インバル&都響のマーラー9は、空前絶後の名演だった。それについては稿を改めるが、まずは僕の命綱の話。
とにかく、高い所が恐怖。
昨年、ミラノ・スカラ座「ファルスタッフ」を東京文化会館の4階で観たときも肝を冷やしたが、みなとみらいの3階も、すみだトリフォニーの2階ほどではないものの、かなりの高さ。1列目に平然と座している人びとの気が知れない。手摺りに肘を乗せて下を覗く人が居たりすると、自分が下に落ちるような錯覚に陥ってヒヤヒヤするし、転けた勢いで、そのまま1階に転落したらどうしようと思うと、階段を降りるのにも腰が引けてしまう。
前にも書いたが、3列目というのは僕にはギリギリ。座ってからも、どうにも落ち着かない。ところが、今回は運良く通路側の座席だったため、右手に手摺りがあった。そこで、ウエストポーチのベルトを緩めては、身体を手摺りに固定することに成功。ようやく、ステージに集中する体勢をとることが出来た。

これなら、万一、自分に飛び降りたい衝動が起こってもブレーキがかかる。高所恐怖症とは、ただ高いからなのではなく、自分が下に吸い込まれてしまいそうなことが恐怖なのだ。
ところが、今日は演奏が余りに素晴らしかったため、第2楽章が終わったとき、このベルトを解いた。演奏に集中することで精神が落ち着いて、飛び降りる心配が全くなくなったからだ。
それほどまでに、今日のマーラー9は素晴らしかったのである(笑)。
とにかく、高い所が恐怖。
昨年、ミラノ・スカラ座「ファルスタッフ」を東京文化会館の4階で観たときも肝を冷やしたが、みなとみらいの3階も、すみだトリフォニーの2階ほどではないものの、かなりの高さ。1列目に平然と座している人びとの気が知れない。手摺りに肘を乗せて下を覗く人が居たりすると、自分が下に落ちるような錯覚に陥ってヒヤヒヤするし、転けた勢いで、そのまま1階に転落したらどうしようと思うと、階段を降りるのにも腰が引けてしまう。
前にも書いたが、3列目というのは僕にはギリギリ。座ってからも、どうにも落ち着かない。ところが、今回は運良く通路側の座席だったため、右手に手摺りがあった。そこで、ウエストポーチのベルトを緩めては、身体を手摺りに固定することに成功。ようやく、ステージに集中する体勢をとることが出来た。

これなら、万一、自分に飛び降りたい衝動が起こってもブレーキがかかる。高所恐怖症とは、ただ高いからなのではなく、自分が下に吸い込まれてしまいそうなことが恐怖なのだ。
ところが、今日は演奏が余りに素晴らしかったため、第2楽章が終わったとき、このベルトを解いた。演奏に集中することで精神が落ち着いて、飛び降りる心配が全くなくなったからだ。
それほどまでに、今日のマーラー9は素晴らしかったのである(笑)。