たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

夏のプリンス・エドワード島への旅_出発&二日目

2014年08月22日 15時04分40秒 | プリンスエドワード島への旅
はじめてプリンス・エドワード島を訪れたのは2009年の夏でした。
それから両親とのお別れ、東日本大震災・・・といろんなことがあり、ずいぶん時がたったような気がします。

私自身も思い出をたどっていきたくて、旅日記を書き始めてみようと思います。


『赤毛のアン』を原書で読むセミナーに行くようになってどうしても行きたい気持ちが高まってきていました。お正月明け早々に、JTBの個人向けツアーを予約して、それからプリンス・エドワード島に旅することが心の支えになりました。


2008年に続いて、『赤毛のアン』誕生100周年のイベントが続いていました。
イベントといっても、スタンプラリーや島を訪れた証明書がもらえるなど、プリンス・エドワード島らしい、穏やかさに満ちたものでした。


その頃の手帳を振り返ってみると、二人分労働がすでに何年にもわたって続いており、限界を感じてこわれそうになりながら、がんばり続けていました。
言葉で説明のしようのない、人に理解されづらいストレスを抱え続ける毎日でした。
思い出すとその時の苦しさがよみがってきてしまい、それでも生活があるのでがんばり続けた日々を思い出すのは辛くもありますが、旅はすでに始まっているので、出発の少し前の振り返りからスタートします。


2009年7月2日(木)

昨夜は二度も目がさめて5時間ねてないなあ。ぼうっとしている。やっと木曜日。イラつく自分への自己嫌悪感。いつも同じではいられない自分への嫌悪感、カナダ、大丈夫かな。こわれてしまうかもしれない不安・・・。ストレスのふきだまりで自分がおかしくなってきているような気がする。逃げ出そう、早く。私は大丈夫だ。ストレスをためながら一人ぼっちで坐っていると、たまらくみじめな気持ちになる。変なストレス・・・。PEIが待っている。


2009年7月3日(金)

午後セキこみはじめたら止まらなくなって、手足がしびれてきて、ソラナックスで落ち着いた。
一人でストレスをためながら留守番している自分がすごくミジメに思えて、たまらなくなる。
この気持ちは誰にもわからない。カナダ行くぞ・・・。


2009年7月4日(土)

こわれそうになっている。こわれる前に逃げ出さなければならない。蒸し暑さと冷房の差はこたえるなあ。PEIが待っているぞ。いくしかない。やるしかない。



2009年7月9日(木)

AMまたもやセキこみはじめたら止まらなくなった。前回と同じ。
小さい体にはこたえる。気力でカバーしきれない。スタミナの限界。
あと2日でPEIという実感が全くない。

2009年7月10日(金)

無事に有給休暇。


2009年7月11日(土)

トロントまで約12時間。

トロントからモントリオールまで約1時間。フランス語圏でわけがわからなくなる。
荷物をいったんピックアップして、入国審査を受けて・・・。
この時点で日本では翌日のお昼頃にあたったのだろうか。相当な疲れ。
シャーロットタウンまでの飛行機でシートをまちがえているのに気づかない。
英語がききとれない。

モントリオールからシャーロットタウンまで約1時間。
明るい乗務員のお兄さん(といっても30代後半?)に元気をもらった。
PEIの夜の灯りが見えてくる。すでに24時。雨で寒い。
やっと着いた-!
遠かった-!


2009年7月12日(日)

あまりねていないのと時差で、半分ねている状態のままアン観光。


ケンジントン駅舎跡



フレンチ・リバー



銀の森屋敷(グリーンゲイブルズ博物館)・輝く湖水
今もそこに住んでいらっしゃるキャンベルさんが購入した本とDVD(『赤毛のアン』シリーズの映画のセット)にサインをしてくれた。



モンゴメリさんの生家
小さな家だが中は意外と広く感じた。モンゴメリさんのウエディングドレスのレプリカをみる。
靴は21㎝。小柄な人だったんだ。



キャベンディッシュ教会・グリーンゲイブルズ郵便局



モンゴメリさんのお墓
ここだけ国立公園できちんと管理されている。



グリーンゲイブルズへ。
いったんホテルにチェックインしてここでツアー参加は終わり。
何度もグリーンゲイブルズの中をみて、お化けの森散策。

100年前の調度品がていねいに整理されていて、その暮らしぶりの細かさ・家事の大変な
重労働であったろうことを肌で感じる。

夕方、といってもすでに6時半をすぎていたと思うが、トレイルを歩いて国立公園の浜辺
(キャベンディッシュ・ビーチ)。
赤い土の荒削りな崖と紺青色の海とだいだい色の夕陽。
銀色に輝くようにみえる海に、ゆっくりゆっくりと陽が沈んでいく。
他では見られないであろう、美しい光景だった。
8時半にはトイレに行きたくなって、ホテルに戻った。

全ての景色が想像以上におだやかで、人もやさしくて、
ゆっくりと時間が流れていく。
なにも急ぐことはない。


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モントリオールの広い空港の中で、シャーロットタウン行きの飛行機の搭乗口は端っこ。
飛行機の中でほとんど眠れていない状態だったので、一人で手荷物を持って延々と歩き続けながら、こんな誰も知っている人がいない所で行き倒れてしまったらどうしょうと思った記憶があります。時差で日本では朝方にあたる頃でした。

シャーロットタウンへ向かう飛行機の中で、ようやく島の灯りが見えたときは本当に嬉しかったです。乗務員のお兄さんの英語もちゃんと聞きとれなかったですが、私が疲れ果てて坐っていたので、島の灯りがみえてくると、ほらあれがプリンス・エドワード島だよ、というようなことを言って、元気を出してとお茶のティーバックをいくつか持たせてくれました。嬉しかった。やっときたんだ、プリンス・エドワード島・・・涙がでていました。


写真はケンジントン駅舎跡です。
2012年の秋に訪れた時にはパブができていました。


しとしと雨の銀の森屋敷です。



輝く湖水です。