たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

花組博多座ライブビューイング『あかねさす紫の花』『Sante!!』

2018年05月25日 22時55分08秒 | 宝塚
 花組博多座『あかねさす紫の花』と『Sante!!』のライブビューイング、みてきました。映画館のいちばんうしろの席でしたが一組だけだしてもらった一段階上のコンタクトレンズにつけかえたおかげでよくみえました。二週間前もつければよかった。そうしたら表情の細かいところまでちゃんとみえたのに、お正月明けにレンズをかえてからほんとにみえていなかった。近くをみるためには仕方ないけどぼやけていることが多かった。

『あかねさす紫の花』は明日海りおさんが中大兄皇子を演じるBパターン。大海人皇子は柚香光さん、天比古は鳳月杏さん。大海人皇子が主役のAパターン、ヅカの番手方式にのっとるとこうなるのかっていう感じで、わたしが知っている大海人皇子が主役の物語とは別物でした。Aパターンとはちょこちょこ演出が違っていました。エピローグは鏡大王と額田大王の歌で始まり、中大兄皇子と鏡大王との逢瀬の場面で長いデュエットがあったり、蘇我入鹿暗殺の場面に大海人皇子は登場しなかったり、いちばん有名な相聞歌が歌われる蒲生野の狩での大海人皇子と額田大王が再会したあとの場面、額田大王の歌詠みは短く、大海人皇子が「君を恋い君をしたい~♪」と歌っているとせり上がりで中大兄皇子が登場し、それぞれの感情を歌ってハモリ。大海人皇子は舞台からはけてそのまま天智天皇即位を祝う宴の場面へと転換。最後の大海人皇子が高笑いする場面は、中大兄皇子の眉間にしわを寄せた表情アップと大海人皇子は崩れおちるさまが映し出されて幕がおりました。私的な好みはAパターンかな。どちらがどうとか言えないですが、運命に翻弄されてもがき苦しむ役がみりおさんには似合う気が・・・。

 みりおさんの中大兄皇子は自信満々で強引なちなつさんの中大兄皇子とはまたちがって政のためには手段を選ばない、終始冷徹な印象でした。表情がアップになることが多かったのですが感情の揺れ動きを表情にはあまり出さない、うちに秘めたる熱を感じさせるような役作りだったように思います。対する柚香さんの大海人皇子は、16歳で額田大王と出会ったとき、5年の時がすぎ額田大王と結婚して子供が生まれ幸せな時を過ごしているときの表情が本当に嬉しそうで、兄を慕っている時の表情が心の底から慕っている感がよくあらわれていて、後半中大兄皇子に額田大王を奪われたあとのだんだんとこわれていく表情との違いがよく出ていたように思います。柚香さんはまだ上手くない、最初は物足りない感じがしましたが、蒲生野の狩で額田大王と再会したあと涙を流しながら演じているのをみて、だからいいのかもと思いました。若さを感じました。若くて危い感じが、大海人皇子の内に秘めたる危うさを感じさせるところとかさなってよかったと思います。久しぶりに会った十市皇女を抱きしめる場面、切な過ぎました。中大兄皇子が主役になると大海人皇子の悲惨さと悔しさがより際立ってくるんだなと感じました。なんかちょっと今ならパワハラレベルのひどい仕打ちかも。のちに出家するものの、天智天皇が没すると挙兵して、中大兄皇子の遺児である大友皇子を死へと追い詰める史実を予見させる表情でした。痛ましいのは親を選べなかった子どもらで、史実は大海人皇子と額田大王との間に生まれ、大友皇子のもとに嫁いだ十市皇女は、自分の父親に夫である大友皇子を殺されると自害。先の天皇の子どもに生まれた有間皇子の痛ましさもこの作品をみると感じないではいられなくって、ついつい史実に思いを馳せながら観劇する物語です。額田大王がAパターンでは大海人皇子への気持ちを強く残しながらも中大兄皇子に惹かれていく揺れ惑い、Bパターンでは大海人皇子よりも年上にみえてしまって、終始中大兄皇子に惹かれている感じが強かったのは、主役が違うことによる意図的な演じ分けなのかな。仙名彩世さん、歌も演技も踊りも完璧にうまかったです。音くり寿さんの、白雉の賀での影ソロが冴えわたっていました。なんとも美しい声。十市皇女はすごく可愛らしくって史実を思うと胸が痛みました。

 2015年4月5日のこちらの記事もよろしかったらお読みください。いわさきちひろさんの絵本から有間皇子について書きました。https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/1739d33ce4cf599bd5a4afc2ee649e0a

『Sante!!』は今日もやっぱりあっという間。体感スピードの速いこと、速いこと。そしてやっぱり、安寿ミラさんふりつけのジゴロと大階段の黒燕尾、「乾杯」にのって薔薇の花を胸に躍るみりおさんの姿に大浦みずきさんDNAを感じてむねあつなのでした。博多座版でしかみられない鳳月杏さんと桜咲彩花さんのアダルト過ぎない大人カップルは今日も素敵。鳳月さんが薔薇の花束を手にエディット・ピアフのもとを訪れ、エディット・ピアフの桜咲さんは恋人が亡くなるときれいな涙を流しながら歌っていて、『ポーの一族』ではクリフォードとジェインのカップル、素敵でした。みりおさんのKIZZAのアドリブ、「今日はライブビューイングやけんばり緊張しとる、二回目やのに・・・」みたいな感じだったかな。言葉はニュアンス。九州に行ったことありません。客席おりの場面では、ライブビューイングのカメラにウィンクしてくれたりノリノリ、カーテンコールでは、映画館でご覧のみなさまって言った時に博多座の客席から拍手が起きると、「会場のみなさんじゃないですよ」っていうのがなんともみりおさんらしくてかわいかったです。KIZZAの場面で、天真みちるさんとみりおさんが事故チューになりそうになったとき、天真さん、素の女の子に戻って焦っている表情がめっちゃかわいかったり、レクイエムの場面では瀬戸かずやさんが天使の華優希さんをすっごいリフトしているところをカメラが大きく映してくれてグッドジョブ。そうだったのかと今さらのように知りました。

 今日の博多座は『1789~』のプロモーションで昼間徹平君のトークショーがあったみたいだし、盛り上がっていましたね。色々ときりがありません。明日は昼間東京宝塚劇場、夜帝国劇場。無事に行けるかしらね。気になることは多々あれど帰ってくるとさっそく引きこもりのオッサンのゴエーみたいなが聞こえてきてしまったちっそくしそうなこの部屋で休まねばです。思い出し日記はまたゆっくりと・・・。

 ヅカネタ、舞台ネタ、続いていきます。

 
 
 

星組『ブーケドタカラヅカ』東京宝塚劇場千穐楽ライヴビューイング_思い出し日記

2018年05月25日 14時16分42秒 | 宝塚
 昨夜は一円も残業代でないですが残業したので時間をおしてからのスパでたっぷり汗を流しました。自律神経がやられると汗をかけないみたいなのでよかったです。少しのホットワインでなんとか7時間睡眠からの金曜日、部屋でしかできないことがたくさんあるのですが平日の昼間から風呂に入る様子の音が聞こえる部屋にとてもじゃないけどいられず少し断捨離しただけで逃げ出してきました。このあと花組博多座ライブビューイング。思い出し日記、どこまで書けるかな。

 『ブーケド タカラヅカ』タカラヅカレビュー誕生から90周年を迎えた記念の舞台。作演出は酒井澄夫先生。久しぶりに宝塚の王道らしいレビューをみた感でした。プログラムに「宝塚の名曲といわれている曲の中にも著作権により上演できないものがたくさんあることがわかって驚いた、これも時代なのかな」と酒井先生がプログラムに書かれています。どの曲なのか、すごく気になります。22日のタカラヅカスペシャルに続いて、宝塚レビューといえばパリといった感じの、タイトル知らなくっても自ずと耳に馴染んでいる曲が盛りだくさんで気持ちが上がりました。

 プロローグ、

 恋の花咲く道、

 シャンソン・ド・パリ
  「モン・パリ/吾が巴里よ」、
  「楽し我がパリ」、
  「パリの屋根の下」、
  「オーシャンゼリゼ」、
  「ブギウギ・パリ」、
  「夜霧のモンマルトル」、
  「セ・マニフィーク」、

 サ・セ・ラムール

 赤い薔薇(スパニッシュ・ファンタジー)

 フィナーレ
  (すみれの花のロケット)、
  「花夢幻」
  (パレード)

 クリスマスイブだったので、紅ゆずるさんが「セ・マニフィーク」を歌いながら、シカのかぶりものをして銀橋をパレード。「これシカです」って言って客席はみんな「いやいやトナカイですよね」って思った楽しい雰囲気がLVの画面からも伝わってきたのを今も思い出します。紅さんのお隣で綺咲愛里さんがにこにこにこにこ、にこにこ微笑んでいるのが印象的でした。


プロローグ、花束をひろげたような衣装が素敵で舞台にお花畑が広がっているようでした。




スパニッシュの場面、綺咲さんのドレス姿とダンスと表情が印象的でした。一人の女性をめぐって男同士が対決。ナイフも登場して緊迫感のある場面だったと思います。




舞台せましと花があふれている感でした。



宝塚レビューといえばパリ、パリといえばモンマルトル。
パリにいったとき、そこにいくまでが女性一人では危ないと言われたので行けませんでしたけど、レビューはどこまでも美しく夢世界。




パリの街角で悪ガキみたいな若者が集まっている場面もあったり。
この公演で退団された壱城あずささん、インスタ始めてショーやライブのお仕事をすでにされていますが、眼鏡男子の姿で星組を頼むよって礼真琴さんに託す場面もあってむねあつでした。ずっと星組で育ってきた役者さんたちの組への愛が伝わってきました。



 最後の挨拶で学年一つ下の壱城さんを送り出す紅さん、今回の退団は感慨もひとしおと話されて。星組ひとすじ、十数年苦楽を共にしてきた仲間とのお別れはつらそうでしたが、カーテンコールで壱城あずささんを抱きしめたい思いにかられているようにみえましたがトップスターさんが一人だけ特別扱いにすることはできないのでなおさらつらくみえました。組み替えなくずっと一緒にやってきた仲間同士のあたたかさ、なんだかじいんといいなあって思いました。


 全く言葉足らずですが花と夢と笑顔にあふれた舞台はなんどでもみたい、ずうっとみていたい。こうして90年という伝統を紡ぎながら新しい作品を生みだし続けている唯一無二の夢の世界、宝塚。この世界がずっと続いていきますようにと祈ります、平和でありますようにと祈ります。宝塚があれば残りの人生バラ色。


 これから花組LV、後方席なのでみえなくって頭ガンガンいたくなりますけどね・・・。星組さん、ちょうどいい前方席だったのでありがたかった。