あるひのあひる

sometimes"♯",sometimes"♭" ,and always"NATURAL”
猫とハーブと酒と音楽

なんとなく、を大切に。

2014-09-30 12:30:54 | 私見・雑感

「水仕事もしてないのに、手がカサカサになったとよ」
きょん母(義母)の、この言葉がきっかけで
見舞った時のお約束になった、手のマッサージ。

病院の空調で空気が乾燥しているせいか
確かに、手のあちこちがカサカサと、白く皮がむけていた。

ハンドクリームを塗りながら、手首から指先まで
ゆっくりともみほぐす。
いろんな話を聞いたり、聞いてもらったり。
静かに穏やかに時間が過ぎてゆく、不思議と心が休まる時間。


時折
「気持ちいいねー。誰かに習ったの?」と聞かれるので
「うん。前に一度講座を受けたことがあるんですよー」と答えると
「そうやろうねー。上手やもんね。」と誉めてくれる。

毎回あまりに「気持ち良い」と言ってくれるもんだから
ある日、調子に乗って
「じゃ、今度からお金もらおうかなー」と笑いながら冗談を言ったら
「いやいや。まだそのレベルではないねぇ。」とニヤニヤ笑顔で返されたりして。


その日も
「マッサージ、誰かに習ったの?」と聞かれたので
「はい。ちょっと昔に。でもまだ初心者だから上手じゃないんですよねー。
・・・気持ちだけは、込めてるつもりなんですけど。」と何気なく答えたら
きょん母は、ふふふっと優しく微笑んだ。
そして、ゆっくりとひとこと。
「それは、ちゃんと伝わってますよ。」



嬉しかった。
こんなにジャストミートで心に響いた言葉は久しぶりだ、と感じたくらい
本当に、心から嬉しかった。

暖かい毛布でふんわりとくるまれたみたいに
じわーっと心が温かくなった。
・・・ほんのちょっぴり、泣きたくなるくらいに。


ああ、やっぱり。
人との繋がりには、必ずしも言葉は必要ではないんだ。

目には見えないけれど、やっぱりあるんだね。
「心」という、強い繋がりは。


私が習った講座は、単なるマッサージではなく
ハンドボンディングケアという
手を通じて、心を繋げ、伝えようというコンセプトのもの。

数年前のある日
そのとき特に必要というわけではなかったのに
なぜかとても気になって
なんとなく、受けておくべきだと感じて
心のままに学んだ講座。

きっと、ここで繋がるためだったんだね。



なんとなく感じる、という感覚を大切にしよう。
頭ではなく、心が動いたことを
もっともっと大切にしよう。
その小さな声に耳を傾けよう。

すぐには解らなくても、それはいつか
かけがえのない心の宝物にたどり着く。

きっと、いつの日か。

コメント (2)
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