岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

踏み跡を辿る楽しみ /「キリマンジャロの雪」は消え、CO2の排出量は減らない(9)

2009-11-27 05:20:46 | Weblog
 (今日の写真は、Tさんが「旧い林道は、姥人沢にぶつかると南に折れて下がっていました。たどっていくと、100メートルほどで、直角に左に折れ、80メートルほどの場所」で出会った「石切沢火山砂防ダム用地に伴う立ち木調査」と書かれた見出し標識だ。)

◇◇ 踏み跡を辿る楽しみ ◇◇

 Tさんが1人で辿ったところを「彼のメール」に従って、辿ってみることにする。読者で25.000:1地図を持っている人はそれを見ながら、読み進めるといいだろう。

…百沢の県道から右に入って、毒蛇沢の堰堤に行く途中、右に枝分かれしている林道を再び歩いてきた。
 林道は二股地点から約100メートルで行き止まりとなっている。そこから70メートルほどやぶ漕ぎをして北に向かうと、東西に走っている昔の林道にぶつかる。
 この林道には「農」という印のついた15センチ角のコンクリートの杭が、一定間隔に穿たれていた。10月25日にはその林道を西に向かったところ、毒蛇沢の堰堤に出た。 沢の左岸沿いに踏み跡がついており、以前、我々が歩いた径につながっていることを確認した。
 今回はぶつかった地点から東に向かった。少し、下だり気味に200メートルほど進むと大きな沢に出た。姥人(うばびと)沢だろうか、それとも石切沢だろうか。
 この沢の右岸を山頂方向に向かったところ、我々が百沢石切沢の下方から林道を登り、杉の植林が途切れたところを左斜めに入って、沢を二つ跨いで毒蛇沢左岸に向かった径にぶつかった。位置を確認することが出来たが、この部分には径はついていなかった。…
☆Tさんの文意に従い、です・ます調を「である調」に変え、接続語などを加えてある。

 「初めての道」を、しかも探しながら歩くことは楽しい。Tさんは十分楽しんでいる。地図に載っていない道を発見して、そこに踏み込んでいく時、「ここを行くとどこに出るのだろう」とか「どこにつながっているのだろう」という思いを持つものだ。これは「不安」を綯い交ぜている複雑な心境だ。だが、「未知の発見」というようなものへの期待も十分備えている。これらが、Tさんに「今日の写真」を発見させているのである。)

◇◇「キリマンジャロの雪」は消え、CO2の排出量は減らない(9)◇◇
(承前)

 とにかく、基本的に「物品の購入は地元」からを徹底しようではないか。これは、農産物にも言えることだ。「地産地消」に徹することだ。
 遠い外国からの「輸入農産物」や「輸入物品」は輸送時に「エネルギーの消費量を増やし、排出される『CO2』を増やす」のである。「いいじゃないか、それ分お金を払えば」という問題ではない。これだと、「排出量の売買」と同じになる。
 京都議定書は国連の気候変動枠組み条約に基づき、2005年2月に発効した。そこでは、先進国全体で2008年から2012年の間に、「温室効果ガスの排出量」を 1990年に比べて約5%減らすことを義務づけた。
 具体的には、日本は6%である。欧州連合(EU)は8%などと、国・地域別に削減の目標を決めている。これが、単なる「口約束」であってはいけない。

 電気エネルギーの消費量を減らす対策には、個人的には「小まめな節電」である。パソコンを例にとると…
 使用していない時は「主電源」を切ることが効果的だ。この「主電源」にモニターや外部ストレイジを一緒に接続しておくと、さらにいい。パソコンやそれに接続している機器の殆どはメインスイッチを切っても「通電」されている。つまり、使っていない時でも「電気エネルギー」を消費しているのである。
 マイクロソフトの新しいOS「Windows 7」は四六時中、通電されていることを前提にプログラミングされている。私にはこれが気にくわない。まあ、「スリーピング」機能というものを使わなければ不都合はないので、使用していない時は「主電源」を切っている。併せてすべての機器がオフになるようにしている。
 これから、新しいパソコンを買おうと思っている人は、「すべてのパーツ」の消費電力を調べて、最も少ないものを選ぶことを進める。最近ではCPU等の部品メーカーもコンピュータメーカーも「省電力と小電力」に傾注しているので選択はある程度容易だろう。
 身近なところにある電気器具への対応は以上のような配慮が必要なのである。私たちが「配慮をしないで」、すべて「省電力」などという「技術の革新」に頼り、それを待つというのでは、「現状の維持」に胡座をかいているだけの「横柄さと無知」でしかないだろう。これでは「エネルギー消費と『CO2』の排出」を抑えることにならない。
 これまで慣れ親しんで来た生活パターンに「鉄槌を打ち込む」という行動がなければ、「エネルギー消費と『CO2』の排出」を抑えることは出来ないのである。
 「電気エネルギー」に関しては「『CO2』を排出しない原子力発電」に任せておけばいいではないかとうそぶき、現状維持に満足したい人には、次のように言っておこう。
 「使えなくなった原子力発電所の処理技術を世界のどこの国も、どのような人もまだ持っていない。原子力発電所が出すさまざまな物質は、地球の全生物の生死に関わる影響を与え、かつ未来永劫になくならないものなのである。『CO2』は排出しない限り、増えることはない。森を増やし、植物を護っていくといつかは減るのである」と…。

 一方で、「電気エネルギーの消費」を減らすには、24時間営業の「コンビニ」と「自動販売機」を減らす必要がある。これらのことについては、別に稿を起こしてそのうちに書く予定だ。(この稿は今日で終わりとする)