たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

ミュージカル『モーツァルト』-モーツァルトの音楽(2)

2021年04月17日 16時06分53秒 | ミュージカル・舞台・映画
ミュージカル『モーツァルト』-モーツァルトの音楽
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/a28322d74de88b99ebffde4434b487b1

 2014年帝国劇場公演プログラムより

「ミュージカル『モーツァルト』には、実際にモーツァルトが作曲した楽曲も登場します。劇中に出てくる、その楽曲の一部をご紹介します。
()は『モーツァルト』内で登場する場面。

🎵オペラ『皇帝ティトの慈悲』序曲 K621
(2幕5場 コロレド大司教はこの曲のスコアに心を奪われ、ヴォルフガングをザルツブルクへ連れ戻すようレオポルトに命じる)

当時、皇帝や国王の戴冠式は、オペラ公演や舞踏会などの、豪華なセレモニーに彩られました。このオペラは、新皇帝レオポルト2世の戴冠式祝典用に注文された作品。古代ローマ時代の皇帝の寛容と美徳を称える内容が新皇帝の即位式にふさわしく、音楽もまた荘重華麗の美をたたえています。

🎵ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」変ホ長調 K271
(2幕7場 初めての皇帝隣席の御前演奏会が大成功し、ヴォルフガングは人々の喝采に応える)

フランスの女流ピアニスト、ジュノム嬢のために作曲されたと思われてきたため、《ジュノム協奏曲》とも呼ばれてきました。けれども「ジュノム嬢」とは誰であったか、長年謎のままでした。近年、フランスの名舞踏会ノヴェールの娘という説が出ています。独奏ピアノがオーケストラと互角に渡り合うなど、高度な演奏技術を要求する難曲でもあります。

🎵オペラ『魔笛』K620
(2幕13、14場 妻コンスタンツェをかえりみず作曲に没頭。ヴォルフガング自らタクトをとり、『魔笛』は観衆に熱狂的に迎えられる)

若い王子が試練に打ち勝ち、美しい王女を得るという、メルヘンのような物語のオペラ。フリーメイソンの影響のもとに作曲されたと言われ、今も多くの謎をはらんだ作品です。夜の女王のアリアなど、おなじみの有名曲をはじめ、音楽は旋律美豊かで聴きやすく、オペラ史上最高の傑作の一つと言われています。

🎵レクイエム 二短調 K626
(2幕14、15場 仮面をかぶった謎の男に作曲を依頼される)

モーツァルト最後の作品が「死者のためのミサ曲」レクイエムであったのは、単なる偶然でしょうか。死の床のモーツァルトは、「ラクリモサ」8小節目で力つき、その先は、弟子ジュスマイヤーが補筆完成させました。正体不明の注文主、天才の死の謎など、多くの伝説を生んだこの傑作は、悲痛なまでの美しさに満ち、今も世界じゅうで演奏されています。

                              (文;後藤真理子)」