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たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

こんな本を読んでいます_ 『朝鮮の歴史と日本』

2015年04月02日 14時34分47秒 | 本あれこれ
4月1日にカウンセラーの先生の手記を載せました。
いつ実現できるかわかりませんが、先生のお話をうかがうために、『朝鮮の歴史と日本』という本を読んでいます。
1989年のこの本を当時の友人に勧められて購入してから20年近くが過ぎていると思います。
ずっと積読だったのをようやく読み始めました。
当時の友人は、「人生観が変わる」と勧めてくれました。


縄文時代からの日本と朝鮮半島との関わりが時代を追って書かれており勉強になります。

「奈良時代には漢字がひろまり、『古事記』『日本書紀』といった歴史の本や『万葉集』という歌集などが出されています。このう郷札ち万葉集は、漢字の音と訓とを自由に使って日本語を表す「万葉仮名」で書かれています。万葉仮名は新羅の郷札(ヒャンチャル)にきわめてよく似ており、万葉仮名の発明者が郷札を自由に使いこなせた渡来人だったことは確かだと思われます。郷札は朝鮮語の発音が複雑なためにやたらと難しいものとなり、やがてすたれてしまいますが、万葉仮名は日本語の発音が単純なため、ますますひろまっていきました。

 古くから日本列島に文化を伝えつづけた朝鮮は、奈良時代の人びとにとって、あこがれの的でした。古事記や日本書紀は、朝鮮を金銀の豊かな宝の国としてえがいています。朝鮮といきて思い浮かべる色もまた朝鮮へのあこがれをよく示しています。万葉集には「からころも」とか「こまにしき」という言葉がよく出てきます。どちらも色あざやかな朝鮮の服や布地をさし、美しいもののたとえとして使われています。「新羅」という言葉には「たくぶすま」という枕詞がついています。これは真っ白なふとんわたのことですが、「しらぎ」の「しら」から連想される光り輝くような白をいっそう強調する言葉です。(略)

 朝鮮は、あこがれの国であるとともに身近な国でもありました。万葉集にはカシ(妻)、オモ(母)、サツ(矢)、オソ(着物)といった朝鮮語が出てきます。これらの言葉は現代朝鮮語にも残り、それぞれカシネ、オモニ、サル、オッといいます。渡来人の作品と確認されている歌もかなりあります。さらに額田王、柿本人麻呂、山上憶良といった万葉集の代表的な歌人についても渡来人だという説があり、特に憶良についてこの説はきわめて有力です。」

(信太一郎著『朝鮮の歴史と日本』50-51頁より引用しました。)




私の手元にあるものは1998年第4刷ですが、今は増刷されていないようです。
URLを貼ってみましたのでよろしかったらご覧ください。


朝鮮の歴史と日本
信太 一郎
明石書店