映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、ハイネケン経営者誘拐事件を映画化したサスペンス作品「ハイネケン誘拐の代償」です。
1983年に実際に起こった大富豪の誘拐事件。世界規模のビール会社へ成長させたアルフレッド・ハイネケンを誘拐し、犯人グループは日本円で23億円の身代金を要求した。その事件を誘拐に至る経緯から解放までの3週間を事実に基づき描き、未だ解明されていない身代金の行方を加えたミステリー作品として仕上げています。
素人の若者たちの犯人グループは、組織的な犯罪グループに見せかけて警察を欺き身代金を手にするものの、予想できない綻びにより逮捕されます。その心理的描写が、よくできた作品でした。
作品全体にイギリスとベルギー合作のためか、以前見たハイネケンのドキュメンタリーとは対極にある雰囲気を持ってるように感じ、さらにハイネケン氏を演じたアンソニー・ホプキンスが冷静さを保ちながら若い犯人の心理に入り込んで翻弄していく様が怪しげで、どちらが善か悪か錯覚しそうになるほどでした。