原におります。

定期的にお仕事の話を頂いております御客様の御宅なんですが、人里離れているため一人だとちょっと・・・
今回の改修内容は手すりの修繕。

写真ではわかりにくいのですが、腐食のため木がボロボロ






    

解体した材料がこちらです。
実は少し前にも改修をお勧めしたのですが、見積もり金額が思ったより高いということで見送ったのです。

材料が節のない高価な材木だったことや、6mの長さで途中継ぎ手がないことなどなど、材料が高額になってしまった理由。

材料に節がある安価な材料ででもとりあえず治さなくては転落の心配もありますので。
ということで材の等級を落とすことでコストを下げ、工事に入ります。




    
無ければ無いでスッキリしてますけどね

あまりに人の気配を感じないので、ラジオをお供に一服が長くなってしまう・・・。
気を取り直して






               

なかなかいい感じです♪

杉材をメインに損傷のひどい箇所だけを手直ししましたが、「節なんかあったって全然いいよ!」と御客様。

無節のほうが主張が抑えられて大人しい仕上がりだったかと思いますが、木目の際立った仕上がりが御客様にとっては新鮮なのかもしれない。
この辺りは好みです。

何がいいとか悪いとかではない。
いずれにしても、木の持っている雰囲気というのはやはり良いものだと感じますね~

これでしばらく転落の心配もなくお過ごしになれるかと~
有難うございました~


   
   
リフォーム・建築 ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

展望

2014-09-16 20:12:37 | 


今日、現場で少し年上の先輩が話していたテーマ

「息子に大工を継がせたいかどうか」

なんかこのご時世だと難しいテーマです。

大工さんと言えば、家に携わるメジャーな職業ですが、それに見合う保証はない職業です。
高所作業では落下の危険は伴いますし、毎日使用する刃物は木材のみならず自身の体も傷つける凶器でもあるわけです。

安全面だけでなく、体は常に健康な状態をキープする必要がありますし、臨戦態勢で臨んだとしても毎日働くだけの仕事があるとは限らないのです。

そこを踏まえたうえで、金銭的な欲に走ることなく大工さんであり続けることを望み、一緒に働きたいと言ってくれる人が現れたら、自分の子供でもよそ様の子供でも受け入れられる日が来ると思います。

成人した人間にまでも親が口出す世の中では、この辺の理解は本人のみならず家族からは得難いでしょうね~

でも建築業界の将来をしっかり考えつつ、毎日の仕事に精出す先輩方を微笑ましく思って聞いておりました。

まずは自己を保つこと。
あとはもうちょい先で考えよ





リフォーム・建築 ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする