「悲しみ」は感性を育む
小学校1年の二男は動物が好きなので、
絵本の『だいじょうぶだよ、ゾウさん』を自分で選んで買ったのも、絵にひかれたからでした。
はじめは、ゾウとネズミは仲よしというイメージしかなかったようです。しかし、私とふたりで、二度三度と読むうちに、この本の伝えたかったことが少しずつわかってきて、ゾウを昨年亡くなったやさしかった父方の伯父に、ネズミを自分や自分の兄弟たちにおきかえていったようです。
また、担任の先生がクラスの子どもたちにこの絵本を読み聞かせたとき、途中で先生が泣いてしまったと、息子が教えてくれました。突然の先生の涙に、クラスにどよめきが起こったそうです。
先生の涙を見た子どもたちが、死というものの悲しさを、少しでも感じとることのできた
いい機会になったのではないかと思いました。
-30歳代のお母さんからの手紙
(柳田邦男著、石井麻木写真『みんな、絵本から』講談社、2009年発行より引用しています。)
柳田先生は、近年講演会で「大人こそ絵本を」と絵本を読みことの大切さを語られています。
2月7日のお茶の水での講演会では、『だいじょうぶだよ、ゾウさん』という絵本との出会いによって、幼くして病気によって旅立たなければならかかった弟の死を受け入れていった女の子がいることを紹介されました。柳田先生ご自身が翻訳されており、絵本の頁をめくりながら、読み聞かせてくださいました。
ねずみは大好きなゾウさんとのお別れをうけいれることができずに、自分がなんとかしようと
ゾウさんのために食べ物を調達したりして、頑張り続けます。そうして月日がたつと、自分も歳をとってきていて、年老いたゾウさんが、ゾウの国へと旅立っていく時がきたことをネズミはさとります。
そして、大好きなゾウさんのためにゾウの国へわたるつり橋を修理して、旅立っていくゾウさんを見送ります。ゾウさんは見送るネズミを振り返りつつ、つり橋を渡って帰ってくることのないゾウの国へと旅立っていきます。
誰にもおとずれる大切な人とのお別れが、やさしくせつなく描かれている物語です。
小学校1年の二男は動物が好きなので、
絵本の『だいじょうぶだよ、ゾウさん』を自分で選んで買ったのも、絵にひかれたからでした。
はじめは、ゾウとネズミは仲よしというイメージしかなかったようです。しかし、私とふたりで、二度三度と読むうちに、この本の伝えたかったことが少しずつわかってきて、ゾウを昨年亡くなったやさしかった父方の伯父に、ネズミを自分や自分の兄弟たちにおきかえていったようです。
また、担任の先生がクラスの子どもたちにこの絵本を読み聞かせたとき、途中で先生が泣いてしまったと、息子が教えてくれました。突然の先生の涙に、クラスにどよめきが起こったそうです。
先生の涙を見た子どもたちが、死というものの悲しさを、少しでも感じとることのできた
いい機会になったのではないかと思いました。
-30歳代のお母さんからの手紙
(柳田邦男著、石井麻木写真『みんな、絵本から』講談社、2009年発行より引用しています。)
柳田先生は、近年講演会で「大人こそ絵本を」と絵本を読みことの大切さを語られています。
2月7日のお茶の水での講演会では、『だいじょうぶだよ、ゾウさん』という絵本との出会いによって、幼くして病気によって旅立たなければならかかった弟の死を受け入れていった女の子がいることを紹介されました。柳田先生ご自身が翻訳されており、絵本の頁をめくりながら、読み聞かせてくださいました。
ねずみは大好きなゾウさんとのお別れをうけいれることができずに、自分がなんとかしようと
ゾウさんのために食べ物を調達したりして、頑張り続けます。そうして月日がたつと、自分も歳をとってきていて、年老いたゾウさんが、ゾウの国へと旅立っていく時がきたことをネズミはさとります。
そして、大好きなゾウさんのためにゾウの国へわたるつり橋を修理して、旅立っていくゾウさんを見送ります。ゾウさんは見送るネズミを振り返りつつ、つり橋を渡って帰ってくることのないゾウの国へと旅立っていきます。
誰にもおとずれる大切な人とのお別れが、やさしくせつなく描かれている物語です。
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