人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界- @東京国立博物館
2019年11月6日(水) ~ 2020年2月9日(日)
エジプト文明展、ペルシア文明展、インカ文明展と文明ごとでの展覧会は数多く見てきた。
世界中の紀元前の小品が「人」「神」「自然」とのテーマごとに展示されている。
こういう切り口で展覧会は初めて。
庶民ならばお土産をキュリオケースに並べて愛でるところを、
大金持ちの王子が、世界中から美しい文物を集めて並べてみた。
それがたまたま、紀元前の古代の文物だったということだろうか?
昔、メトロポリタン美術館に行って、西洋絵画はよくわからないが、
古代文明のコーナーで面白い造形のものがないかと探しながら
見るのが好き、といっていた友達を思い出した。
確かに、その造形の面白さや美しさが際立った小品ばかりが
ならんでいると、ひとつひとつゆっくり見ていても見飽きることはない。
「神」の姿や、「動物」の種類や感情は、文明に依ってそれぞれ。
インカの神はなぜ四角なのか、可愛らしい動物の造形は、やはり家畜化が
進んだ後だろうか、などと思ってしまう。
一方、人間として文明に依らない共通的な「人」「神」「自然」に対する
意識が造形となっているなあ、とも感じられる。
117点しかないが、ゆっくりと見て楽しめる展覧会。おすすめ。
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>古代の人々は、自分たち自身をどのように表現したのでしょうか。神々や死後の世界、自然界をどのように認識したのでしょうか。古代の美術工芸品には、当時の人々の意識や世界観が投影されています。
>本展覧会は、カタール国の王族であるシェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アール・サーニ殿下が収集されたザ・アール・サーニ・コレクションの中から、世界各地の古代文化が生み出した工芸品117件を厳選してご紹介します。「人」「神」「自然」の3つの展示テーマに沿って古代世界を巡ってみましょう。
>ザ・アールサーニコレクションとは…
>カタール王族のシェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アール・サーニ殿下が収集されたザ・アール・サーニ・コレクションは、その豪華さと多様な地理的・文化的背景を特色としています。古代から近現代までを網羅する傑出した美術品の数々は、人類の創造性のひとつの到達点を示しています。2020年には、パリのコンコルド広場に面したオテル・ドゥ・ラ・マリーンに特設されるミュージアム・スペースでも公開を予定しております。