狩江のお祭りと文化論

~愛媛県西予市明浜町狩江地区のお祭りや、四季折々の風景、暮らしを独自の観点からお伝えいたします~

昭和のあの頃

2017-10-25 21:31:17 | お祭り

久しぶりに夜空をじっくりと眺めてみました。

西の空には、三日月が今にも山にひっかりそうな、雲一つない

満天の星空。

集会所からは、明日の衣装付けの総練習の音。

静かな夜です。そして明日はいよいよオハケオロシの日。

この日は、小学校から帰ったらすぐ本浦の中浜に急いだものです。

牛鬼のかごがじっと座っていたからです。頭も毛も何もつけていない

ただのかごですが、胸がどきどきしました。

のぼり旗はすでに立てられていて、一気に特別な日がやってきたと

小さな胸は緊張しました。

おとながそわそわするものですから、子供なんてもう寝てられない。

早く寝よ!と言われながら興奮剤を飲んだように頭はお祭りでいっぱい。

おまけに旗がギィギィなるものですから、ますます頭は冴える。

ようやく布団が温まってきて、やがて夢の世界へと入るころには

どこかで牛鬼の笛が鳴っていました。

一年のうちで一番いい服を着せてもらい、遠くからびくびくしながら牛鬼を追い、

本浦の親戚でごちそうをいただく。

いつまでたっても変わって欲しくない、お祭りの風景。

わたしはこれが好きで、サラリーマンをやめて実家に帰ってきました。