goo blog サービス終了のお知らせ 

福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

ドラティのストラヴィスキー三大バレエ

2014-09-18 13:17:37 | レコード、オーディオ


アンタル・ドラティ指揮によるストラヴィンスキー三大バレエ
「春の祭典」「火の鳥」「ペトルーシュカ」米マーキュリー原盤 SPEAKERS CORNERによる180g重量復刻盤 3LP



特別なストラヴィンスキー・ファンというワケではないが、在庫のある今のうちに、ということで、復刻に定評あるSPEAKERS CORNERの3枚組アナログ盤を入手。

というか、最近は「これまで、聴いてこなかったものを知ろう」と、敢えて、趣味のド真ん中から外れたものも聴くように心掛けているのだ。
そもそも、ボクの好みについては、ストラヴィスキーで一番好きな曲は「詩篇交響曲」などと言って、宇野先生や中野さんに大笑いされたほどなので・・。

まずは、ミネアポリス響(現ミネソタ管)との「春の祭典」を聴く。原始的とも言える野性味が、聴く者の魂を鼓舞する演奏。今ではもっと洗練されたり、上手いパフォーマンスはいくらでもあるだろうが、洗練されることで失われるものもあることを、この録音は教えてくれる。確かに、終盤には苦しい場面もあるけれど。

オリジナルは知らないが、生々しく素晴らしい音質。マスターテープのホワイトノイズをカットせずに残したSPEAKERS CORNERの英断には拍手を送りたい。ノイズを消すことで、演奏そのものの精気まで奪われたディスクが枚挙に暇がないからである。

モントゥーのベートーヴェン交響曲全集

2014-09-15 10:40:37 | レコード、オーディオ


モントゥーのベートーヴェン交響曲全集の見本盤が届きました。



本日は、ウィーン・フィルとの「エロイカ」を聴きましたが、リマスタリングは良好。オリジナル・アナログ盤より良いとは言いませんが、英デッカ・プレスの香りのする音なのは、嬉しい限り。

唯一のウエストミンスター録音による「第九」には、リハーサル風景と「ラ・マルセイエーズ」付き。オリジナル・アナログ盤にあった第1楽章のピッチの誤り(かなり高い)は修正されています。

既にお知らせしたとおり、世界初CD化のレオノーレ第3番は、同曲のトップを争う凄まじい名演。これを聴くためだけに、入手したとしても後悔はないでしょう。


長岡教信者ではないけれど・・・ 外盤A級セレクション 19番

2014-09-13 00:38:26 | レコード、オーディオ

FB友からの「稀少盤」情報に吊られて(笑)、ついつい入手。
ブランディーヌ・ヴェルレ(チェンバロ)によるバッハ: トッカータ全集 / 半音階的幻想曲とフーガほか

英国プレスの方が音がよいとの噂もあるが、このオランダ盤でも充分に優れた音質。

この盤が入手難の理由の1つが、長岡鉄男 外盤A級セレクション 19番であることらしい。

ボクは長岡世代ではないのでピンとこないのだけれど。

日本の一評論家の高評価で、世界的に品薄になるというのだから、日本人コレクター恐るべし。

それにしても、ヴェルレは何を聴いても、ツボにはまるな。典雅な音色と共に、精神に自由な羽ばたきがあるからだろう。

同じくバッハでは、仏Astreeに入れた平均律やゴールドベルク変奏曲も美しいがリリースはCDのみ。

ああ、LPがあれば良いのに。

 

蘭PHILIPS 6599 745/746 2LP


安部俊幸さん、安らかに!

2014-09-10 07:30:01 | レコード、オーディオ

↑「日本」は、中2の頃、ボクがはじめて買ったチューリップのレコード。


「ライブ!!アクト・チューリップ vol.2」は、中高生時代、最も愛聴した2枚組レコード。↓

ズバリ、チューリップのベストは、オリジナル・メンバーによるMELODYからSomeday Somewhereに至る時代、約4年間のライブだったと思う。

断じて、レコードではない。ライヴで聴いて良かったからとレコードで聴いても、同じ感動の得られないことが多かった。

引き締まって素晴らしいサウンドだったし、歌にも演奏にも若い生命力があった。

その点、メンバーチェンジ後の第2期は伊藤薫のドラムスが重たくて、チューリップの良さが薄れていた。

宮城伸一郎は良かったけれど、やはりオリジナル・メンバーの吉田彰のキャラクターには及ばなかった。

安部俊幸のギターは、チューリップのサウンドに不可欠だった。

秀でたテクニックもないし、即興性があったわけでもないのだけど、あのギブソン335(セミアコ)から紡ぎ出される哀愁を帯びた、色香の漂う音は他の誰にも出せないものだった。

「青春の影」も「夢中さ君に」も、安部さんでないとダメなのだ。

安部、姫野の抜けた第3期のチューリップで、どれほどこの二人の存在が大きかったかを知ったものである。

初めて行ったチューリップのコンサートは、1976年夏、ビートルズのCome Togetherに始まり、当時のニューアルバム MELODYからの新曲を沢山披露してくれたツアーの藤沢公演。
ハワイ公演には行けなかったけど、第1回鈴蘭高原、田園コロシアム、芦ノ湖、読売ランドなどの野外コンサートは学生時代の大きな思い出。特にオリジナルメンバーによる最初の2つ。

ALWAYSの日光や嬬恋ツアーにも行ったなぁ。

最後のチューリップのコンサートは、2012年の結成40年記念ツアーだった。あれが見納めだとは、まったく思っていなかった。

会場は東京フォーラムだったか? 最近のことの記憶の方が曖昧(笑)。

安部さん、長い間、素敵なギターを有り難うございました。そして、お疲れ様でした。
どうそ、安らかにお眠りください。

つのだ☆ひろさんによる追悼文が心に響きましたので、ここにアドレスを載せておきます。

http://ameblo.jp/tsunohiro/entry-11922543405.html



文春新書第3弾 宇野功芳・中野雄・福島章恭 共著 12月に発売!

2014-09-08 14:03:43 | レコード、オーディオ


予告されながら、長らくお待たせしている宇野功芳先生、中野雄さんとの共著による文春新書が、いよいよ12月に発売とのことで、今朝から刷り上がったゲラの校正をしていた。

第1弾は名曲名盤、第2弾は演奏家篇、第3弾となる今回は、作曲家篇となる。ただし、ハイレゾ配信躍進のいま、今さら「クラシックCDの名盤」でもなく、書名は未定。

諸事情により当初の予定から遅れに遅れての刊行となるが、その間にリリースされた音源などもあり、それらが文章に反映できたことは、怪我の功名であろう。

もう少し早いかと思っていたが、文春新書からは、中野雄さんの新刊(小澤征爾関連)も出たばかりで、間隔をとる必要があったのだと思う。営業の方針には従うのみ。

残念なのは、書店に並ぶのが愛知祝祭管とのブルックナー8の演奏会後となってしまったことで、もし前なら、多少なりとも集客に協力できたのに、とそればかりは大いに惜しまれる。

宇野先生の筆は益々自由で軽やか。中野さんも饒舌。わたしの文章も昔に較べると良くなっている。
ということで、今回は、3人の共著の中では一番面白いのでは、と感じているところ。

正式な発売日が決まり次第、お知らせしたい。



訂正 ピエール・モントゥーの芸術vol.1

2014-09-06 21:52:16 | レコード、オーディオ



先日アップした記事に重大なミスがありました。

ヴィンテージ・コレクション+プラスの特別編として、没後50年ピエール・モントゥーの芸術の第1弾!

9月17日発売とお知らせしましたが、それはベートーヴェン交響曲全集のみ。

ウィーン・フィルとのブラームス#2、ベルリオーズ:幻想交響曲、ハイドン:交響曲#94&101、パリ音楽院管との「春の祭典」「ペトルーシュカ」など、

以上、写真の4点は3日に発売済みでした。

本日、見本盤が届いて、それに気付いた次第。面目ありません。

早速再生していますが、リマスターは期待を超えて素晴らしく、CDとしては相当に良い音質だと思われます。

どうぞ、宜しくお願いします。

 

“VINTAGE COLLECTION +plus”特別編 「没後50年 ピエール・モントゥーの芸術」Vol.1 - TOWER RECORDS ONLINE


今回は、我がモントゥーへの愛が通じたのか、プログラムノートを書かせて頂く運びとなった。なんという幸せなお仕事!

今回の目玉は、ベートーヴェン交響曲全集に収められたら、「レオノーレ第3番」。

過去に一度だけ、CLASSIC RECORDS社による重量復刻盤で世に出ただけという世界初CD化。

これがもう、とんでもない名演なのだ。個人的にはクナッパーツブッシュ&ウィーン・フィルのライヴと双璧。クナッパーツブッシュはある意味怪演だが、モントゥーはもちろん正統派。どちらも素晴らしい。

ボクは未聴ながら、すべてアナログマスターからの新リマスタリングということで、CDの音質にも期待しているところ。

ひとりでも多くの方に、モントゥー芸術への関心を持って頂ければ幸いです。


噂のiFi micro iDSD

2014-09-05 23:03:57 | レコード、オーディオ

噂のiFi micro iDSDが到着

アナログ偏重、ハイレゾは未だ96kHz / 24bit上限だったわがシステムにDSD音源が鳴るのか?

今回、とても重要なことは、現在のシステムのハイレゾ再生は

MacBook Pro(Fidelia)~iFi: micro iPower ~ iFi: micro iLink((DDコンバーター)~ dCS: Elger plus(DAコンバーター) ~ Audio Research: Reference 1(プリアンプ) ~ CHORD: SPM1200E(パワーアンプ)

という流れだったものが、

MacBook Pro(Fidelia)~iFi: micro iPower ~ iFi:micro  iDSD(DAコンバーター) ~ Audio Research: Reference 1(プリアンプ) ~ CHORD: SPM1200E(パワーアンプ)

というように、これまで我がシステムのデジタル部門の要であったdCS製品を一切経由しないことになること。

これは、ひとえにElger plusにDSD再生のスペックの備わっていないことによる。

述べるまでもなくiFi製品とdCSでは、ステータスも価格帯も全く異なる。車にたとえるなら、軽とベンツほどに・・・。

現状でも、iFi: micro iPowerとmicro iLinkのコンビが、高級機dCSと対等に渡り合っている凄さを見せつけられているが、

さて、iFiのみでのDSD再生、どんな世界を創出してくれるのか、今から楽しみである。

いまは、原稿締切間際のため、開封は週明けだ。


ラヴェル --- その素顔と音楽論 マニュエル・ロザンタール

2014-09-05 13:17:32 | レコード、オーディオ


かねてより読みたいと切望していたマニュエル・ロザンタールの「ラヴェル --- その素顔と音楽論」(マルセル・マルナ編 伊藤制子訳 春秋社)をようやく入手。

1998年の翻訳本ということで、そう古い本ではないが、うっかりしているうちに絶版になり、一時期は古書相場が高騰。とても手の出せない時期が暫くつづいていた。

この度、久しぶりに検索したところ、定価と同価格での美品を発見し、めでたく我が蔵書に加わったわけである。

まだ、届いたばかりで、語るべきことはないが、ひとつ気になったこと。
いま、ザーッと斜め読みした時点で、この書にはピエール・モントゥーの文字はない。ピアニストではぺルルミュテール、カサドシュ、指揮者ではトスカニーニ、エーリヒ・クライバーへの言及はあるのだが、「ダフニスとクロエ」初演指揮者がスルーされているの些か不自然だ。

「ダフニス」初演にまつわるロシア・バレエ団のディアギレフや振り付け師フォーキンとのいざこざについては、触れられているのに。

ラヴェルの弟子にして、指揮者でもあったロザンタール。俄かに断定はしないが、モントゥーへのライヴァル心や嫉妬があったのだろうか?

百恵伝説-Star Legend- 

2014-09-01 14:13:29 | レコード、オーディオ

百恵伝説 -Star Legend- 山口百恵 (Momoe Yamaguchi)
1980年 ソニーミュージック CS-7259/CS-7260/CS-7261/CS-7262 (5枚組)

昨日、厚木モツレクのレッスン後に寄った地元ユニオンでゲットした「百恵伝説」LP5枚組。

なんと、489円!
タスキと特典のシールが付いていなかったから安かったのかな?

早速、デビュー当時の曲(レコード1枚目)と引退間際の曲(レコード5枚目)を聴いてみたが、「感涙にむせぶのでは?」という自らの期待に反して、懐かしさとかは全く込み上げてこない(笑)。
セカンド・シングルの「青い果実」など、AMラジオから流れる「あなたが望むなら 私何をされてもいいわ」という衝撃的なフレーズを胸ときめかせて聴いたものだが・・・。

しかし、この歌詞を中学2年生のアイドルに歌わせたのは、今さらながらに凄いと思う。苦情が殺到してニヤリとしたというのだから。

「青い果実」も含め、「としごろ」「ひと夏の経験」など、初期シングルの都倉俊一作品は、すべて馬飼野康二ら、他人のアレンジ。多忙だったのかな? 
ピンクレディーのヒットナンバーのように、都倉自身によるアレンジなら、もっともっと良かった筈と想像するのだけれど・・。もしかしたら、都倉俊一ですら、デビュー直後は、山口百恵があそこまで大成するとは考えていなかったのかも知れないな。でなければ、自分でもっと凝ったアレンジをしたはず。

ただ、1曲1曲、リリースを重ねる毎に、声が大人に近づき、歌唱力の増してくるのを聴くのは興味深かった。

後期の方では、谷村新司の「いい日旅立ち」とか、さだまさしの「秋桜」とか、日本人の情感に訴えるような湿っぽい作品が苦手なことを再確認。
その情感には溺れたくない自分が、若い頃からあったから。

その点、作曲家陣に、財津和夫、大瀧詠一、ユーミン、細野晴臣らを揃えた松田聖子の方がグッとくるのだ。特に財津和夫作品が。
松田聖子に関しては、別の機会に書こう。

とはいえ、山口百恵といえば、「プレイバックpart2」「横須賀ストーリー」「ロックンロール・ウィドウ」「イミティション・ゴールド」「絶体絶命」など、阿木燿子&宇崎竜童コンビによる作品抜きに語るべきではないのだろうな。それら肝心要を昨日は飛ばしてしまった。いずれ、気の向いたときに聴いてみなくては。

 


憧れのモントゥー ブラームス4番

2014-08-30 10:34:57 | レコード、オーディオ



モントゥーのブラームス。
ボクにとって、最高のブラームス。

それなのに、スタジオ録音では、4種の2番のみ。1番、3番は、コンセルトヘボウ管との素晴らしいライヴがある(仏ターラ)ものの、4番だけは聴けないでいた。

1960年ボストン響との4番があるというので、久し振りに海賊盤CDに手を出してしまった。MEMORIESレーベルの全集だが、音は案の定、極めて悪い。
4番などステレオと銘打たれているけど、何度もダビングの繰り返されたカセットテープのようなボヤけた音。

しかし、演奏は本当に気高い。美しい。こんな情けない音の向こうからそれが伝わってくる。

これを知ってなお、余計にモントゥーのブラームス4への憧憬が高まってしまった。同じ日付のCD-Rもいくつか出ているけど、少しはマシなのか?
ああ、それより、どこかに、コンディションの良いマスターテープは残っていないものか?