徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

特別展「歌川広重没後150年記念 広重が描いた日本の風景」

2007-09-15 | 絵画
特別展「歌川広重没後150年記念 広重が描いた日本の風景」
2007年7月28日~8月19日[前期]
2007年8月23日~9月17日[後期]
神奈川県立歴史博物館

神奈川県立歴史博物館が所蔵する故丹波恒夫氏のコレクションを中心に、川崎・砂子の里資料館などの作品を加えて展示された展覧会。

前期は、東海道五拾三次(保永堂版)を楽しんだ。参考に展示されていた画中の人数が多い「日本橋 行烈振出」など面白かった。

近江八景は、和泉屋市兵衛版、魚屋栄吉版などが展示されていた。昨年、東博で拝見した(こちら)〈保永堂・栄久堂板〉のほうが良かったが、いろいろな版があることが知ることができ、それも一興。

後期は、六十余州名所図会。(1853-56)。山城 あらし山渡月橋、伊豆 修善寺湯治場のように現在と変わらぬ名所もあるが、「山小奇観」(1802)などの先行例などから取った図案もあるようだが、この風光明媚な日本の風土は失われてしまったところも多いのではと感じた。

木曽路之山川、武陽金澤八勝夜景、阿波鳴門之風景、 の雪月花の大錦3枚組三点が展示されていた。武陽金澤八勝夜景は、東博(A-10569-3230~3232)、太田記念美術館で、阿波鳴門之風景は、太田記念美術館でも今月は拝見。

武陽金沢八景略図 金龍院版には、洲崎晴嵐、瀬戸秋月、小泉夜雨、乙艫帰帆、称名晩鐘、平潟落雁、野島夕照、内川暮雪の場所が描かれている。また展示解説に現在の地形との比較がしてあったが、武陽金澤八勝夜景の右の一図が、現在の金沢文庫駅から金沢八景駅のあいだの平潟湾。野島岬は中央の図に描かれている。いずれにせよ、今は埋め立てられてしまった風景。

もう一点、興味を引いたのは箱根の「七湯方角略図」(福住九蔵版)。箱根湯本には福住しかなかったのですね。
コメント (2)
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