愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

判決は画期的だが12年選挙を無効にせず追認、一票の格差是正を定数削減にスリカエ、党利党略の中身は黙殺

2013-03-06 | 日記

東京高裁で違憲判決が出ました。日本の選挙制度が「人間は平等に生まれた」とする資本主義社会の根本原理に基づいていないことを、改めて告発しました。しかし、違憲状態下で行われた昨年の総選挙は違憲だが、有効という訳の判らない判決となりました。

 これでは、事実上の自公政権の追認ということになります。1000万人もの有権者が棄権した選挙を有効とし、安倍自公政権の悪政を応援するのです。「司法の独立」はどこへやら、です。日本国民はもっと怒るべきでしょう。人間の値打ちが選挙区によって異なるのです。しかも時代によって変動するのです。まさに変動相場制選挙制度というところでしょうか?

 何故こういうことになるか?それは自民党の党利党略を野放しにしてきたことが最大の要因です。

中選挙区制時代の一票の格差、参議院選挙区の一人区、2人区の格差、二大政党政治をつくるとして成立させた小選挙区制の格差、全国区から比例ブロック11をつくることで、死票を作り出して新たな格差を誕生させたことは、事実上の政権政党支配を温存するための装置でした。

 さらに言えば、事実上、というか、小選挙区制の地方版としての各都道府県議選挙の格差も政権政党温存の装置です。

 こうして戦後日本の保守勢力、日米軍事同盟深化派が温存され、第一党を維持してきたのです。

 小選挙区制の「利点」、政権交代可能な選挙制度としての触れ込みで民主党政権が誕生しましたが、民主党の自民党化で、違いが不鮮明になりました。それは第一党と第二党が政権公約を掲げて政権を争うものの、日米軍事同盟の評価や日本社会の運営に当たって誰の利益を優先するか、そして憲法の評価をめぐって、日本の二大政党は、その違いが判らないほど似通ったものとなり、国民の不信を買ってしまいました。それもこれも、マスコミが二つの政党の応援団となり、日々二つの政党の「活躍」を報道したからです。

 それ以外の政党は、いつも後景に追いやられ、選択肢から排除されていったのです。二つの政党への支持が激減しても、排除されている小政党が選択肢に入ることができないのは、政策実現力の不確かさでしょう。これもマスコミの報道の賜物です。

 そのマスコミが、今どのような報道をしているか、その特徴をみてみます。一票の格差をどうすれば解消できるか、何故一票の格差があってはならないのか、この記事だけでは判りません。

 特徴は、

第一に、政治が違憲状態を放置してきたこと、

第二に、国民は法の下に平等であるという原則にもとづく選挙制度は如何にあるべきかを提示するおとなく、大政党と中小政党の対立・矛盾を指摘することで、この問題を「党利党略」問題にスリカエていることです。

第三に、国民不在です。投票するのは国民です。その国民の一票の価値が重い選挙区と軽い選挙区があり、それが政権政党の議席を保障していることを覆い隠しているのです。

 一票の価値を平等にするためには、比例制度しかないことは自明です。この視点を貫かないマスコミは何を怖がっているのか!ということです。

 明日の社説が楽しみです。どんな社説が出てくるか。予想としては、「3党合意」を口実に小選挙区制度を温存して比例代表制度の議席、定数削減を言ってくることでしょう。

 1票の格差:昨年衆院選は違憲…是正放置を批判 東京高裁毎日新聞 2013年03月06日 19時17分(最終更新 03月06日 22時39分)

http://mainichi.jp/select/news/m20130307k0000m040032000c.html

東京高裁前で違憲判断と書かれた紙を掲げ心境を語る升永英俊弁護士(中央)ら=東京都千代田区で2013年3月6日、矢頭智剛撮影

 最高裁が違憲状態と判断した「1票の格差」を是正しないまま実施された12年12月の衆院選は違憲だとして、東京都の有権者が東京1区の選挙無効を求めた訴訟の判決で、東京高裁は6日、小選挙区の区割りを「違憲」と判断した。その上で、実際に選挙を無効とした場合の不都合や、法改正はしている事情などを考慮し、「事情判決の法理」に従って選挙自体は有効とした。原告側は即日上告した。

 ◇選挙自体は有効

 難波孝一裁判長は「最高裁が違憲状態判決を下した11年3月を起点に、憲法上要求される合理的期間内に是正が行われずに選挙に至った。強い警鐘が鳴らされたのに是正が行われないまま選挙が施行された経緯は看過できない」と指摘した。 一方で、昨年11月の解散当日に、小選挙区数を「0増5減」として「1人別枠方式」の廃止を盛り込んだ法改正を行った経緯を一定程度評価。選挙区の区割り見直しまでは間に合わず、最大格差も前回選挙の2.30倍から2.43倍に拡大したが、「今後は投票価値の平等にかなったものに是正していくことが期待でき、最大格差も2倍未満に是正される予定だ」などとして、選挙無効の請求を退けた。 判決はまず、「1人別枠方式の廃止を反映するには、定数の再配分と、相当数の区割り見直しが予想されるが、早期の是正が要請される」と指摘。その上で、選挙区画定審議会設置法が定める区割り勧告期間が1年であることなどと比較し、「昨年の選挙までに是正を行うことが困難だったとは認められない」と、違憲状態判決から約1年9カ月間で是正に至らなかった国会の対応を批判した。 原告側は、1人別枠方式を廃止して単純に人口比で議席配分すれば「21増21減」が必要になるとして、「0増5減は最高裁の要請に応えていない」と批判していたが、判決はこの是非について明確な評価をしなかった。 選挙無効訴訟は、公選法の規定で高裁が1審となる。昨年の衆院選を巡っては二つの弁護士グループが8高裁・6高裁支部に計16件の訴訟を起こしており、今回が最初の判決。今後、27日までに15件の判決が言い渡される。いずれの訴訟も原告側か、被告の選挙管理委員会側が上告するとみられ、最高裁大法廷が統一判断を示す見通し。【石川淳一】

 ◇事情判決の法理◇

行政事件訴訟法は、行政処分が違法でも、取り消すと公益を著しく害すると裁判所が判断した場合、「事情判決」によって取り消し請求を棄却できると定めている。公選法に基づく選挙訴訟にはそのまま適用できないが、「1票の格差」を巡る訴訟では過去に2度、最高裁が違憲と判断した場合でも、選挙を無効とする影響の大きさなどを考慮し、事情判決の法理(法の原則的な考え方)に従い、選挙自体は有効としてきた。

 ◇1人別枠方式◇

 衆院の小選挙区300議席をまず47都道府県に1ずつ割り振り、残りを人口に応じて配分する方式。小選挙区制移行に当たり過疎地の議席を激減させない措置だったが、最高裁は09年衆院選を巡る11年3月の判決で、同方式は合理性が失われていると廃止を求めた。昨年の法改正で小選挙区は「0増5減」となり、同方式の規定も削除された。(引用ここまで)

 

定数削減、比例制度改革…絡む党利党略、抜本改革めど立たず2013.3.6 22:34 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130306/stt13030622350005-n1.htm

 衆院選挙制度をめぐっては、与野党は選挙区の「一票の格差」是正に加え、定数削減を含む抜本改革を行うことで合意している。5年に1度の国勢調査で人口変動が明らかになるたびに選挙区の区割りを見直すのではなく、違憲状態を根源から見直そうという狙いだ。しかし、いざ具体論に入ると、どうしても党利党略が絡んでしまう。 最高裁が平成21年衆院選を「違憲状態」として以降も、民主党の野田佳彦政権は格差是正に後ろ向きだった。内閣支持率が低迷し、格差是正で衆院解散の環境が整うことを嫌ったためだ。 ところが、消費税増税法の成立で、国会議員にも身を切る改革を求める声が高まると、野田前首相は一転して0増5減の格差是正と合わせ、議員定数の大幅削減を主張。昨年11月の衆院解散の条件として自民、公明両党に合意を迫ったことから、今国会中の抜本改革が国民との約束となった。 政権交代を経て自民、公明、民主の3党がようやく実務者協議を開いたのは今月5日。しかし、定数の削減幅や比例代表の位置付けなど具体論となると各党の隔たりは大きく、合意のめどは立っていない。 与党内でも、本音では現行制度を維持したい自民党と、中小政党への配慮を引き出したい公明党の間で調整が難航。一方、与党当時には比例定数40削減を訴えていた民主党は、野党に転落した途端、75削減を主張するなど、合意に向けたハードルを上げている。 他方、小選挙区制は政権を争う二大政党に有利とされ、自民、民主両党は定数削減を比例代表で行いたい考え。逆に議席獲得の大半を比例に頼る中小政党はこれに反発し、定数削減論議は遅々として進まない。格差是正の道のりはまだまだ遠そうだ。(村上智博)(引用ここまで)

 衆院選改革、自民案「憲法違反の疑い」…岡田氏

http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/news/20130306-OYT1T00271.htm

 自民、公明、民主3党は5日、国会議員定数の削減を含む衆院選挙制度改革について、安倍政権発足後、初の実務者協議を行った。 自民党は、現行の小選挙区比例代表並立制を維持し、比例選の定数を180から30減らす原案の概要を説明したが、民主党は難色を示しており、今後の調整は難航が予想される。 実務者協議には自民党の細田博之選挙制度改革問題統括本部長、公明党の北側一雄政治改革本部長、民主党の岡田克也政治改革推進本部長の3氏が出席。細田氏は「人数の多い政党と多くない政党の双方が満足しうる案をできるだけ早く作って、各党に諮りたい」と述べたが、正式提示の時期については明言を避けた。 自民案には〈1〉比例選の地域ブロックを11から8に再編して死票を少なくする〈2〉比例選150議席のうち30議席かそれ以上を第2党以下に優先配分する――など、中小政党に配慮する仕組みも盛り込まれている。岡田氏は5日の協議で、優先配分は有権者の意思を正確に反映しないとの立場から「憲法違反の疑いがある」と指摘。「国民にわかりやすい制度にすべきだ」と述べ、賛同は難しいとの認識を示した。(2013年3月6日09時25分  読売新聞)

 12年衆院選「違憲」、東京高裁 無効は回避、抜本改革迫る2013年3月6日 19時37分

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013030601001298.html

衆院選の「1票の格差」をめぐる訴訟の判決を受け、東京高裁前で「違憲判断」と書かれた紙を掲げる原告の弁護士ら=6日午後

 人口比例に基づかない区割りで最大2・43倍となった「1票の格差」を是正せずに実施した昨年12月の衆院選は違憲だとして、升永英俊弁護士らのグループが東京1区の選挙無効を求めた訴訟の判決で東京高裁は6日、公選法の区割り規定を違憲と判断した。選挙無効は認めなかった。弁護士側は即日上告した。 現行区割りを違憲状態とした2011年3月の最高裁大法廷判決から格差を拡大させた上、同じ区割りで選挙に臨んだ国会に制度の抜本改革を厳しく迫る結論となった。 二つの弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に起こした訴訟で最初の判決。(共同)

 1票の格差、12年衆院選は「違憲」 東京高裁判決 無効請求は棄却 2013/3/6 20:43

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0604O_W3A300C1MM8000/?dg=1

 最大2.43倍の「1票の格差」があった昨年12月の衆院選は違憲だとして、弁護士らのグループが東京1区の選挙無効を求めた訴訟の判決が6日、東京高裁であった。難波孝一裁判長は「最高裁が2009年選挙を『違憲状態』とした後も、是正しなかったのは見過ごせない」と述べて違憲と判断。一段と強く、国会に是正を求めた。ただ、選挙無効の請求は棄却したため、原告側は直ちに上告した。

「1票の格差」訴訟の東京高裁判決を受け、喜ぶ原告ら(6日、東京・霞が関)

 2つの弁護士グループが全国14の高裁・支部に提訴した訴訟で最初の判決。27日までに小選挙区では計16件の判決が予定されており、各地の司法判断が注目される。 衆院選を巡り、最高裁大法廷は11年3月、最大格差2.30倍だった09年選挙は投票価値が不平等で違憲状態だと判断。都道府県に最初に1議席ずつ割り振る定数配分が、人口比例配分をゆがめているとして是正を求めた。しかし昨年12月16日の選挙で定数配分は変更されず、格差は拡大していた。 判決理由で難波裁判長は、最高裁判決が警鐘を鳴らしてから約1年9カ月が経過していたことを重視。「昨年選挙まで見直しが困難だったとは認められず、是正するための合理的期間を過ぎていた」として違憲とした。 一方で、国会が昨年11月、小選挙区定数を「0増5減」する法改正を行い、格差を2倍未満に収める区割りの見直しを進めているなどの事情を総合的に考慮公益に重大な障害を生じる場合は違法の宣言だけにとどめられる事情判決の法理」を適用し、選挙のやり直しは認めなかった。 また、「選挙無効の効力が一定期間経過後に発生するように限定する判決もできる」と指摘。国会の対応次第では、今後は無効判決もあり得ると示唆した形だ。 訴状によると、東京1区を有権者が全国最少の高知3区と比べると、格差は2.35倍で、1票の価値は0.42票。被告の東京都選挙管理委員会は「区割りを見直すには時間が足りなかった」と主張していた。(引用ここまで)