国宝 関屋・澪標図屏風と琳派の美
静嘉堂文庫美術館
2006年4月8日~5月14日
実は、琳派の名品をこれほど一同に鑑賞するのは私としては初めて。参考展示の重要文化財 平治物語絵巻 信西巻も鑑賞できて大満足。
国宝「源氏物語関屋澪標図屏風」俵屋宗達
「関屋図」には源氏と空蝉が逢坂山で、「澪標図」には源氏と明石君が住吉神社で、邂逅する場面を描く。金・緑・白で画面を構成する。左に「澪標図」、右に「関屋図」を並べて展示していたが、こちらが私の好み。最近は逆の配置もあり、とことでクイズがパンフレットに。「澪標図」には、同じような人物が何組か描かれているので探してみようというクイズも。
画題については、源氏物語に物語に素養がない(映画もドラマもみたことがない)ので感激が薄い。宗達の国宝3点のうちのひとつ。他の2点は、「風神雷神図屏風」(建仁寺)、「蓮池水禽図」(京都国立博物館)
(HPから)俵屋宗達の代表作として名高い国宝「源氏物語関屋澪標図屏風」は、『源氏物語』第14帖「澪標」と第16帖「関屋」に取材し、源氏と女性との再会の場面を金屏風の左右に描き分けたもので、「関屋図」には源氏と空蝉、「澪標図」には源氏と明石君の偶然の出会いが、それまでの源氏絵にない大胆な構図と色遣いでドラマテイックに表わされています。京都山科の醍醐寺に伝来し、明治半ば頃、岩崎彌之助(静嘉堂創設者、三菱第二代社長)が同寺に寄進した返礼として岩崎家に贈られました。
重美 「秋草蒔絵謡本箪笥」
重文 尾形光琳「住之江蒔絵硯箱」
和歌を硯箱に刻む。
尾形光琳「紅白梅図屏風」二曲一双
尾形光琳「桜鹿・紅葉鶴図屏風」二曲一双
春(さくら)の鹿と秋(紅葉)の鶴が季節を超えて鳴きわたる。鹿に見とれていましたが、一寸ひねった画題でした。
重美 尾形光琳「鵜舟図」一幅 絹本墨画淡彩 一幅
尾形光琳「定家詠十二ヶ月花鳥図屏風」六曲一双 (7月から12月)
尾形乾山「色絵定家詠十二ヶ月花鳥図角皿」十二枚
おしゃれですね。定家の詠歌にあわせた花鳥図を、屏風と角皿で並べて展示です。
尾形光琳「四季草花図小屏風」六曲一双
もともと巻物として製作したものを小屏風に仕立てた作品。草花が重なって描かれる様が、西洋絵画のような構図を構成して見事です。
尾形光琳「布引滝・双鶏図」三幅 うち二幅
伊勢物語87段が画題。
重要美術品 酒井抱一「麦穂菜花図」二幅
麦穂と菜の花の咲く野を、鳥がさえ渡り、舞い上がる。麦穂の緑と菜の花の黄の対比が鮮やか
酒井抱一「絵手鑑」 一帖
様々な技法で動植物等を描いています。
鈴木其一「雪月花三美人図」三幅
江戸新吉原の三浦屋抱えの薄雪、高尾、長門の三美人を初雪、萩と月、桜を背景に描く。
鈴木其一「雨中桜花楓葉図」 二幅
薄墨で雨を画面に斜めに描いています。淡い薄墨は暖かい雨を感じさせ、楓の紅が映えます。
このほかに初めて知ったが原羊遊斎の工芸品。不昧公の注文にも応えた人物。不昧公の注文の「菊蒔絵大棗」(1817)とか、「桐蒔絵茶杓」(不昧公の正室セイ(青へんに彡)楽院の箱書きで東福門院御好みの意匠とある)、「片輪車螺鈿蒔絵棗」などが展示されていた。
宗入(楽家五代)黒楽茶碗 銘やまからす、赤楽平茶碗 銘さざ波 も展示されていた。
重要文化財 平治物語絵巻 信西巻 一巻
彩色の風景が描かれていたので吃驚。先般見た東京国立博物館の六波羅行幸は背景は無地。ボストン美術館所蔵の三条殿夜討も「国宝」とかで写真を見る限りは、背景は無地。物語絵巻全体でいろいろな作風があるということなのか、それとも絵巻全体の構成として白地で緊迫感を強調したのか。
展示解説は、つくりえ、彫絵(輪郭線をさけて彩色する)の技法、話の筋書きなど説明が詳しく楽しめました。話の筋書きをキチンと読み進めていくと、信西を首を刎ねる場面。緊張しました。
静嘉堂文庫美術館
2006年4月8日~5月14日
実は、琳派の名品をこれほど一同に鑑賞するのは私としては初めて。参考展示の重要文化財 平治物語絵巻 信西巻も鑑賞できて大満足。
「関屋図」には源氏と空蝉が逢坂山で、「澪標図」には源氏と明石君が住吉神社で、邂逅する場面を描く。金・緑・白で画面を構成する。左に「澪標図」、右に「関屋図」を並べて展示していたが、こちらが私の好み。最近は逆の配置もあり、とことでクイズがパンフレットに。「澪標図」には、同じような人物が何組か描かれているので探してみようというクイズも。
画題については、源氏物語に物語に素養がない(映画もドラマもみたことがない)ので感激が薄い。宗達の国宝3点のうちのひとつ。他の2点は、「風神雷神図屏風」(建仁寺)、「蓮池水禽図」(京都国立博物館)
(HPから)俵屋宗達の代表作として名高い国宝「源氏物語関屋澪標図屏風」は、『源氏物語』第14帖「澪標」と第16帖「関屋」に取材し、源氏と女性との再会の場面を金屏風の左右に描き分けたもので、「関屋図」には源氏と空蝉、「澪標図」には源氏と明石君の偶然の出会いが、それまでの源氏絵にない大胆な構図と色遣いでドラマテイックに表わされています。京都山科の醍醐寺に伝来し、明治半ば頃、岩崎彌之助(静嘉堂創設者、三菱第二代社長)が同寺に寄進した返礼として岩崎家に贈られました。
和歌を硯箱に刻む。
春(さくら)の鹿と秋(紅葉)の鶴が季節を超えて鳴きわたる。鹿に見とれていましたが、一寸ひねった画題でした。
おしゃれですね。定家の詠歌にあわせた花鳥図を、屏風と角皿で並べて展示です。
もともと巻物として製作したものを小屏風に仕立てた作品。草花が重なって描かれる様が、西洋絵画のような構図を構成して見事です。
伊勢物語87段が画題。
麦穂と菜の花の咲く野を、鳥がさえ渡り、舞い上がる。麦穂の緑と菜の花の黄の対比が鮮やか
様々な技法で動植物等を描いています。
江戸新吉原の三浦屋抱えの薄雪、高尾、長門の三美人を初雪、萩と月、桜を背景に描く。
薄墨で雨を画面に斜めに描いています。淡い薄墨は暖かい雨を感じさせ、楓の紅が映えます。
彩色の風景が描かれていたので吃驚。先般見た東京国立博物館の六波羅行幸は背景は無地。ボストン美術館所蔵の三条殿夜討も「国宝」とかで写真を見る限りは、背景は無地。物語絵巻全体でいろいろな作風があるということなのか、それとも絵巻全体の構成として白地で緊迫感を強調したのか。
展示解説は、つくりえ、彫絵(輪郭線をさけて彩色する)の技法、話の筋書きなど説明が詳しく楽しめました。話の筋書きをキチンと読み進めていくと、信西を首を刎ねる場面。緊張しました。
こちらの方にもお邪魔しています。
今回の屏風絵は以前バーク・コレクション展で見た伝宗達の「源氏物語図屏風」とは場面構成の仕方が全く違って、興味深かったです。
またとても文学的な内容で見る方にも気合が入ります。
平治物語絵巻ですが私は「信西獄門の場」を見ましたが、できれば全ての場面を見たかったです。