尖閣衝突問題、ビデオを公開できないワケ

日本で尖閣衝突ビデオを公開するしないでモメている間、中国ではすでに「日本側が衝突してきた」という事で既成事実化しているようです。日本の悪いクセで、「何も言わなくても分かってくれる」という暗黙の了解は、外交では通用しません。このまま中国世論がエスカレートすると、尖閣諸島も竹島と同様に占領されて実効支配され、事実上の領土にされかねません。

国民の大半が「ビデオを公開すべき」と答えているのに、それを無視するのは政府としては「絶対にやってはいけない事」です。中国との関係悪化を懸念するのは理解できます。が、少なくとも、国民の代表たる国会議員には公開し、それを元に議論すべきなのです。国民は「政府が都合の悪い部分が写っているので、隠そうとしているのではないか？」と疑問をもっているのです。ただでさえ、船長を解放した事に９割近い国民が反感を持っているのです。他国に気を使ってばかりいて自己主張を怠ると、逆に世界から孤立してしまいます。「確固たる証拠と論理に基づいて、主張すべきは主張する」というのが、外交の鉄則です。