狩江のお祭りと文化論

~愛媛県西予市明浜町狩江地区のお祭りや、四季折々の風景、暮らしを独自の観点からお伝えいたします~

神社参拝のころ

2017-10-31 17:32:59 | お祭り

  

御船はあいにくの雨で、神社階段前に待機。雨で本裏側の斜面道路を通過できないためです。

  

     ちょうどこの頃、雨も上がり、東の空は明るくなっておりました。

  

     

    

   

  

いつものことながら、いい雰囲気ですね。みんなワクワクしてます。


本浦お浜出で

2017-10-29 11:39:08 | お祭り

10月28日、未明からぼそぼそと憎たらしい雨が降っておりました。

たまに一時的に止んだりの難しい天候。

でも今年もやります、雨が降ろうが台風が来ようが!

  

牛鬼の邪気払いがないと、地域はこの1年困るんです。

  

ちょうどお浜出での頃、小雨に。

  

地域あげての大イベントが始まりました。

個人的には、牛鬼のお借りやお清めシーンを、手前の神輿をアップにして写したかったのですが

機材不足で、少し離れた場所から撮影しました。

  

     

     

いつもと違うのは、お借りや天幕のバックの防水シート・・・。


御船組衣装付け

2017-10-27 22:02:04 | お祭り

すばらしかった!踊り、内容、ステージにおいて涙が出ました、ホントに!

史上最強メンバーと言われた今回のステージです。

芸能区と言われる門脇区の神髄を見たようです。

若い方で今回舞踊が初めての人もおられますが、ううん・・・と

唸らせるような出来栄え。ファンクラブもできていて、会場からは応援の渦でした。

バックの絵も素晴らしいでしょう?

上の写真の方、20前後の若い男性ですよ!


オハケオロシ

2017-10-26 21:05:32 | お祭り

   

始まりました、これから3日間、狩浜は仕事どころではありません。

   

お借りやを作り、準備にも心は軽やか。牛鬼のかごも作ってます。

   

        

        

       今回はビニールシートを用意していました。

   

        

天気快晴。いい祭りになることを願って。

今夜は各練りの衣装付け。盛り上がることでしょう!


昭和のあの頃

2017-10-25 21:31:17 | お祭り

久しぶりに夜空をじっくりと眺めてみました。

西の空には、三日月が今にも山にひっかりそうな、雲一つない

満天の星空。

集会所からは、明日の衣装付けの総練習の音。

静かな夜です。そして明日はいよいよオハケオロシの日。

この日は、小学校から帰ったらすぐ本浦の中浜に急いだものです。

牛鬼のかごがじっと座っていたからです。頭も毛も何もつけていない

ただのかごですが、胸がどきどきしました。

のぼり旗はすでに立てられていて、一気に特別な日がやってきたと

小さな胸は緊張しました。

おとながそわそわするものですから、子供なんてもう寝てられない。

早く寝よ!と言われながら興奮剤を飲んだように頭はお祭りでいっぱい。

おまけに旗がギィギィなるものですから、ますます頭は冴える。

ようやく布団が温まってきて、やがて夢の世界へと入るころには

どこかで牛鬼の笛が鳴っていました。

一年のうちで一番いい服を着せてもらい、遠くからびくびくしながら牛鬼を追い、

本浦の親戚でごちそうをいただく。

いつまでたっても変わって欲しくない、お祭りの風景。

わたしはこれが好きで、サラリーマンをやめて実家に帰ってきました。

 

 


三味線練習合宿

2017-10-23 17:53:01 | お祭り

  

お船組三味線の練習風景。

4人の三味線担当、小太鼓一人、お囃子数人の構成です。

9月より練習開始、みんなの息もぴったり、本番いつでも!の、状態です。

練習10分間、あと飲んで雑談2時間の世界です(ハハハハハ)。

当日は漁業組合前を出発、あの風流で厳かな音色とともに、お祭りがスタートします。

曲は「みちびき」「川入り」の2曲、どちらも門の脇オリジナルの曲です。作曲者不詳。

150年の伝統があります。

 

 

 

 


台風21号接近中

2017-10-22 09:53:54 | 四季の風景

超大型非常に強い台風21号が日本列島に接近中。

すっぽりと日本が包まれてしまうほどの大きさです。怖い。

現在の通過予定コースでは、当地では東寄りあるいは北東の風が吹きます。

時折風が舞っています。今夜にかけてその影響が最大に出そうです。

お祭り前の忙しい時期ですが、ちょっと掃除には向いていないかも。

じっと通り過ぎるのを待ちます。

通過後は秋晴れがやって来そうです。


仏像構造線とお祭りについて

2017-10-20 18:38:18 | 狩江の歴史をたずねて

       

今回は、狩浜のお祭りを学術的見地からアプローチしてまいります。

そもそも狩浜の秋祭りってなんでこうおもしろいのでしょう?と、地元の人は

そう思います。外部から結婚などで狩浜に移り住んだ人からは、また別の

感じ方があると思います。十人十色でいいと思います。だって、やっぱり

自分の生まれ育った土地のお祭りが一番ですから。

 

さて、いろいろな調査の結果から、私たちが住むこの狩浜は、地質学的な独自性を持ち、

文化・暮らし・歴史と非常に密接に関係していることがわかってきました。

現在、文化的景観調査も大詰めとなり、今まで知らなかったこともいっぱい出てきました。

それらを参考に、持論を交えてお祭りを考察したいと思います。

    題して、「それは偶然性と必然性の物語」。

その物語のキーワードとなるのが「仏像構造線」であります。

みなさん、この狩浜の土地に、仏像構造線という有名な断層が通っているって

知ってましたか?狩浜をほぼ東西に横断していますが、断層といっても、

熊本や神戸などのような直下型地震の元になるような活断層ではありません。

この仏像構造線が、今の狩浜の景観と、さらにお祭りに深く結びついているということです。

もしこの仏像構造線が狩浜を通っていなかったなら、現在の景観はもちろん、独特のこの

お祭りもありえなかったかもしれません(と思います)。

ええええ・・・、そうなの?まあ、私の持論ではありますが・・・。

では仏像構造線とは何?

この仏像構造線は、西は九州から東は関東まで日本を横断していて、異なる地質層の

境目だと思って下さい。

狩浜地区では上写真の、ほぼ中央あたりを東西に通っています。

この仏像構造線を境に、当地では北側では石灰石・チャート、溶岩、玄武岩が確認でき

南側では砂地のもろい四万十帯の地質に分かれています。

狩浜の石灰岩ははるか昔(2,3億年前)にハワイ近辺で生成され、プレートに乗って

大陸プレートとぶつかり、四国形成の際、付加帯として狩浜の大地の一部となりました。隆起した石灰岩は、

西の高山地区では石灰業として一時期を築き、石灰業を成すほどの産出がなかった狩浜地区では、

それを段々畑の石積みとして利用しました。たまたま地域の真ん中を通る仏像構造線北側に沿って

石灰岩層が形成され、その後の狩浜の、石灰石を利用した独自の段々畑景観を形作る重要な

要素となったのです。

そうです、もし仏像構造線がこの地を通っていなかったなら、石灰岩は産出していません。

このような狩浜の大地形成の「偶然性」は、石灰石の段々畑景観を生み出し、またそこに暮らす人々の生活や

文化にも大きな影響を与えてきたことは言うに及びません。

さて次に、この地は平地が狭いため、耕せる農地は限られてきました。その為、江戸時代に

吉田藩に年貢を納めるためには、裏山を開墾せざるを得なかったのです(藩が奨励しました)。

開墾された畑は、多くの労力時間を費やし、上へ上へと延び、やがて石垣作りの段々畑が出来てきました。

生きてゆくための、歴史の中での「必然性」です。

ところで、狩浜地区の段々畑の面積ってどのくらいあるか、想像できますか?

その規模なんと東京ドーム14個分に相当します。ええええ・・・、そんなに!

現在いまなお、往時の開墾面積(明治時代)と同じほどの耕地が存在しています。

すばらしい!先人の苦労が偲ばれます。

その堅固な石積みの段々畑は、ずっと地域の生業を支え続けました。

過酷であったろう農作業と同時に、耕地の保全開拓に先人たちは投資してきました。

このような自然環境のもと、暮らす人たちは互いに協力しあい、結びつきを深め

コツコツと地道に生きてゆくことは必然的な流れであったと思います。

そして年に一度のハレのお祭り。

過酷な労働から少しの間解放され、地域はおおいに祭りを楽しみました。

いろいろな練りに嗜好をこらし、自分たちが一番楽しいことを積み重ねてきました。

今以て伝統をきっちり守り続け、お祭りの火を絶やさないよう住民みんなが

協力しあえるのは、きっとこの狩浜気質があるからでしょう。

大地形成の偶然性から、歴史的必然性。そしてその上に成されてきた人間の営み。

大地は人を創り、育み、狩浜という独自の文化を持った完成品をつくりあげたのです。

わがふるさとは、世界にただ一つの大切な場所なのです・・・。

 

以上、ちょっと違う観点からお祭りを考えてみました。

ご意見をお聞かせ下さい。

 


お船組おどりのお師匠さんにインタビュー

2017-10-19 21:17:52 | お祭り

       

今回のお船組の踊りを担当していますお師匠さんにお聞きしました。

〇ご出身は?

愛媛県松野町です。(お師匠さんは車で約1時間弱の松野町から毎回来れれてます)

〇踊りの流派は?

坂東流です。

〇この狩浜のお船組についてどう思われますか?

すごい!と思います。横のつながりや連携がすばらしいですね。

伝統を守りつつ、老若男女問わずつながりのある大変珍しい土地柄だと思います。

他にはこんな地域はありません。教え甲斐があります。特に若い方がすばらしい!

〇お祭りに向けて抱負をお聞かせ下さい。

みなさん、大変熱心にお稽古をやられています。ぜひ成功させて地域の方に

喜んでもらいたいと思います。

〇どうもありがとうございました。あと1週間ですが、よろしくお願いいたします。

 

ということで、毎回練習日には松野町から来られます。結構遠いですが

いつも綺麗な着物姿での先生はすてきです。